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Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

何もないように思えるこの街からだって

2022年08月13日 | たまには音楽でも
Homecomings「SALE OF BROKEN DREAMS」を聞く
京都出身。女性3人に男性1人。
2012年結成というから、
もう10年選手なんだな、このバンド。
たおやかなボーカルと、
メンバーそれぞれの楽器がしっかり聞こえてきて、
穏やかで爽やかなギターポップにひたる
彼女たちの2ndアルバム。


たおやか、と書いたが、
歌詞がすべて英語で、
ソングライターでもある畳野彩花のボーカルは
その発音をふくめ、たどたどしい気もするし、
強くてしなやかな感じもある。
聞く側の心理状態によって、
いろんな色に変わっていくような声がバンドの演奏に乗る。

02 HURTS
不幸に苛まれる人たちに向けて、
ちょっとした運みたいなものだからと歌う。
その「It's a be like luck」というリフレインが心地良い。

06 MAYBE SOME OTHER TIME
訥々としたラブソング。
好きな人を勇気づけるのに、
「I know more good songs than anyone else does」
いい曲なら誰よりも知ってるからという
決めのフレーズがなかなか素敵だ。

などなど、やさぐれ男には、
それはそれはしみる曲が続くわけで。
「レコード・コレクターズ」の
畳野さんのインタビューを読むと、
スピッツ、銀杏BOYZ、くるり、アジカンなどの
邦楽ロックの洗礼を受けつつ、ユーミンの「ミスリム」や
キャロル・キング「つづれおり」などを後追いで聞くうち、
3rdアルバムから日本語歌詞で歌うようになったという。
そうか、そういう流れのバンドなんだなあ。
3rdも聞かなきゃ。と、やさぐれ男は、
この汚れきった心をなんとかキレイにしようと懸命。

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つまらない大人に聞かせてやる

2022年07月17日 | たまには音楽でも
佐野元春&コヨーテバンドの新譜「今、何処」、
および「ENTERTAINMENT!」を聞く。
珍しく初回限定盤なるものを購入。
というのも「ENTERTAINMENT!」は当初、配信のみのリリースで、
ファンのおっさんたち(自分、だ)に顰蹙を買ったのだろう、
「今、何処」の限定版にCDとして同梱された次第。
ちゃんとファンのことを考えてくれるのは有り難いが、
配信で音楽を聞くタイミングが
また先になったな、という感もあったりして、
ますます時代から取り残されております。
ともあれ、元春66歳。
意気消沈気味のおっさんたちを鼓舞するような、
意欲的な音楽を聞かせてくれています。

ENTERTAINMENT!

19年から21年にかけておもに配信でリリースされた
シングル曲を集めた、いわば最新ベスト盤でのっけから楽しい。

01 ENTERTAINMENT!
の軽快なロックンロールにポジティブな歌詞が乗る。

02 愛が分母
スカのリズムが心地良い。
愛が分母、というサビを口ずさんでいると、
やさぐれた気持ちが和らいでいく。

コロナ禍でミュージシャンができることは、
やはりファンを楽しませ、勇気づけることだと思うわけで、
まさにエンタテインメントな1枚。

今、何処 WHERE ARE YOU NOW

元春の最高傑作という声が聞こえてくる。
ウソつけ、あれだけ名盤があるのによく言うよ、
と思いつつ、聞けば聞くほど、
最高かどうかはともかく、傑作だと確信せざるを得ない。

軽みと重みが絶妙に混ざり合った
コヨーテバンドの演奏に乗って、
歌詞をしっかり聞かせる元春の歌唱。
スポークンワーズならぬ、スポークンロックというか。

03 銀の月
人をうらやむうちに こぼれおちてゆく運命
人を貶めるうちに 暮れなずんでゆく魂

と、いきなり歌詞が突き刺さってくる。
聞く者に警鐘を鳴らし、挑発する姿はディランのようだと感じつつ、
手を差し伸べる優しさもあったりする。

08 エデンの海

一瞬のきらめきを歌ったハードなロックンロールで、
「ヴァニティ・ファクトリー」あたりを彷彿とさせる。
それにしても、元春のその若さはどこから来るんだ、
と驚きながら、ライブで聞いたら盛り上がりそうで、
本作のベストトラックかな、と。

11 永遠のコメディ

世の中を憂うときに、
「コメディ」という言葉を選ぶ元春。
そして世界は「不完全な完全」と歌う。
もしかして米国のシンガーソングライター
FJM(ファーザー・ジョン・ミスティ)の
「ピュア・コメディ」にインスピレーションを得たりしているのかな。
誰か音楽評論家のひと、元春に聞いてください。

本アルバムに「04 クロエ」という曲があり、
これも名曲なのだけど、FJMの新譜にも「CHLOE」という曲がある。
不思議な偶然というか、どこかで共鳴し合っているような気が。


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やがて来るプレリュード

2022年07月02日 | たまには音楽でも
山下達郎の新譜「ソフトリー」を聞く。
達郎さんのFM東京「サンデー・ソングブック」を
毎週聞いているので、久しぶりという感じはあまりないのだけど、
前作の「レイ・オブ・ホープ」から11年も経ったんだな。
コロナ禍のため在宅でずっと仕事をしていた2020年。
閉塞感きわまるなか、ずいぶん達郎さんのラジオに救われたというか、
音楽の力に元気をもらった感謝の気持ちでこの新譜を購入。
今作も安定充実でポジティブな佳曲揃い。

   

#02 LOVE'S ON FIRE
ディスコテックでダンサンブル、
ユーロビートも混ざっているナンバーで、
聞くところによると、達郎さん
現在でも全米トップ40をチェックしていて、
現代音楽のエッセンスをしっかり取り入れているらしい。
ディスコやクラブでかかると盛り上がると思う。
って、行かないのでわからないけれど。

#03 ミライのテーマ
王道の達郎サウンドと
歌詞の「Cute Cute」という可愛らしいフレーズに心が躍る。

#11 コンポジション
この曲がベストトラックかな、と。
訥々と歌詞を噛みしめるように歌う達郎さん。
前作ぐらいから、ものすごく歌心を
感じさせる曲が増えていて、達郎さんの
いちばんの魅力はやっぱりボーカルだと思ったり。

全体的に次の世代、若者の世代に向けて
励ますような、元気を与えてくれるような曲が続く。
長年のファンだけでなく、
20代とか30代の若い世代が聞いてくれるといいのだけど。

それにしても、ジャケ。
あまりジャケに顔を出さない達郎さん。
肖像画とは恐れ入りました。
しみじみいいジャケになったなあと。

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そいつを愛で着飾ってやりな

2022年06月16日 | たまには音楽でも
リアム・ギャラガーの新譜
「カモン・ユー・ノウ」を聞く。
弟、快調そのもの。頼もしい限り。
しかも格段にその音楽性を拡げているというか。
50歳にしてロックシンガーとしての伸びしろを
感じさせてくれる好盤だと思う。
もうオアシス時代や、兄貴ノエルと
比べてああだこうだと文句を垂れるような
つまらない大人にはなりたくないな、と。


01 More Power

冒頭からのけぞるような曲。
というのも、少年聖歌隊のおごそかな
コーラスから入るのだ。まるでゴスペルや賛美歌のよう。
父母への憎しみと愛情が入り交じった歌詞。
もっと力を、と歌う弟のボーカル。

05 Too Good For Giving Up

なんという名曲。すべての傷ついた者たちに
癒やしのメッセージが伝わるバラードで、
ストリングスの美しさが際立つというか。
こんなやさぐれロッカーに慰められる日が来るなんて。

11 Better Days

「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」まんまの
ドラムスが鳴り響くサイケでメランコリックなナンバー。
やってるな、とにんまりするか、
パクリじゃん、と呆れるかは聞く人の感性次第だろう。
そうか、本作は、ビートルズで言えば
「リヴォルヴァー」みたいなアルバムなのかな、と。

本作の良さはくり返し聞く度に良くなっていく気がする。
好調なのは充分わかるので、ぜひこの勢いで
来日してくださいな。武道館でよろしく。

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やればできる子の人生

2022年05月28日 | たまには音楽でも
ディラン暗黒時代の探究。
「ダウン・イン・ザ・グルーヴ」をあらためて聞く。88年作。
ジャケがひどいと思っていたけれど、
よく見ると、そこまで悪くないというか。
別にピンボケのディランでもいいじゃないですか。


