桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

拝啓樋渡利秋検事総長殿

2008-12-01 | Weblog
布川事件に対して、検察庁は補充書を、この11月末には提出すると言って来ましたよね。
俺、楽しみにしてたのですよ、それが出るのを。だって証拠隠しの検察庁に、全うは補充なんて書けるはずがないし、どうせ欠陥だらけになるだろう補充書を読んで反論できるのを、もうウズウズして待っていましたのに、まだ出せないのですか。ウズウズしてるのに書けない。書く材料が無くて、つい検察庁の裏金とかを書くしかなくて気分の良くない話ばかり!
樋渡さん、アナタ方は正義を振りかざして人のアラを言っても平気なのでしょうが、イヤなモノですょ、悪口みたいで。
だから補充書を待ってましたのに、延期ですって。弁護団の反論書を読んで、それからにするのですか?
樋渡さん、検察庁って、ホントに往生際が悪いですね。この期に及んで、最高裁がアナタたちの証拠隠しを庇うと思いますか?
うん、確かに最高裁第二小法廷には、検察OBがいます。アナタの先輩がいますよね。彼ならば検察庁の苦境を救う判断を期待できますかねぇ。
検察庁は証拠を隠してもいい、今も隠してる証拠など、問題外。自白テープの改ざん?大いに結構。捜査報告書の割り印が違う?許す許す!再審開始決定が認め、弁護士の言う警察の不正だと!総て大目に見るし、検察庁を悪く言う再審開始決定は許さない!我が出身母体の検察庁は永遠に不滅です!なんて。
樋渡さん、俺と同じように時代を生きてきたアナタだけど、どっちが神の前に胸を張れますかね。この補充書問題は、高検の大林さんに問うべきかも知れませんが、最高責任者はアナタ、責めを負うべきはアナタですからね。
裁判員制度が始まる今、証拠隠し、反省しませんか?
ダメならば、いいことを教えましょうか。布川事件をでっち上げた当時の捜査責任者が、今も水戸に生きていますよ。彼に知恵を得たらどうですか、「なんとかしたい!」と。
自白テープを改ざんしたり、捜査報告書を差し替えたりした渡辺忠治さんならば、きっといい知恵があるかも知れませんよ。いや41年前に遡る証拠改ざんは、如何に先賢の渡辺さんとて無理かも知れませんがね。
樋渡さん、全検察庁の能力を振り絞った補充書を期待しますよ。内容のあるのを書いてくださいね。
腕を選った再反論ができるのを楽しみにしてますから。
樋渡さん、今夜のテレビ朝日、見ましたか?
アナタの配下たちに冤罪にされた彼の悔しさを背負い、俺は検察庁のトップであるアナタの罪を追及しますよ、どこまでもね。

呉軍港

2008-12-01 | Weblog
呉市は明治時代に海軍区に指定され、更に呉海軍鎮守府が置かれ、重ねて軍工廠が開設されて発展した。明治19年から25年に掛けてのことだ。
その結果、周辺集落1万ほどだった人口は、あの第二次大戦ころには40万を超える都市になっていたらしい。
世界に名だたる愚なる大建築物としてピラミッド、万里の長城に並び称され、戦争末期に使いようなく神風特攻隊なみに出撃して撃沈した木偶の坊戦艦大和も、この呉で建造された。
あの日本軍を受け継いで呉にある自衛隊基地を見に行ったらば、丁度日曜日の見学日。これ幸いに基地に入り、護衛艦内を見学してきた。
「ひえい」契約時の金額が百億少し。もう33年になる老朽艦らしいが、近年にコンピューターなどの装備に改修しているから、金額的には、もっと多額だろう。近くには契約時に548億という近代艦も停泊していた。
護衛艦は空母を守る物だが、日本に空母は無い。応対した隊員の感じが良かったけれど、この矛盾は感じているものか。
呉には潜水艦隊もあり、それら総ての兵器の総額は1兆を超えるらしい。
万里の長城やピラミッドには歴史を感じても、あの大和には歴史を語れまいに、近年、大和ミュージアムが80億で建設され、多くの見学客を呼んでいるという。愚なる日本軍国主義を見て、何を感じるものやら。

