桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

老犬

2015-02-26 | Weblog

今朝、ゴミ出しに玄関を出たらば、我が家の方に向かって犬が、軽く走る感じで向かって来た。

見ると、頭の辺りの毛は、何か月も風呂に入らない人の髪の毛のようで、カリブ海辺りの「レゲエ髪」のようだった。足も、僅かにびっこを引いているようだ。

俺が座って、「お出で!」と声を掛けたらば、ふっと頭を上げて止まった。

「大丈夫だよ、お出で!」と声を掛けたが、クルリと向きを変えて戻って行った。そして、ゴミ置き場と反対方向の南側に行ってしまった。

我が家の前の道路は一周する道路で、外に抜ける道はない。ゴミ置き場の方向に抜ける道だけで、南に向かうと元に戻ってしまう。きっとぐるりと回ってしまい、ゴミを出して戻る俺に出会うだろうと思って帰ると、案の定、我が家の前の家の垣根辺りで、塀に伝う蔦の匂いを嗅いでいる。

また、座って「お出で!ご飯を上げるから!」と言ったが、俺の顔を見て、また向きを変えて行ってしまった。

野良犬は珍しい。穏やかな表情が印象的で、降り出した雨の中、どこへ行ったのかと、妙に気になる犬だった。

 


木鶏たりえず、だって

2015-02-26 | Weblog

相撲の歴史上、最も優れた横綱だったと評される双葉山が、安芸の海に敗れて、その連勝記録が止まったとき「我、未だ木鶏たりえず」と口にした。何事にも動じない象徴としての「木鶏」らしいが、その言葉を、昨日の国会で安倍が語って「日教組!」と野次った自分の反省としたらしい。

国会で質問を受けたり、批判されると、すぐの顔色を変えて反論する底の浅い人間が、よくもまあ双葉山の言葉を語れたものだと、その無神経さに感心した。こういう鉄皮面でなくては、世界に向かって「放射能はコントロールされている」なんて嘘も言えないかも知れないね。

安倍の嘘には、ほとほと愛想が尽きるけど、こういう人間として重要な問題だろう部分を、全くマスコミは批判しない。なぜなのだろう。

政治は嘘がつきものと思っているのだろうか。国家を動かす政治こそ、誠実で真実でなくてはならないと、俺は思っているが、こんな点も日本は中世かも知れないよなあ。