スタンリー・ドーネン監督「シャレード」を見る。
言わずと知れたオードリー・ヘプバーンの主演映画。
往年の名作だけど、驚いた。こんなに面白い映画だとは。
アイドル映画だと思う。
オードリーをいかに魅力的に見せるかに絞った映画作りというか。
撮影当時は34歳。アイドルと言うにはトウが立っているけれど、
とにかく可愛くエレガントなオードリー。
殺人鬼に狙われる役どころなのだけど、
服をとっかえひっかえしているところなど、どこかのんびり。
相手役がこれまたエレガントでスマートなケーリー・グラント。
撮影当時59歳で、いささかトシかなと思いつつも、
服を着たままシャワーを浴びる場面などの
スラップスティックな演技が素晴らしい。
そんなオードリーとグラントがパリの街を疾走。
地下鉄構内や、アパートメントのエレベーターを使った
スリリングな追っかけ場面に息を呑む。
モーリス・ビンダーによる、
タイトルバックのお洒落なデザインと、
ヘンリー・マンシーニの優雅で親しみやすい音楽。
そして、オードリーを狙う凶悪な男どもに、
ウォルター・マッソー、ジェームズ・コバーン、
そしてジョージ・ケネディとキャストも完璧。
つまりは、華やかなスターが活躍し、脇役が充実していて、
音楽やタイトルがお洒落かつ、スリルとサスペンスが満載の
ロマンチックコメディなわけで、そりゃあ面白いでしょう、と。
実は以前、見たことがあったのだけど、
そのときはあまりピンと来なかったというか。
オードリー・ヘプバーンの映画なんて普通すぎると思っていたのだろうか。
侮れないな、オードリー。
あと、スタンリー・ドーネン監督。
この人、「雨に唄えば」の監督だけど、
どうやらミュージカルだけの人ではないようだ。
このコンビの「パリの恋人」「いつも2人で」などを見直したいところ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます