桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

乱れ

2019-12-11 | Weblog
今日は北陵クリニック事件の再審請求棄却決定に対する緊急抗議集会に招かれ仙台へ。
北陵クリニック事件も酷い冤罪だ。
これは近代医療を詠いながら医療行為も経営も失敗した病院が、その杜撰さを隠すために病死者(経営失敗で末期患者を受け入れた)を事件死であるかのようにした冤罪だ。もちろん、その病院の思惑に警察が乗り、警察の常套手段である筋弛緩剤鑑定の証拠捏造で成立した。
宮城県や仙台市、東北大学までが北陵クリニック病院の近代医療に加担したことから、全仙台が守大助をスケープゴートにして経営破綻と近代医療失敗の責任逃れをした冤罪事件でもある。
何しろ、筋弛緩剤を使用した犯罪だとしながらも凶器である筋弛緩剤が裁判に提出されないのだ。
そのそも筋弛緩剤などは使われていないし、凶器とされる筋弛緩剤の実物は存在しないと、我々は思っている。確信している。
凶器を示せ、裁判に提出しろ!
当たり前の要求を掲げ、更に、総ての問題点に反論をする再審請求書を作って第2次再審を行うならば、必ずや勝てると確信しているが、どうも、そこが難しいのも北陵クリニック事件だ。
弁護団は最高裁の不当な棄却決定に対して声明すらも出せない体たらくだ。都合6度、裁判所を説得し得なかった弁護士が主体になる限界を理解しない人がいることこそ、北陵クリニック事件の哀しさだ。
更に同じ弁護士が主体となって、また同じような主張で来年にも再審請求をするとかの話も伝わり、暗澹たる思いだが、俺の体験からの思いを話して来た。
この事件の支援に関わる人たちの、総ての皆さんが納得する再審請求書を作るために、弁護団は他からの話を聞きいれること、軽々に再審請求をしないこと、みんなで力を合わせて問題点を洗い出し、その総てを掲げて闘うことを話して来た。
仙台に向かう朝、松戸駅で人身事故があり、電車が遅れた。何とか開会に間に合ったが、帰宅する今も、まだダイヤは回復せずに乱れている。
8時間以上もダイヤが乱れて修正されないのは、それだけ今のダイヤが複雑になっている証だろうか。
物事は複雑になるほど、一度乱れると解決は難しい。北陵クリニックにもある乱れを思いながら、この複雑な冤罪事件も、早くスッキリして闘い、勝利に向かって欲しいと願うばかりだ。

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