竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻1 歌番号16から20まで

2024年07月09日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻1

歌番号 16 拾遺抄記載

詞書 斎院御屏風に

詠人 みつね

原文 加遠止免天 堂礼於良左良无 武女乃者奈 安也奈之可須美 多知奈加久之曽

和歌 かをとめて たれをらさらむ うめのはな あやなしかすみ たちなかくしそ

読下 香をとめてたれをらさらん梅の花あやなし霞たちなかくしそ

解釈 香りを閉じ込めても、誰が手折らないで居ましょうか、この梅の花には、それは意味が無いことです。霞よ、お前が立ち籠って、無駄に香り高い梅の花を隠すな。

 

歌番号 17 拾遺抄記載

詞書 ももそのにすみ侍りける前斎院の屏風に

詠人 つらゆき

原文 之呂多部乃 以毛可己呂毛尓 武免乃者奈 以毛遠毛加遠毛 和幾曽可祢川留

和歌 しろたへの いもかころもに うめのはな いろをもかをも わきそかねつる

読下 白妙のいもか衣にむめの花色をもかをもわきそかねつる

解釈 白妙の妻の衣でしょうか、その衣からは梅の花色も香りをも、区別することができません。

 

歌番号 18

詞書 題しらす

詠人 人麿

原文 安寸可良波 和可奈川万武止 加多越可乃 安之多乃者良者 遣不曽也久女流

和歌 あすからは わかなつまむと かたをかの あしたのはらは けふそやくめる

読下 あすからはわかなつまむとかたをかの朝の原はけふそやくめる

解釈 明日からは若菜を摘もうと思った、その片岡の早朝の野原は、どうも、今日は野焼きをしているようです、(どうも、煙っているみたいです。)

 

歌番号 19 拾遺抄記載

詞書 恒佐右大臣の家の屏風に

詠人 つらゆき

原文 乃部美礼者 和可奈徒美个里 武部之己曽 加幾祢乃久左毛 者留女幾尓个礼

和歌 のへみれは わかなつみけり うへしこそ かきねのくさも はるめきにけれ

読下 野辺見れはわかなつみけりむへしこそかきねの草もはるめきにけれ

解釈 野辺を見ると人々は若菜を摘んでいる、なるほど、我が家の垣根の草も春めいてきたものだ。

 

歌番号 20 拾遺抄記載

詞書 わかなを御覧して

詠人 円融院御製

原文 加寸可野尓 於保久乃止之者 川美川礼止 於以世奴毛乃者 和可奈々利个里

和歌 かすかのに おほくのとしは つみつれと おいせぬものは わかななりけり

読下 かすか野におほくの年はつみつれとおいせぬ物はわかななりけり

解釈 春日野で多くのを年に若菜を摘んだけれど、その言葉の響きではないが、いくら積み重ねても年負うことが出来ないものは若菜だった。

 

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