桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

仲間の匂い

2019-02-25 | Weblog
練馬の獄友上映のとき、その筋的な人が来た。
歩く態度や風体が醸し出す雰囲気に歴戦を感じる男性が文化センターに入って来て、俺が立っている前を通って小ホールに行き、確認したらば、また入口に戻って行った。
そこには、同じ雰囲気を感じる人が4人!
公安?
そう思った。
やがて開場になり、ロビーで立っていたらば、その5人は揃って入場した。公安の特徴であるマスクは、誰もしていないし、あの警察官特有の目をしていない。恐いものに慣れたようでいて穏やかな表情と雰囲気は丸暴とも違う感じだった。
やがて映画が終わって、俺たちの挨拶の番になり、舞台に準備された椅子に座って会場を見渡したらば、その5人組は会場中央の左上部分に仲良く並んでいた。熱心に話を聞いてくれていた。
終了。
俺たちは来てくれた皆さんを送り出すためにロビーに並び、俺はCDや詩集にサインをしていたらば、その5人組が来た。
「俺は袴田の後輩のフジジムです!」、「こっちが三迫、こっちは青木」と言う。
皆さん、ボクシング界の人だった。
言われて納得。
「桜井さんほどではないですが、俺も、昔は、ちょっとワルだったんです!頑張ってください!」と激励してくれ、5人の皆さんは、それぞれに握手をして帰って行った。
仲間だった!

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