桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

山梨キャンプ場殺人事件

2012-05-15 | Weblog
最高裁で審理中の事件について、検察が弁論再開を要求したらしい。「異例」と報道されたが、検察が異例なことをするときは、何時も不正行為の上塗りを行うときだ。
この山梨キャンプ場殺人事件と言われるものは、「死刑宣告された主犯は現場にはいなかった」と共犯が証言した。
その証言を弁護側が最高裁に提出したことから、検察は「証人は強要されて証言したもの」と反論をしての「弁論再開」となったわけだ。
この25日、名古屋高裁で決定のある名張事件では、1審判決は「取り調べで並々ならぬ働きかけがあった」として、奥西勝さんの有罪に都合の良い証言を退けて無罪判決をした。
ある人物を犯人だと決めたらば、警察と検察は、まず都合の悪い証言を変更させるために、証人たちに働きかけて」証言は間違いだった」と変更させる。でなければ有罪に出来ないのだから、必ず、そうする。
この山梨キャンプ場殺人事件でも「支援者からの強い働きかけで現場にはいなかったと証言した」と言わせたらしい。
俺は刑務所を経験しているから知っているが、面会や手紙には刑務官の検閲の目がある。そもそも検察官の力が絶大に及ぶ刑務所にいる証人に、誰が証言の変更を求められると言うのだ。受刑者相手に記録を残さないで証言変更を行い得るのは検察官ただ一人だろう。
この事件でも、真実を話し始めた証人に対して「嘘だろ?支援者たちに求められて嘘を言ったのだろ?」「違う?」「そんな嘘を言っていいのかな?君の将来に損だよ!」「良く考えた方がいいよ」「正直に真実を話してくれるならば、君の将来も、すぐに来るよね」「あと、何年だったかな、君の刑期は。」なんて検事の言葉が見えるねえ。
また並々ならぬ検察官の働きかけで1つの冤罪が完成させられるのだろうか。

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