末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

労働者・市民・学生の団結を強めるコーナーです

八尾市立病院の民営化許すな!(その3)

2008-11-26 16:08:54 | 医療の民営化と闘う

八尾市立病院への地方公営企業法の規定の全部適用を許すな!
 昨日と本日、公営企業法の全部適用について、議員研修会がありました。私は仕事の都合で今日参加しました。
 配られたパンフレットのタイトルは「八尾市立病院の経営改善を目指して」 (公営企業法の全部適用)で、内容は次のようなものです。

1.はじめに(全国的な状況)
 (1)公立病院を取り巻く現状
  7割以上の公立病院が赤字経営に陥っている
 (2)赤字の要因・背景
   ①医師不足 
   ・臨床研修制度の影響
   ・公立病院の医師の給与は民間病院に比較して低額
・軽症患者が安易に救急診療を受診(コンビに受診)するから
医師が疲弊
・患者の無理解から暴言、クレーム、訴訟が増加して
医師が退職、敬遠する

   ②度重なる診療報酬のマイナス改定
    H10▲1.2 H12 0.3 H14▲2.7 H16▲1.05 H18▲3.16 H20▲0.82
    8%の削減では毎年約5億円の減収
   ③過大な減価償却費 豪華な建物を建設する地方公共団体が多い
   ④政策医療・不採算医療を担う
  (3)総務省の公立病院改革ガイドライン(平成19年12月)
   「公立病院改革の3つの視点」
   ①経営効率化
   ②再編・ネットワーク化
   ③経営形態の見直し
    民間的経営手法の導入を図る 
     地方独立行政法人化や指定管理者制度の導入、
     民間への事業譲渡や診療所化
  (4)大阪府公立病院改革に関する指針 (平成20年10月)
   ①中河内医療圏における再編・ネットワークについて
   方向性 病床規模が比較的大きく医療機能が確保されているところは、
現状維持を基本としつつ、周辺の病院との連携を検討
2.八尾市立病院が進むべき方向性
   地方公営企業法の規定の全部を適用することにより、経済性を最大限に
発揮できる病院経営を目指す
3.八尾市立病院における経営健全化の取り組みについて
   (1)平成20年度における経営健全化の取り組み
    ①院内組織
    ②活動状況
4.地方公営企業法全部適用について
(1)地方公営企業法の適用について
  ①地方公営企業法とは
  ②法の規定
  ③適用される範囲
  ④病院事業が一部適用とされた理由
(2)府内公立病院の経営形態の現状について
  ①法全部適用病院(6市)
   市立池田病院
   市立吹田市民病院
   市立枚方市民病院
   泉市立病院
   市立泉佐野病院
  ②大阪府立病院(5病院を一括で独立行政法人化)
  地方独立行政法人大阪府立病院機構設置 H18年4月
   府立急性期・総合医療センター
   府立呼吸器・アレルギー医療センター
   府立精神医療センター
   府立成人病センター
   府立母子保健総合医療センター病院
(3)法一部適用と法全部適用の違いについて
   市長権限が新たに設けられる病院事業管理者に大幅に移譲される
   職員の身分が企業職員となり、身分上の取り扱いが変更される
  ①病院事業管理者の設置
  ☆法8条に規定される遅行公共団体の長に保留される4つの権限
   予算を調製
   議会に議案を提出
   決算を監査委員の審査及び議会の認定に付すこと
   過料を科すこと
  ☆法9条に規定される管理者に委譲される15の権限
   (略)  
  ②組織に関すること
  ③職員の身分取り扱いに関すること
   これまでが給与の根本基準が職能給であったものを、職能給と能率給にする
(4)法の全部を適用することによる影響
  ①全部適用の効果
   経営責任の明確化と自律性の拡大
   職員の意識改革の促進
   機動的な運営体制の確立
  ②全部適用後の取り組み
  )医師人事評価制度の導入
  (目的)医師の意識改革を図り・・
  (制度の仕組みと効果)職員(医師の)能力と業績を適正に評価し、・・
   医師のモチベーションを昂揚させ、診療収益の増収を図る。

  )市民の医療ニーズに即した診療科目の標榜

 この論立ては、総務省と公立病院改革懇談会座長 長 隆(おさ たかし)が進めている「公立病院改革ガイドライン」そのものです。
 病院の赤字から始まって、最後は民営化で看護師の給与を半分にし、医師は能率給でモチベーションを昂揚させ、診療収益の増収をはかるというのが結論です。そのためにわざわざ公営企業法の全部適用を持ち出して、管理者の権限を強化し、現場労働者に更なる過酷な労働を強いていく。こんなものは赤字の解決なんかにならない。赤字の原因は、経営が下手だとか、現場労働者が働いていないとかではない。年間2200億円の予算を削減し、医療に市場原理を導入してきた新自由主義ー構造改革が原因です。医師不足が、軽症患者が安易に救急診療を受診(コンビに受診)するから? 患者の無理解から暴言、クレーム、訴訟が増加して医師が退職、敬遠する? あきれはててしまします。厚生労働省が、医療費抑制のために、医師を減らし、診療報酬を下げて来たではないか。本末転倒とはこのことです。医療・福祉労働者と医療を受ける労働者を、ばらばらにし、競争させ、敵対させるこんなやりかたは絶対に認められません。
 新自由主義・公立病院の民営化は、ついに私たちの目の前にやってきました。敵のピンチは見方のチャンス。製造業で働く派遣労働者がリストラに対して組合を結成してストに立ち上がったように、自治体労働者、医療福祉労働者は団結して、この攻撃を打ち破りましょう。
闘えば必ず勝てる!!