桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

逮捕記念日

2018-10-10 | Weblog
今日は52回目の逮捕記念日だ。
朝、連れ合いから「今日は記念日ですね」と言われて想い出した。何日か前は、あと少しで10日だと思っていたが、今朝は忘れていた。
でも、あの夜のことは、今でもハッキリと覚えているな。
今は無い池袋駅の赤羽線ホームで、新宿京王デパートから帰る彼女と待ち合わせて十条駅へ。
金木犀の香る夜だった。
東十条駅の交番に入る前に掛けられた手錠と冷たさ。
深澤武刑事と相手錠での電車。まだ出来たばかりの取手駅西口に待つ警察当局車両に乗り、日付が変わるころに行った取手警察署。
あれから52回目の10月10日だ。
ドラマチックな時間を過ごしたものだが、まだ俺の闘いと人生は続き、出会いの世界は広がり続いている。
警察や検察は、日本社会では、絶大な力を持っている。人を理不尽に逮捕するし、証拠の捏造や隠滅まで行って無実の人を殺したりする。
だから、警察や検察を相手にした闘いをする人や、その周りにいる人たちは、一気に正義は実現しない!とか、日本では革命は起きない!警察や検察を変えることも一気には行かない!などと語るが、俺は、そうは思わない。
訳知り顔に、日本ではダメなどと語る、その言葉や心が、何かを生み出す力を阻害していると気付かないでいるのだ。
残念ながら警察沙汰、裁判沙汰は他人事であることが多い。だから、警察や検察、裁判の結果や行いに無関心である人は多いが、もし、その他人事でいる人間が体験したらば、どうだろうか。
言うまでもない。誰だって無実の罪は我慢出来るはずはないし、警察や検察の不正を正しいたいと思うに違いない。行動するに違いない。
日本の警察や検察の嘘や誤魔化しは社会に知られていないから許され、見逃されているに過ぎないのだ。表面的な力を恐れることはないし、声を上げ続けるならば、必ずや証拠捏造や隠滅行為を犯罪として裁き、冤罪仲間を救う法律で実現出来ると、俺は信じている。確信している。
あの夜、こんな俺になるなんて思いもしなかったが、人生は面白いなぁ。
俺に嘘の自白をさせた早瀬四郎警部補、「こんな奴がアカになったらば大変だなぁ」と、取り調べのときに呟いたんだよね。警察と検察の行為を犯罪にする法律を作りたい、そう思って行動している今の俺を見たらば、何て言うだろな。
あの世で会うのが楽しみだ。

大森ライブ

2018-10-10 | Weblog
唄う機会に知り合った渡辺潤さんという方からお誘いを受けて大森で唄った。
渡辺さんはケースワーカーの仕事をされていたそうだが、毎年、バースデーコンサートを開いておられ、それにお誘いを受けた。
渡辺さんとの出会いは、ジャスティスというデュオの周防さんご夫婦と狭山支援の中で知り合った、憲法ジャンボリーに出演したときだった。私の歌を気に入ってくださったそうで、今回のお誘いだった。
渡辺さんの誕生日を祝う仲間たちが30名弱。ジャスティス、俺、渡辺さんが各自50分の歌だったが、俺は気分良く唄い、時間を超過してしまった。
歳月が重なるたびに出会いの人が増えて広がる人生の有り難さを感じた1日だった。