救援本部ニュース505号 2013.11.1
「一作業員が気づけることを、東電が気づかないはずはない。2年半、問題を放置した結果が今の状態。いつまでも突貫工事のままでは状況は変わらない」
ツイッターで注目されている福島第一原発事故収束作業にあたるハッピーさんの本『福島第一原発収束作業日記』が出版されました。
東京新聞が、ハッピーさんの今の思いを紹介しています。以下、全文を引用します。
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「今も事故直後の状況と何も変わっていない。行き当たりばったりで、何かあってから対応する後手後手の状態がずっと続いている。
事故発生から3カ月後に、高濃度汚染水を処理して冷却水を循環するシステムができたが、そこから作業が前に進んでいないように思う。突貫工事が続き、タンクも配管も他の設備も『1年もてばいい』と言われ、設置を急がされた。ほとんどの設備が、メンテナンスも考えずに造られている。仮設の配管やタンクから、水漏れが起こることはわかっていたこと。もっと早い段階で、長く使えるものに換えるべきだった。
これだけの事故なのに、コストが優先され、必要な工事が却下され、設備の質も下がった。被ばく線量の問題や雇用条件悪化で、技術者やベテランが現場から去っていった。つぶやいた懸念が次々と現実になっていった。
一作業員が気づけることを、東電が気づかないはずはない。2年半、問題を放置した結果が今の状態。いつまでも突貫工事のままでは状況は変わらない。
今も故郷に帰れず苦しんでいる人がたくさんいる。長年、原発で働いてきた者の一人として、少なからず事故の責任を感じている。この先どのくらい現場にいられるかわからないけど、少しでも長く福島第一の収束作業に関わりたい。
現場では、今も作業員たちが必死で作業をしている。事故を風化させないためにも、二度と過ちを繰り返さないためにも、現場で何が起きているのかを、多くの人に知ってもらいたい」
* * *
国連放射線影響科学委員会は、東京電力福島第一原発事故で作業員の内部被ばく量が約20%過小評価されている可能性があるとの報告書を公表しました。
それによれば、半減期が約20時間と短い放射性ヨウ素133などの影響が考慮されていないことが原因だというのです。
放射性ヨウ素は体内に取り込まれると甲状腺にたまりやすく、がんのリスクが高まります。過小評価は許されないことです。
労働安全コンサルタントの方は、「原発作業員の安全を守れ」と題して投稿しています。
「汚染水漏れが続く福島第一原発で、今度は汚染水の処理作業中に作業員が汚染水を浴び、被ばくしたとの記事を読み、あぜんとした。私の仕事が労働災害防止なので立場上、今後も現場の安全管理はおろそかにされ、労働災害が加速するのではないかとの危惧を感じたからだ。……『政府と東電の押し付け工程表』を建設業法から検証してみると『建設工事の適正な施工を確保する』条文とかい離しており、粗雑な作業を促しているように映る」
原発作業員の安全を守れ! 闘いが必要です。
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