Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

映画は見世物、という人がいたけれど

2007年03月10日 | 映画など
アレクサンドル・ソクーロフ監督『太陽』を見る。
1945年、敗戦直後。昭和天皇・ヒロヒトの行動を描き、
それまで、難解ゆえに一部のシネフィルにしか受け入れられなかった
ソクーロフ作品、日本で初の大ヒットらしい。


 The Sun(2005)

昭和天皇が崩御して、もう20年近くになるわけだが、
その姿をテレビなどで見ていた頃の記憶がよみがえってきた。
確か園遊会などで「あ、そう」と受け答えをしていたのをよく覚えているのだが、
イッセー尾形は、その「あ、そう」を忠実に再現しているように思われた。
その独特の間というか、浮遊感とぎこちなさを体感するだけで
一見の価値はあると思う。特に我々日本人は。

昭和天皇がマッカーサーと会見するシーン。
噛み合っていないようで、
実はコミュニケーションが取れている
ふたりの様子が興味深い。
マッカーサーの態度も、どこか尊大でありながら、
昭和天皇に対する敬愛の気持ちがにじみ出ている。

俳優たちの演技と存在感で、見る者をとことん引っ張る映画だと思う。
僕はソクーロフの熱心なファンではないので、
はっきりしたことは言えないのだが、
浮世離れした映画を撮る人だけども、登場する人物は、
かなり生々しいというか、非常に人間くさい。
つまり、リアリティーがある。
そうした感じが、この『太陽』にも見受けられるのだ。

そして、なによりも、
僕らのような一般人が絶対に見ることができない
シーンを見せてくれるというだけで、
この映画の存在価値は大きい。
大ヒットの理由もうなづけるというものだ。

それにしても、イッセー尾形。
さぞかし役者冥利(芸人だが)に尽きたことだろう。
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2 コメント

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Unknown (さいさい@百鬼)
2007-03-11 01:05:19
ああああ、これDVDになったんすね。
劇場で観ようと思っていたんだけど、機会逃して後悔してたんだ。
ううう、ぜったい観なければと思う1本です。
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Unknown (taco)
2007-03-11 12:31:31
昭和天皇が出てきた映画を思い出してみると、
渥美清主演の「拝啓天皇陛下様」とか、
岡本喜八の「日本のいちばん長い日」あたりが
浮かびますけど、少ないですねー。
しかも一瞬しか映らないし。
そういう意味で「太陽」は凄いです。
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