松本壮史監督「サマーフィルムにのって」を見る。
おお。素晴らしい。なんという傑作。
そもそも女子高校生たちが映画作りに情熱を燃やす
という題材に惹かれるし、
見てびっくりするほどの映画愛の炸裂ぶりと、
血湧き肉躍る活劇の面白さ。
そして、登場人物たちの切ない思いがほとばしり、
青春映画としてのきらめきにも事欠かない。
主人公の高校生ハダシは大の時代劇マニア。
勝新の大ファンで、座頭市をこよなく愛している。
名画座でたまたま出会った男子の凛太郎こそ、
自分が撮ろうとしている侍の役にぴったりだと
無理矢理彼を説得し、仲間と共に撮影に突入する。
ハダシを演じているのは元乃木坂46の伊藤万理華で、
ショートカットのオタク高校生という役どころは
「映像研には手を出すな!」の浅草みどりを彷彿とさせるというか、
猪突猛進のキャラでありながら、もろい面も垣間見せてくれて好演。
時代劇への夢、そして映画への夢。
憧れのものに近づくために悪戦苦闘するハダシたちと
ポンコツな仲間たちのアンサンブルが楽しい。
そして、ハダシの凛太郎への思い。
彼への思いが溜まりに溜まり、
ついに爆発するクライマックスの活劇に鳥肌が立つ。
好きな人への思いと、映画への思いが融合する瞬間。
現在と未来をつなぐSF的展開もふくめて、
大林映画へのオマージュも大いに感じさせてくれた。
どんな映画か、と問われると答えに窮するかもしれない。
見た人によっては、これは学園物だろうし、
胸がときめく青春映画かもしれない。
あるいはノスタルジックな時代劇か、
はたまた時をかけるSF映画に見えたりするからだ。
つまりは、どんな映画か、という問いに
見た人それぞれの琴線に触れるような映画なのだと
結論づけることにしたい。傑作。
今夜、久保、田代、齋藤という強力なメンバーとリモート飲みした。そこで話題に出た。見るよ。
https://www.youtube.com/watch?v=gJR3YRBPLj8
これも見てくれ。今、編集中の私の作品だ。
ご意見よろしく。