ライナーなどの資料によると、
この頃のディランは自信を失っていて、
あろうことかグレイトフル・デッドに、
メンバーにしてくれと懇願していたらしいけど、本当なの?
実際、自作曲は前作「ノックト・アウト・ローデッド」より
少なくて、わずか2曲で、デッドのソングライターの
ロバート・ハンターとの共作があったりする。

でも聞くとびっくり。

01 Let's Stick Together
から快調なロックンロールで、
ディランの気持ちよさげな
ボーカルとハーモニカが心地良い。

03 Death Is Not The End
は切々と生と死について歌うディラン。
宗教歌のように聞こえるが説教くさくなくて
素直に感動できる。キリスト教3部作でのキャリアは
音楽家としてのディランを格段に成長させたのではないか、
と思ったりする。

06 Ugliest Girl In The World
これも軽快なロックンロールで
不美人な恋人への愛を歌うディラン。若々しい。

と、いい曲が3曲になりました。
本作がファンの間で取り上げられることはほんとに少ないので、
ほぼ名盤に格上げしておきましょう。

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やればできる子の逆襲・その2

2022年05月27日 | たまには音楽でも
ディラン「ノックト・アウト・ローデッド」。
怪しいジャケへの妄想が止まらない。

よくよくこの絵を見てみると、
首を絞めている男が旦那なのではないだろうか。


つまり、妻の浮気現場を突き止めて、
間男の首を絞めようとしている場面なのでは、と。


首を絞められている男は、見た感じ優男だし、
小金持ちの男と結婚したはいいが、
燃えるような恋をしたがっている女の
いい浮気相手になったのではと想像する。


現場を押さえ、嫉妬に狂い、
間男の首を絞めている夫に向かって、
女はおっきな花瓶を
ぶつけようとしているのではないだろうか。
やたらに色っぽい感じがするし、
ファムファタールな人妻なのだろう。

で、哀れな夫は、
女に脳天をブチ割られて瀕死状態。
「今よ、逃げましょう!」
と間男の手を取って、
逃避行という流れになるに違いない。きっと。たぶん。

メキシコ時代のルイス・ブニュエルなら、
さぞかし不道徳なB級映画にしてくれるだろう、
と妄想が止まりません。

どうしてくれるんですか、ディラン。
仕事に手がつきませんがな。
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やればできる子の逆襲

2022年05月26日 | たまには音楽でも
ディラン暗黒時代の探究です。
「ノックト・アウト・ローデッド」をあらためて聞く。86年作。
なんといっても本作はこのジャケでしょう。
昔のパルプマガジンの挿絵にありそうな、
人妻が浮気相手をけしかけて
旦那に手をかけているような場面。
間男の帽子から察すると、たぶん舞台はメキシコ。
「早くとどめを刺しなさいよ」という女の台詞が
聞こえてくるようで妄想は尽きない。


久し振りに聞いたら、良いではないか。
ディランのオリジナル曲が少ないとかで
不評を買ったみたいだけど、
他人の曲を歌うディランも良いではないか。

02 They Killed Him

は、クリス・クリストファーソンの曲。
社会的なテーマをふくんでいて、聞かせるし考えさせられる。

07 Got My Mind Made Up

当時、一緒にツアーをしていたトム・ペティとの共作。
バックもハートブレーカーズがつとめていて、
なかなかハードな仕上がりで、カッコいい。

06 Brownsville Girl

歌詞がサム・シェパードで、
これがかなりの名曲。
ポエトリーリーディングのように歌うディランと、
美メロが調和しあって素晴らしい。
いくらディランといえど、
他人の力を借りたっていいと思います。曲が良ければ、それで。

1枚のアルバムで3曲ほどいいのがあり、
しかもジャケが怪しすぎて、
妄想が膨らむ楽しみもあるんだから、
これはほぼ名盤と言ってもいいでしょう。

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やればできる子の本気

2022年05月25日 | たまには音楽でも
ディラン生誕を祝って
何か聞こうと思い、たまたまCD棚で目に付いた
「エンパイア・バーレスク」をば。85年作。
そういえばあまり聞かないアルバムだなあと。
俺はちょいワルだぜ、といわんばかりのジャケが
災いしたのか、ファンの間でも評価はいまひとつ、というか。


久し振りに聞いたら、良いではないか。
R&Bに寄ったとか、ヒップホップの要素を
取り入れて流行に乗ったとか、ネガティブな評価が
多かったように記憶しているが、良いではないか。

