今朝、ゴミ出しに玄関を出たらば、我が家の方に向かって犬が、軽く走る感じで向かって来た。
見ると、頭の辺りの毛は、何か月も風呂に入らない人の髪の毛のようで、カリブ海辺りの「レゲエ髪」のようだった。足も、僅かにびっこを引いているようだ。
俺が座って、「お出で!」と声を掛けたらば、ふっと頭を上げて止まった。
「大丈夫だよ、お出で!」と声を掛けたが、クルリと向きを変えて戻って行った。そして、ゴミ置き場と反対方向の南側に行ってしまった。
我が家の前の道路は一周する道路で、外に抜ける道はない。ゴミ置き場の方向に抜ける道だけで、南に向かうと元に戻ってしまう。きっとぐるりと回ってしまい、ゴミを出して戻る俺に出会うだろうと思って帰ると、案の定、我が家の前の家の垣根辺りで、塀に伝う蔦の匂いを嗅いでいる。
また、座って「お出で!ご飯を上げるから!」と言ったが、俺の顔を見て、また向きを変えて行ってしまった。
野良犬は珍しい。穏やかな表情が印象的で、降り出した雨の中、どこへ行ったのかと、妙に気になる犬だった。