末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

労働者・市民・学生の団結を強めるコーナーです

新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その19)

2020-06-29 18:47:34 | 新型コロナウイルスパンデミック
 いま何をすべきか
 全世界の感染者数は1000万を超え、死者も50万人を超しました。
新型コロナの流行は、差別と貧困と格差を浮き彫りにしました。
アメリカの黒人の死亡率は白人の2倍です。南半球の後進国や全世界の60%(40億人)の人が手を洗う水もないという、弱い立場に置かれた地域に広がっていくのはまだまだこれからです。
 これまでに抗体を得た人の割合はニューヨーク21.6%、ロンドン約17%、スエーデン約6.1%、スペイン約5%、東京0.1%です。60~70%の集団疫免を獲得するまで数年かかるといわれています。
 ワクチンや薬の開発は、副作用の点で期待できません。できても供給量は圧倒的に不足します。
 手洗い、マスク、3「蜜」で感染をさけることを続け、食事、運動、睡眠、人と人のつながりで免疫力を高めながら、第二波、第三波・・、そして秋冬のインフルエンザの流行に備えて、診療所、病院、保健所の連携を強め、感染予防の講習会や、発熱外来の設置を早急に準備することが必要です。


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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その18)

2020-06-28 18:36:56 | 新型コロナウイルスパンデミック


 NHK番組の宣伝です。これはぜひ観てください!

免疫の仕組みは複雑でいろんな名前の免疫細胞がでてきます。
CGをふんだんに駆使して分かりやすく解説してくれます。

侵入してきた細菌やウイルスにまず立ちはだかるのが食細胞。
自分より大きくても丸のみにしてしまいます。
(皮膚と粘膜のバリアーとあわせて自然免疫と呼びます。数時間で動き出すとりあえずの免疫システムです。)

それでも増殖するウイルスに対して、更なる高度な免疫システムが作動します。ウイルスの一部の情報を受け取ったT細胞がキラーT細胞に変化して立ち向かい、ウイルスがとりついた細胞に毒物を注入し細胞もろとも破壊します。

更にB細胞は狙った相手に照準を合わせて飛び道具を発射します。
これが抗体です。
(これらの高度な免疫を獲得免疫と言います。できるまでに数日を要しますが確実に相手をとらえる免疫システムです。)

最終攻撃。驚くべきその内容は本編で!
新型コロナウイルスがこの免疫システムの裏をかく狡猾なしくみ!
また人類とウイルスがたどってきた意外な関係とは!

子供のころに興奮して観た活劇まがいの「5分でみどころ紹介」
(本日午前6時45分~50分)でした。
どうぞ、お見逃しのない様に!!


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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その17)

2020-06-25 12:00:43 | 新型コロナウイルスパンデミック
 さて本題にもどりましょう
 「免疫を高める食事」というと、これを食べようあれを食べようとなりがちですが、特別なメニューがあるわけではありません。
 命と健康を維持するために必要なカロリーと栄養素をバランスよく摂るということです。
一番大切なのは、朝、昼、晩と同じ量を規則正しく摂ることです。
入院したことのある人は、そのような食事内容と、食事時間だったことを思い出されるでしょう。
 糖尿病の教育入院が典型例です。入院するだけで糖尿病が改善されます。しかしこれがなかなかできないという人が多く、退院するとまたもとに戻るのです。
 聞いてみると個人の責任だけではないことが分かります。
非正規職化が進んで勤務形態がばらばらにされているからです。
残業があって帰りが遅く、夕食が8時を過ぎれば、当然朝に食欲がなくなります。
 また食生活は、代々受け継がれているものです。
地域の人々のカロリーに偏り野菜が不足した食事やアメリカのフードスタンプを見るにつけ、それを強制してきた非人間的な労働や人がバラバラにされている社会と意識的にむきあっていく必要性を強く感じます。


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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その16)

2020-06-24 19:10:22 | 新型コロナウイルスパンデミック
 ちょっと間があいてしまいました。
 夏場のマスク使用の注意について書きます。
 
 コロナ感染症対策として手洗いとマスクが定着していますが、
マスクが酸素欠乏症や熱中症の原因になることがあります。
 中国で体育の時間にマスクをつけていて酸素欠乏症で亡くなったという報道がありました。
また夏になってマスクが熱中症の原因になっている例が増えています。マスクの下は40度になるそうです。
 人がいないところでは、マスクをはずしましょう。
30分に一回は人のいないところに移動してマスクをはずし、深呼吸するようにしてください。


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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その15)

2020-06-18 09:13:33 | 新型コロナウイルスパンデミック
 NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク(4)「万病撃退“腸”が免疫の鍵だった」によると、腸は腸内細菌と免疫細胞を調節しながら免疫力の約7割を支配しています。腸内環境を整えることで、免疫力を高めましょう。
 体の外と中の境界線である口や、鼻や、気管や消化器の粘膜を鍛えることで細菌やウイルスの侵入しにくくします。
 体を内側から温め免疫力を高めましょう。
内臓温度が1℃下がると、免疫力が30%下がるといわれています。
 毛細血管の若さを保つようにしましょう。毛細血管は、赤血球がやっと一個通れる太さです。酸素と栄養を運び、免疫機能を持つ白血球が、体内の細菌やウイルスを取り除いています。

