桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

宝島社

2021-05-11 | Weblog
あれは何年前だったか、宝島社から千葉刑務所で一緒に時を過ごした男の本が出た。
そこに俺と杉山のことが書かれていて、俺が杉山のことを犯人だと語ったかのような記述や杉山の短歌に贖罪の想いがあったとか、出鱈目な話があった。
俺は、すぐに宝島社に電話して著者の対応によっては名誉毀損で訴えることを伝えた。
そのときの宝島社の担当者の対応は不誠実だったが、著者が詫びたし、無期懲役から社会に帰った著者も頑張って欲しいと思って、総てを水に流した。
それ以来、宝島社には良い印象はないし、一切、宝島社の本は買ったことがない。
その宝島社が、今日の朝日新聞社に「今こそ怒りの声をあげるべきだ」とする政治への怒りを示す全面広告を出した。
凄いな、宝島社。
「ワクチンもない。クスリもない。タケヤリで戰えというのか。
このままじゃ、政治に殺される。
私たちは騙されている。
この一年は、いったい何だったのか。
いつまで自粛をすればいいのか。
我慢大会は、もう終わりにして欲しい。
ごちゃごちゃ言い訳するな。
無理を強いるだけで、なにひとつ変わらないではないか。
今こそ、怒りの声をあげるべきだ。」
戦時中に竹槍を持たされた女学生の写真をバックに無策な政権、政治への強烈な抗議の意思表示だ。
有り難う、宝島社。
そうだよ、今こそ怒りの声を上げて政治を変えよう、社会を変えよう。命を守ろう。

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