Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

「たぶん」という台詞

2006年08月11日 | 映画など
唯野未歩子さんに
『三年身籠る』という監督作がある。

オセロの中島知子が妊娠30ヶ月の妊婦を演じる。
いつまで経っても子供を産まない主人公の周りで起こる、
ささやかな愛憎劇、というかコメディだ。

三年身籠る(2005)

主人公の夫(西島秀俊・好演)は、
妻が妊娠しているというのに、
まったく夫としての自覚に欠けており、
浮気を繰り返したりする、基本的にオトナに
なりきれない男である。

そんな夫に、静かだが厳しい眼を向ける妻。
普段はソフトなのに、何気ないところで、
ビシリと夫をやりこめるシーンに凄みがある。

夫は、情けないながらも、
妻とやがて産まれてくる子供のために、
自らを奮い立たせる。
そのとき、妻に宣言する夫の台詞が微笑ましい。

「妻と子を守るのが、たぶん、夫の役目だ」

この「たぶん」という台詞、見た人はどう感じるだろうか。
僕にはすごく、この「たぶん」がしっくり来た。
自分自身、「たぶん」と言うシチュエーションが多いからだと思う。

この優柔不断なところ、でも、なんとか努力しようとする態度。
「たぶん」という言葉があるからこそ、説得力がある。

脚本も唯野さんである。
相当な傑作だと思う。
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