以上のことを維持するためには、食事、運動、睡眠、人と人のつながりが大切です。


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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その14)

2020-06-16 18:07:49 | 新型コロナウイルスパンデミック

 ちょっと一休みです。

 厚労省は、感染者の多い東京、大阪と、少ない宮城で、過去に感染したことを示す抗体検査をおこないました。
 期間は6月1日から7日まで、対象は東京1971人、大阪2970人、宮城3009人の計7950人です。
 その結果が本日発表され、東京2人(0.10%)、大阪5人(0.17%)、宮城1人(0.03%)に抗体があることが分かりました。
 ソフトバンクグループの0.43%に比べてかなり低い値です。
 PCR検査と抗体検査をもっと広げて実態を解明することが今後の対策に不可欠です。
 


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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その13)

2020-06-15 20:41:10 | 新型コロナウイルスパンデミック

 免疫についてまとめました

 細菌やウイルスが皮膚や粘膜のバリアーを破って細胞に侵入すると、まず白血球がこれらを自分の体に取り込んで酵素で分解する、自然免疫が働きます。その後、できるまで時間はかかりますが、確実に長く効く(30年くらい)、獲得免疫ができます。ワクチンを打ってできるのもこれです。
 今回の新型コロナに対しては、まだほとんどの人に獲得免疫ができていません。
ですからとりあえずの免疫、自然免疫を高めることが大切です。
人によって、また年齢によってその強さに差があります。
ワクチンを打たないのにインフルエンザにかかった事がないという人がいますが、おそらく自然免疫が強いのでしょう。
 わたしたちは、マスク、手洗い、3「蜜」をさける注意をすると同時に、たとえウイルスが入ってきても大丈夫なように、普段から自然免疫を高めておくことが大切です。その努力は獲得免疫を作るうえでも大切なことです。これが、食事、運動、睡眠、人と人のつながりです。
 一つ一つこれらについて考えていきます。

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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その12 )

2020-06-13 08:04:29 | 新型コロナウイルスパンデミック
 暑さと湿気でだるい日が続きますね。さらに睡眠障害も。
「しんどいけどコロナと違うやろか」という人が増えてきました。
熱中症や脱水とコロナ感染を見分けることが必要になってきます。

 今のところ典型的な熱中症は少なく、冬型から夏型に体温調節がうまく切り替わっていないせいでしょう。
 聞いてみますと、冷たいものを飲む(氷を入れている人も)、クーラーで冷やしすぎた、水分とりかた少ない、頑張って昼間にウオーキングした、植木の世話を長時間した等々。
 30度を超す日もあり、湿度も90%なんていう日もありますので、温度計と湿度計を見ながら調節してください。
 コロナ対策を兼ねて換気もしましょう。
 日中は出歩かないこと。
 こまめに水分とスポーツ飲料を半々にとりましょう。
 自律神経(免疫力を高める)を鍛えるために涼しい時間帯に30分歩きましょう。
 体の衣替えとして、冬の22度から、夏の28度に徐々に慣らしていきましょう。


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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その11)

2020-06-11 20:41:36 | 新型コロナウイルスパンデミック

西郡の地域医療は聴診器一つで始まりました。
問診に重きを置き、訴えに対して「視診、聴診、触診に手を抜かない」をモットーに、ほとんど検査なしでやってきました。
それほどの設備がなかったということでもあります。
 大きな病院では長期投与が多くなり、検査重視で、「変化」については見逃すことが多いのではないかな。地域医療の場合は、病気のこと以外の話もよくします。その人の人生、家族、職場のことなど何でも知っている関係ができています。
もちろん地域にみんな一緒に生活してきたことも重要でした。
 顔見ただけで前と違うな、どっか変わったな、体重1kg増えたな、減ったなと分かるのです。
地域では、その人をいろんな職種、仲間が診ています。反対に自分も患者さんから診られているんです。「先生変わらへんね」はお世辞としても、「先生やせたん違う」はしょっちゅうです。こうしてお互いに思うことを話す事で、繋がりができ、相手をつかむことができます。
 病気や健康についても、本で見た知識どおりにはいきません。ひとり一人違うわけですから。その人その人の変化を普段からつかんでいくのが大切です。
 今回あらためて「ああ、地域医療やって来てよかったな。新型コロナウイルスに対しても、ここの原点は生きているな」と思います。


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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その10)

2020-06-10 20:48:45 | 新型コロナウイルスパンデミック


 
ソフトバンクグループが行った検査結果が発表されました。
ウイルス抗体検査には感染初期に出現するIgM抗体と過去の感染を見るIgG抗体があります。
今回の抗体検査は後者です。陽性率が0.43%というのは意外と少ないというのが実感です。
これまでにも抗体検査が発表されましたが、陽性率は6%くらいでした。
検査キットの種類や対象の数による差なのでしょう。
今回は4万を超えていますので、より現実に近い値とみていいと思います。
収束の条件は60~70%の人が抗体を獲得すること(集団免疫)ですから、まだまだ感染は続くということです。
 しかも陽性者の内、PCR検査をしたことのない人は
149人(78%)で無症状の人と考えられます。無症状でも感染力があることから、抗体検査やPCR検査を感染の危険性が高い職種や現場に広げて、早期発見、早期治療(予防)に役立てる必要があると思います。


