末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

労働者・市民・学生の団結を強めるコーナーです

米教員ストが大勝利 公教育破壊に歴史的反撃

2019-01-28 17:13:27 | 世界の闘い




■米教員ストが大勝利 公教育破壊に歴史的反撃
前進 速報版 2019年1月28日 12:19

 1月22日朝、ロサンゼルス統一教組(UTLA)とロサンゼルス統一学区(LAUSD)は21カ月ぶりに労働協約が暫定合意に達したことを発表した。14日に突入したストライキは17日から協約交渉が再開され、土日祝日も含めた5日間、早朝から夜遅くまで行われた交渉でUTLAの要求のほとんどが満足のいくものとして勝ちとられた。
 地域社会を利する労働協約かちとる
 「公教育、教育労働者、生徒、保護者、それにコミュニティーにとって、歴史的な勝利です。UTLAの組合員は本当にすばらしい」とアレックス・カプートパール委員長は記者会見で語った。給与の6%アップ、クラス人数の削減、看護士や図書館司書など専門職教師の常駐体制、テストの半減、チャータースクールの規制などこの数十年間で公立学校が奪われてきた様々な事柄を取り戻す合意内容だ。その上、コミュニティースクールの設置などUTLAが理想とする教育体制の実現も見えてきた。

 UTLAが協約交渉で目指したのは、コミュニティー全体に利する協約を勝ちとることだった。合意内容には、ロサンゼルスに緑地を増やすとか、多くの有色人種の生徒を「スクール・トゥ・プリズン・パイプライン」(指導の厳罰化により学校から刑務所に送られる状況)に追い込んでいる「ランダムサーチ」(構内での銃乱射事件を防ぐという目的で2011年に学区が導入した、金属探知機でランダムに生徒を点検するシステム)の中止なども含まれる。移民の家族に専用ホットラインを設置し、UTLAと連携して他の問題にも対処する弁護士を雇うことも学区に義務付けた。
 「UTLAのストライキは、すばらしい労働協約を勝ちとっただけでなく、アメリカの人びとを元気づけ、奮起させる役割を果たしました」と交渉チームのリーダー、アーリーン・イノウエさんは語った。
 UTLA全組合員と親、生徒が決起
 UTLAは1989年に組合員の80%が参加して9日間のストを貫徹し、8%の給与アップと学校現場での意思決定および自律的学校運営を勝ちとった。しかし、90年代の急速な景気後退の中でUTLA執行部も弱体化を余儀なくされ、協約闘争は苦戦を強いられてきた。
 2014年に闘う潮流「ユニオンパワー」派がUTLAの執行部に当選した。彼らは公設民営のチャータースクールが増え続け、公立学校が崩壊している状況を変えるために、大ストライキを打つ決意で組織化を進めてきた。7人の執行委員が先頭に立ち、900以上ある公立学校を頻繁に訪れ、組合員との直接対話を重ねてきた。昨年8月のスト権投票で98%の賛成を得たが、組合員の100%でストに突入したいと、より一層の組織化に努め、同時に保護者やコミュニティーの説得にも力を注いだ。
 UTLAのストにはチャータースクールも含めて3万2千人の組合員が全員参加し、保護者や生徒、コミュニティーの人たちが駆け付け、組合員を倍する人数での大集会を続けた。18日には市庁舎前での集会に6万人を超える人びとが集まり市庁舎で協約交渉を続けるチームを応援した。
 アーリーンさんは左派メディアのインタビューで次のように語っている。「私たちのストライキは、アメリカの労働組合全般に現状維持ではだめだという教訓を残しました。立ち上がり、勇気を奮い立たせてストライキに立つ時がきました。そうしなければ現状の経済的不平等や格差の中で、労働者階級はもう生きてはいけないからです。今がその時です」「私たちには力がある、だから勝利できると、人びとは気づいたはずです。私たちが輝く時代がやってきました」
写真「私たちは勝った!」。暫定合意成立に沸き立つUTLA組合員たち(1月22日 ロサンゼルス)
    6万人が結集したストライキ5日目の市庁舎前集会。左前がアレックス・カプトパールUTLA委員長、中央後ろがセシリー・マイアートクルス副委員長(1月18日)



   
 

