桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

地方選挙

2015-02-08 | Weblog

今年は一斉地方選挙だ。
俺が再審をしているとき、支援してくれた1人が、前回の地方選挙に立候補して議員になった。
次は2期目だが、それなりに大変なことも多いと聞いていたし、今日は「春を呼ぶ集い」ということなので参加した。
俺も、その集会に相応しい「ゆらゆら春」を唄い、応援の話をした。応援になったかどうかは判らないが、130名が集まり、熱気を感じて安心した。
こういう集会に参加すると、何時も「1人は万人のために、万人は1人のために」という言葉を感じて楽しい気分になる。

「ニッポンの裁判」を読んで

2015-02-08 | Weblog
元裁判官・瀬木比呂志氏の書いた裁判所批判第2弾を読んだ。
裁判官として体験した裁判所の実態は、真実や正義は欠片も存在しないと思わされるほど、政治などに支配された無惨な姿だったが、新しい本には、「そこまで批判されながら黙殺し、陰口のように陰険な反論をする最高裁を頂点とする裁判所の姿」が書かれている。
第7章にある「株式会社ジャスティスの悲惨な現状」の批判は痛烈だ。
裁判所を株式会社に例えて、自由に意見を述べることも許されず、有給休暇の制度もなく、10年に1度は人事部の「リストラ査定システム」があって上層部の方針に従わないと「みせしめ解雇」や退職強要があり、情実人事が罷り通る会社に、アナタならば入るか?と問う。
この本の、もっとも重要な指摘は最終章だろう。
最高裁経理局は、そこで行う契約に於いて、驚くべき不正処理を行っているのだ。「裁判員制度広報費」名目で使われた予算のうち、3億3千万は目的外に流用したが、詳細は明らかに出来ない、と最高裁は開き直っているのだ。
この流用に係わったのが、先の最高裁長官竹崎愽允だし、その後を引き継いだ子分が現最高裁判事の大谷剛彦だと言う。そして、竹崎の覚えめでたい小池裕が経理局長を引き継いで、今は東京高裁長官だし、電通に怪しげな契約をした当時の契約選定責任者が、新しく最高裁判事に就任した大谷直人だと来ては、この裏金に繋がりそうな闇は、深刻で根深いと思わされた。
警察や検察にある裏金は、それなりに問題にされたが、裁判所の裏金は、生田元裁判官が追及の裁判をしているが、全く報道されない。昇進人事を操作して裏金を作る仕組みが、裁判所の裏金作りだとは聞いたが、今は堂々と予算に組んで使い方を闇に閉ざして裏金を得ているのだろうか。
最高裁、恐るべし!
正に絶望たる存在の裁判所を教える本だが、最終章には、これを変える手段も書かれている。
もし裁判所が変わり、投票の平等が成されれば、投票率と議席構成の不自然が解消し、その国会によって公正な裁判所を作り得る、とある。
今、この日本を正義と真実の通る社会にするためには、何をなすべきか。
自分自身のしている闘いの意義をも見つめ直す本だった。
ぜひ皆さんもご一読を!!