キリスト教3部作の最終作
「ショット・オブ・ラブ」と音の感じは似ているというか。
ソウルフルで、ディランのボーカルのテンションも高い。

03 I’ll Remember You 
07 Emotionally Yours 

あたりはしみじみ聞くことができるし、なんといっても

08 When the Night Comes Falling from the Sky

のスリリングで聞く者を挑発する歌詞が
ロックンローラーたるディランの面目躍如、というか。
「ライク・ア・ローリング・ストーン」「ハリケーン」と
肩を並べるほどの名曲、と言ったら大袈裟だろうか。

1枚のアルバムで3曲ほどいいのがあれば、
それはほぼ名盤ですよ。きっと。
本作をふくめ、暗黒時代のアルバムと言われる
「ノックト・アウト・ローデッド」
「ダウン・イン・ザ・グルーヴ」
あたりを聞き直してみよう。3曲ぐらいいい曲があったと思うし。

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波打ち際にて

2022年05月21日 | たまには音楽でも
フリート・フォクシーズ「SHORE」を聞く。
コロナが世界を席巻した2020年。
配信だけでリリースされたのもあり、聞きそこなっていたが、
ようやくフィジカル(CD、ね)が出たのを手に入れたという。
いまだに配信で音楽を聞くのをためらっているのは
いかがなものかと思いつつ、
もっと早くから聞いておくべきアルバムだったと思う。
やさぐれている時代だからこそ、
このバンドの音と調べと言葉が必要なのだ、と。


このバンドのアルバムは
1曲1曲が独立していながら、
ひとつの組曲のような印象が強い。
これはいい曲だなあ、と思っていたら、
そのイメージのまま、
いつの間にか次の曲に進んでいる感じというか。
前作の「CRACK-UP」はその傾向が顕著だった。
今作はそこまでの連続性はないものの、
アルバムとしてのトータル性は相変わらず高い。

歌詞を読むと、普遍的なラブソングのようにも、
神話とか哲学とか世界平和のことを
歌っているようにも思える。浅いのか深いのか。
歌詞の解釈はそれぞれ聞く人に委ねられているのだろう。

ニール・ヤングに似た
ロビン・ペックノールドのボーカルは
優しく慈愛に満ちていて、メンバーによる
コーラスワークも力強い。
ギターやキーボードなど楽器の音も太いのに、
限りなく穏やかに聞こえるのは
このバンドの特徴なのだろう。

コロナも収まった(たぶん)ので、
また来日してくれたらライブに行きたいところ。
そういえばこのバンドのドラマーだった
ジョシュ・ティルマン(ファーザー・ジョン・ミスティ)も
新譜が出たようで、聞いてみたいと思いつつ、
アホみたいに安レコや安CDを買いまくっている身としては
いつ聞くんだろう、と自分に突っ込んでいる日々。

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魂の窓を開けろ

2022年04月17日 | たまには音楽でも
ニール・ヤング・ウィズ・
クレイジー・ホース「バーン」を聞く。
怒濤のごとくアーカイヴものが出ているニール翁は、
新作を出すのも忘れない。前作「コロラド」同様、
クレイジー・ホースとのニューアルバムで、今回も好盤。


#01 ソング・オブ・ザ・シーズンズ

いきなり名曲な感じがたっぷり。
ニール翁のハーモニカの優しい調べと
絶望のなかに希望を見るような歌詞が滲みる。
かつて出した「プレーリー・ウィンド」みたいな
しみじみ系のアルバムなのかな、
と思いきや、

#02 ヘディング・ウェスト
#04 カネリカン

少年時代の自分自身を振り返る
軽快なロックナンバー#02は、
両親が離婚したが、ママがギターを買ってくれた。
そんな日々をgood old daysと歌う。
#04も自伝的な曲で、
カナダで生まれアメリカを歌う自分のことを
カネリカンと呼ぶニール翁。

#05 シェイプ・オブ・ユー

では、お前の姿が愛しいと歌う。
お前とは、現在の妻ダリル・ハンナのことらしく、
サビで裏声になるところは
完全なノロケだなあ、と。なんとも可愛らしいラブソング。

#07 ヒューマン・レイス

これが本アルバムのベストトラックかな。
「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」的なアプローチで
人間の愚かさを告発する歌と演奏の激しさに聞き入る。



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