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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その9)

2020-06-09 18:49:44 | 新型コロナウイルスパンデミック
 私たちが子供の頃は、ワクチンもなかったし、薬もアスピリンくらいしかありませんでした。
 氷嚢でお母さんに頭を冷やして貰って、ものすごくしんどい2~3日が過ぎたら、急に幸せな気分になる。あんなことを何回も繰り返してここまで元気に来ました。ウイルスのおかげでちょっと休憩して、学校も休んで、次に同じウイルスが来てもそんなに高い熱がでないように免疫をつけるということを、繰り返してきたということです。
 人間の遺伝子の約半分が、ウイルス(ウイルスのようなもの)で構成されています。ウイルスがいたから人間はここまで進化できたといえます。ウイルスの「暴走」は、森林伐採、環境破壊、薬の使い過ぎなどが原因です。だからウイルスを悪者と見るのではなく、ウイルスとの共存を破壊する社会、免疫力を奪っている社会を根本からかえなければいけないと思います。
 
(註)アスピリン(アセチルサリチル酸)は15歳未満の水痘・インフルエンザなどに、ライ症候群(急性脳症、肝臓の脂肪浸潤を引き起こし、生命にもかかわる原因不明で稀な病気)の合併報告があり、原則として投与しないことになりました。現在は比較的安全なアセトアミノフェン(商品名カロナール)が使われます。


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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その8)

2020-06-08 18:28:18 | 新型コロナウイルスパンデミック
 
 「風邪は万病の元」と言われます。十分に睡眠がとれない、栄養が摂れない、熱が出ても休めない今の社会の中で、体力が弱ったときに風邪を引きます。それがきっかけで、元々ある病気が重症化いるしたり、時には命を落とすこともあるのです。
 風邪を引き起こすウイルスは約200種類あるといわれています。診察にこられてすぐに抗生物質を希望される患者さんがいますが、ウイルスが感染した初めの3~4日は抗生物質は効きません。ウイルスが細菌に交替したあとは効きます。どういう時期かを知るために白血球数を調べます。一般にウイルスでは少なく、細菌では増加します。他の原因で上下することもあるので、その人の普段の数を参考にして判断します。どうしても欲しいと粘る患者さんにこの数値を示して納得してもらいます。



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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その7)

2020-06-07 17:19:52 | 新型コロナウイルスパンデミック

発熱外来の続きです

 電子体温計はその都度消毒が必要になるので、多くの人を測定する場合は非接触型が便利です。
アマゾンはいつまでたっても届かないので返金してもらうことに。楽天が早いです。値段は下がっています。これから発注される方は参考にしてください。

 

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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その6)

2020-06-03 17:17:00 | 新型コロナウイルスパンデミック


 発熱外来について書きます。
熱があって風邪のような症状がある患者さんをどう診察しいくか議論になりました。
 いつもだったら、高熱・関節痛があればインフルエンザを疑って、専用の待合に行ってもらい、まず検査をしていました。
 鼻に綿棒を入れて検体をとるやりかたです。患者さんとの距離は50cmくらい。完全に検体をとろうとするほどくしゃみをしてしまいます。インフルエンザは予防注射をしており、たとえかかっても薬がありますから、安心して検査をしていました。
 ところが今回の新型コロナウイルスには薬もワクチンもありません。感染者がふえ、PCR検査も十分にできない段階で、一般の診療所でインフルエンザの検査をすることはやめる、検査なしで判断するようと通達がありました。これ自体無茶な話ですが、幸いコロナウイルスに追い払われたのか、インフルエンザ特有の患者さんはほとんど見られていません。
 
 だれが新型コロナに感染していてもおかしくないという立場にたってことをすすめて行きました。
これまで不十分だった動線(熱のある患者とない患者の通る道)を分けるため外にテントをはりました。玄関に発熱患者用のインターホンを設置しました。

  

  


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新型コロナウイルスパンデミックと地域医療(その5)

2020-06-02 19:27:18 | 新型コロナウイルスパンデミック


 毎年インフルエンザとノロウイルスが流行します。八尾北では、健康教室を開いて、手洗い、うがい、マスクの大切さを繰り返し学んできました。特に石鹸での手洗いが重要です。泡の界面活性作用を使ってウイルスを吸着させ、次に水で洗い落とす除菌です。
 私は40秒、石鹸で両手を手首までくまなくこすり、20秒間水道水で洗い流しています。
この時の注意は、途中で水道栓を止めないことです。折角除菌した手を汚染させてしまうからです。紙タオルで水を拭いてその紙で栓をひねります。乾燥機は汚染された空気が出てくるので不適です。
 出先はトイレの水を使いましょう。徳洲会病院は前から紙タオルでした。コープも最近乾燥機には使用禁止の紙が貼ってあります。
 新型コロナウイルスも基本はこの手洗いです。健康教室の取り組みが役に立ちました。


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