もう一度

2008-12-01 | Weblog
日本の警察は冤罪作りの犯罪者。その行為に加担する検察も犯罪者。そして、その犯罪行為を見抜けずに有罪とする裁判も犯罪者だね。みな同罪。
呉の集会後、懇親会をしていたときに「なぜ検察官は証拠隠しをするの、どんな利益があるの」と言う人がいた。簡単だよね。警察の方が力があるから逆らえないだけ。検察庁には捜査力が無いから、警察にヘソを曲げられたら裁判を行うに不便なんて考えもあるかな。それに犯罪者は裁かれるという社会正義の体現にこそ、検察庁の存在意義があるよね。その過剰意識と体面を保ちたいいう意識があって、警察の暴走を止められないのだろう。
まあ、それは表面上のこと。もっと深刻なのは、前にも書いたが、検察庁にも裏金があることだね。冤罪を作る行為を指摘して正義を実現したら、警察の報復で裏金問題で検察庁にガサ入れ、家宅捜索をされる!警察の実行捜査力を知る検察庁は恐怖だよね。大阪高検幹部の三井環を犯罪者として逮捕した検察庁、あれに実体が表れている。
ところで、その懇親会では、なぜ警察がでっち上げをするのか、と言う人はいなかった。これは常識だからね、聞かないよね。
今夜、テレビ朝日系列で放送される「ドキュメンタリ宣言」、一見の価値かある。白バイが停車していたバスに衝突したものを、警察はバスのスリップ痕をでっち上げて犯罪者にした!
その現場は白バイが猛スピードを出す訓練場所だったみたいで、住民の目撃がある。そしてバスの乗客が「バスは停車に近い」と証言するのに有罪になったのだ。この番組を見れば、絶望的な裁判の現状と警察官、検察官、裁判官たちの犯罪者ぶりが判る。
今も昔も警察は同じ。布川事件でもでっち上げ行為をしている。自白テープの改ざんに捜査報告書の改ざん。やってるよね。でも、もっとあるんじゃないかな?バスのスリップ痕をでっち上げたように、何かしてないかな。
布川事件をでっち上げた張本人、渡辺忠治さんは、今も水戸に生きている。聞いてみたいね、何をしたの?って。

裁判員制度

2008-12-01 | Weblog
その候補者に通知が届き始めたことで、またテレビが候補者の声を流したり、宣伝をしている。
これまでの裁判は狭い社会だった。裁判官、検察官、弁護士に被告、それだけのものだったが、これからは社会全体のものになる。
昨日は、今までの裁判の当事者の一方だった広島弁護士会による裁判員制度の集会だった。可視化問題に視点を合わせた集会だったが、取り調べを秘密にした裁判員制度は成り立ち得ないと思わせる内容だった。
我々の体験は41年前の取り調べしか知らないが、現在のやり方は、何と広島弁護士会の先生方が芝居をして教えてくれた。これが面白かった。まあ警察は変わらない。変わりようがないと言った方が正しいだろうが、反省無きモノは変わらない。個人も組織も。
俺たちは嘘、脅しなどでウソの自白に陥れられたが、今も同じように脅したりすかしたり、やりたい放題をして犯罪を作り上げたり、犯人を作り上げる。
広島弁護士会の若手の先生方は、中々の役者で、選挙違反事件を作り上げる警察の姿を演じていた。
最後に布川事件の体験を話したが、参加された皆さんは、確実に理解を深めて下さったと感じた。
一般社会人は、したのかしなかったのかの問題となれば、じゃあ調べの全部を見せるべきとなる。警察が法廷で語る「ひどい調べはしてません、不当なことはしてません」の弁解を、裁判官のように盲信はしない。社会体験が違うし、裁判官のような勉強だけ、法律だけの専門バカじゃないからね。
布川事件は、これから始まる裁判員制度の中でもやるべき使命があると感じた集会でもあった。