くらくらとめまいがして、
目の前が暗くなってきた。
やばい。死ぬのかな。
というのは大袈裟だけど、
ちょっとどうにもならない具合の悪さに
立っていた場所が駅のホームなのだけど、
ベンチも見当たらず、暗澹たる気分に。
とりあえずやってきた電車の座席に倒れ込み、
20分ほど意識を失う。
焼きそばとか冷やし中華とか、
麦のアレとか、ほんとにアホみたいな人生だったなあ。
と走馬灯が見えることもなく、目が覚めて何とか回復。
新宿で降りて、しばし呆けるのでした。
2019年夏のお盆はこうして過ぎていきましたとさ。
この一週間、歯がアレで
まともに噛むことができず、
カップ焼きそばのようなやわらかいモノさえ
ダメな歯で噛むと激痛が走るという哀しさ。
人間、噛めないと死ぬんだなと思う。
今日は少し治療が進み、
かなり噛むことができるようになってきた。
それでも油断大敵で、おそるおそる
ご飯を口にふくみ、ゆっくり噛んでみる生活。
歯科の待合室で
東海林さだお先生の新刊を読む。
おお、そうかシウマイなら噛めるかも。
さすがです、先生。
パシャッ。
パシャッ。
はい。こっち向いて〜。
次はちょっと右に視線ください。
いいですね。はい。じゃあ正面で〜。
仕事柄、カメラマンが有名人などの写真を撮る場に
居合わせることはよくあるのだけど、
まさか自分が被写体になるとは。
え。こっち向くんですか。
はい。じゃあ上向きますね。
次に視線は右ですね。はーい。
なんて浮かれている場合ではない。
実は、ここは取材現場でもなんでもなく、
自宅から歩いて10分ほどのN歯科なのだ。
確かに被写体は自分だけど、
別に顔とかを撮るわけじゃなくて、
口をあんぐり開けるように言われ、
自分の歯を上から下から
微に入り細にわたってデジカメで撮られているのです。
撮っているのは、妙齢の看護師さんで、
神様(蒼井優)に似てなくもなかったりする。
まさか自分の口の中を神様(蒼井優)に撮られるなんて。
胃カメラで胃を見られるのも恥ずかしいけれど、
歯を見られるのも羞恥プレイの極み。
胃の中や歯の裏側を見られるぐらいなら、
●●した方がましじゃ、と言おうとかと思ったけど、
口をあんぐり開けているので、何も言えず、
ただひたすら撮られるままだったのでした。
しっかり歯のケアをしないと、
すぐ虫歯になって歯周病になって入れ歯になりますから。
そんで胃潰瘍になって糖尿病になって
うつ病になって認知症になって死んじまいますよ。
そう言っていたM歯科のおっちゃん先生。
言われるたびに戦々恐々としていたけれど、
そうやって脅かされた方が
自分の歯のためにはいいだろうと思っていた。
なかなかキレイに磨けてますね。
でも油断は禁物ですよ。
特に上の奥歯の裏あたりは。
と言いながらほっぺたをちょん、と
人差し指でつついてくれたマスクの先生(たぶん美人)に、
いつも励まされていた。
なぜ閉院したのかはわからないのだけど、
とにかくおっちゃん先生にもマスク先生(たぶん美人)にも
もう会うことはないんだなあ、と。
それにしてもこの歯の痛み。どうしたものか。
仕事はしなきゃいけないし、
だからといって痛みで集中できず。困った。
近しい人に自宅近くにある、
とある歯科医院を教えてくれたので、
藁をもつかむ気持ちで電話したのでした。
つづく(たぶん。なんか長くなりました)。
兄貴のライブで浮かれていたとはいえ、
地道に淡々と小市民らしく、
日々「すいません」と言いながら生きているのだから、
人生それほど悪いコトは起きないだろう、と。
だが。しかし。
朝、ご飯と味噌汁にきんぴらごぼう。
あとサバの塩焼きなどを食し、
やっぱり和食じゃのお。健康がいちばんじゃ。
ほっほっほっほ。
と半笑い状態だったのだけど、いきなり、
ぐぎっ。
という音が。その音は自分の口の中からだった。
ぐおお。どうなっとるんじゃ。
と思った直後、歯に激痛が。
まさか歯が折れたのでは、と触ってみたら、
激痛はするけど歯は残ったまま。
もしかすると歯に大きなヒビが入ったのでは、と。
半泣き状態で、いつもの歯科医に電話をしたら、
何回かのコールのあと、
「現在、この電話は使われておりません」
とな。どういう了見じゃ、あん?
以下、つづく(たぶん)。