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玉串川の桜は満開です。例年より早く咲きました。議会に追われて山本駅や”おゆば”までのウオーキングが中断しています。選挙中は左ふくらはぎの肉離れで大変でした。しかし適当な運動は続けないとダメですね。4月から再開を決意して・・・。
反対討論 その②
議案第6号 「訴え提起の件」に反対の討論を行います
今回訴えの対象となる2名の住民は、公営住宅の一つである改良住宅に住んでいます。西郡と安中の地域住民が1960年代に八尾市の差別行政を糾弾し、国に何度も出向いて運動し、しかも土地や建物を提供して建てさせた住宅です。
公営住宅の建設は、イギリスでも日本でも1919年がはじまりです。
1917年のロシア革命の影響を受けた労働運動の高揚を恐れ、資本家階級の恩恵的福祉政策として建てられました。イギリスでは戦後「ゆりかごから墓場まで」の中心に公営住宅が位置付けられ、全戸数の32%を占めるまでになりました。しかし1970年代にサッチャーが新自由主義で予算を削減し18%に減らされてホームレスが170万人も生まれています。福祉国家の基礎が住宅にあったことが逆に実証されました。
一方日本の公営住宅は5%足らずです。しかもそのほとんどは地域の改良住宅です。国や行政が建ててくれたものでなく、民が立ち上がって1960年安保闘争の労働運動や学生運動、市民運動と結合して勝ち取ったものです。
イギリスのようにすべての労働者の権利としてもっと拡大されるべきでした。しかし日本の新自由主義は国鉄分割民営化による労働運動つぶしと、同和対策事業の打ち切りによる解放運動つぶしが一体的に進められました。
1995年の住宅審議会の「住宅政策の転換、市場原理導入」答申にそって、翌年に公営住宅法の改悪が行われ、家賃算定が世帯主の収入から世帯合算とし、入居資格条件を全所得階層の下から80%を33%に下げた、いわゆる応能応益家賃制度です。一般公営住宅の目的は貧しい人の住宅を補償することですが、戸数が少ない住宅を貧しい者に取り合いさせて労働者に分断を持ち込みました。更に差別をなくすために立ち退いた地域の住民が、家族ですみ、差別がある限り解放運動を続けることを補償された改良住宅にも、公営住宅だからという理由で同じ応能応益家賃制度が、事前に地元住民に相談もせず、八尾市議会の決議で一方的に押し付けられたのです。
このときも解放運動と労働運動が一体となって公営住宅法の改悪そのものを撤回させるべきでしたが、共産党や解放同盟本部派は屈服し、民をばらばらにし、民と労働者を分断し、労働者階級の中に分断をもちこむ国の住宅民営化政策に手をかしてしまいました。
来年の4月からは更に入居基準が月20万から15万8千円に下げられます。公営住宅の家賃は家族合算収入が3人家族で年400万を超えると近傍同種の民間住宅家賃になります。
1955年に発足した日本住宅公団は何度か名前を変えて2004年に独立行政法人都市再生機構URとなりましたが、勤労者の入れない高い家賃、売れない分譲住宅、官僚の天下り、ずさんな経営、家賃を払えぬ居住者を裁判にかけてでも立ち退かせる非常さは、国土交通省が社会保障を打ち切って民間企業にぼろもうけさせる住宅の民営化を進めている姿です。ゼネコンとの癒着や役に立たない出入り口のない駐車場を99億、ウイキペディアから集めた資料に1億もかけるなど、これが日本の政治・経済の末期症状といわなくてなんと表現できるでしょうか。
一方で、まじめに働く若者は仕事がなく、多くのパート、派遣、登録を複数働き、職を転々とせざるを得ない状況です。全給与所得者の5人に一人は年収200万以下。派遣労働者は321万人、非正規雇用がどんどん増えています。
更に地域の青年には差別による就労率の低下が加わります。住んでいる地域が分れば、いろいろ口実をつけて不採用にしてきた就職差別は現在も地名総監をつかって行われています。
若者達は「働かない」のではなく「働きたくても、働く場がない」のが現状です。NHKの「ワーキングプア」でも「税金すら払おうともしない怠惰な人間だ」とか「仕事を選ぼうなんて贅沢だ」と思っていたがそうでなかったと書いています。
同和行政を続けるということは彼らの立場に立って差別の実態をつかみ、新自由主義に向かって、の人々と一緒に闘うことです。自治体労働者、議員、市長の責務であると思います。一方的に通知を出すだけで、連絡がとれないとし、訴訟に訴えて取立てをし、挙句の果てに明渡を求めるやり方はまちがっている。特に分納誓約は滞納している人を犯罪者あつかいするもので認めることはできません。払えなければ家屋を明け渡すことを含め住管からなにをされても文句を言いませんと書かれている。これは御上に逆らうものの身分を民に落とした戦国時代封建時代とどこがちがうというのでしょうか。
アメリカの貧しい移民労働者に到底払えないローンを組ませて最後のバブルをはじかせた新自由主義と同じことが、日本でも公営住宅からの追い出しと払い下げ民営化として始まっています。
家賃の滞納の原因は応能応益家賃制度にあり、住宅の絶対量が少ないことです。負担の公平というペテンで八尾市は差別を煽り、労働者に差別分断をもちこみ、同和行政を続けるといいながら差別を進める、国土交通省、八尾市住宅管理課とそれを追認している田中市長は民、労働者の団結で徹底糾弾しなければならない。
貧困層に対する住宅政策、民に対する住宅政策が早急に求められています。もっと公営住宅を増やして八尾市民が安心して住める八尾市にすべきです。 したがって訴え提起には反対です。
以上で反対討論を終わります。