米UTLA3万人がスト 「闘って公教育を守り抜く」

2019-01-21 17:33:36 | 世界の闘い




■米UTLA3万人がスト 「闘って公教育を守り抜く」
前進 速報版 2019年1月21日 12:31
限りなく明るく活気にあふれて
 1月14日、ロサンゼルス統一教組(UTLA)の3万人を超える教職員が、ロサンゼルス統一学区の全校で、賃上げと教育環境の改善を求め、30年ぶりの大ストライキに立ち上がった。
 ストは豪雨の早朝から始まった。7時30分、教師たちがそれぞれの学校の前でピケットラインを張り、保護者や生徒たちが支援に駆けつけた。高校生は独自に教師支援のストライキに立ち「私たちの先生を支援し自分たちの教育環境を改善するため、ピケッティングを行っている」と語った。
 10時30分には各地区から教育労働者と支援者が結集し、ロサンゼルス市街のグランドパークが5万人を超える人びとであふれた。ILWU(国際港湾倉庫労組)、SEIU(統一サービス労組)、大学教職員協会などのカリフォルニアの他の労組も支援に加わって、マスコミ各社もレポーターを派遣して大きく報道した。CNNのレポーターは、「25年間ロサンゼルスに住んでいるが、こんなに多くの人が集まっている様子は初めて見る」と報道している。

2日目の15日は、各校のピケットの後、カリフォルニア・チャータースクール協会(CCA)の前で全員が結集する団体行動を行った。UTLA傘下のチャータースクール(公設民営校)の組合員たちも学校を挙げて参加し、昨年12月にシカゴで貫徹された全米初のチャータースクールのストライキに続くものとなった。ラテンアメリカ音楽のトップバンド「オゾマトリ」がUTLAの音楽教師たちとジャムセッションを行い、「僕たちもロサンゼルスの公立学校で音楽の先生から音楽のすばらしさを教えてもらった。ここ数十年で公立学校への資金が大幅に減らされて、音楽教育が打撃を受けているのは悲しい」と語った。
 民営化との闘いに全世界が注目
 公教育の民営化は、カリフォルニアだけではなく全米の問題であり、全世界が公設民営化の方向へ動いている。「今ここで闘わなければ、公教育は5年間で完全に衰退させられる」と、準備万端にストライキに突入したUTLAの動向を世界中が見守っている。
 学区当局もこれを無視できなくなり、ストライキ3日目の16日、ロサンゼルス市長エリック・ガルセッティが仲裁に入り協約交渉が再開されることとなった。交渉は17日の正午にロサンゼルス市庁舎で始まり、組合員や支援者はロサンゼルスの街をデモ行進して要求獲得を訴えた。交渉は12時間に及び夜中の午前0時まで続いたが、翌日へと持ち越された。
 6万人大集会で「必ず勝利する」
 だが、悲壮感はみじんもない。ストライキが開始された週の最終日の18日は、協約交渉が続く市庁舎の前で集会が行われ、6万人を超える参加者が結集した。その参加者を前に、委員長のアレックス・カプートパールは語る。
 「私たちは今、歴史的な偉業を成し遂げようとしています。UTLAの団結力はすばらしい。私たちのストライキに誇りを持って、来週はもっと強く、さらに団結を深めて頑張りましょう。私たちは必ず勝利します!」(高村涼子)
写真ロサンゼルスの街頭にスト支援の音楽響く バンド「オゾマトリ」とUTLAの音楽教師たちとのジャムセッションが繰り広げられた
    6万人が結集した5日目のロサンゼルス市庁舎前集会(1月18日) 



   
 

韓国 非正規職撤廃大会に8万人 最賃改悪阻止へゼネスト宣言

2018-07-09 13:45:29 | 世界の闘い


■韓国 非正規職撤廃大会に8万人 最賃改悪阻止へゼネスト宣言
前進 速報版 2018年7月 9日 12:41

 6月30日、光化門広場を埋め尽くした8万人の労働者の「最低賃金改悪を闘いで阻止し、非正規職のない世の中を闘いとろう!」という声がソウルの都心に響き渡りました。この日の「最低賃金改悪法廃棄!非正規職撤廃!下半期ゼネスト・総力闘争宣言 非正規職撤廃労働者大会」は、ムンジェイン政権が発足してから最大規模となり、組合員たちは全国から実に900台ものバスを連ねて上京し、大集会と大統領府へのデモを行いました。
 大会ではとりわけ、5月に強行された最低賃金制度の改悪、そして7月1日をもって施行された改悪勤労基準法への激しい怒りが爆発しました。「資本家の政府」であるムンジェイン政権の本質が完全に明らかとなる中、民主労総は労働積弊清算、労働基本権の拡大、非正規職撤廃および最低賃金改悪法廃棄を求めて下半期のゼネスト闘争に立ち上がることを高らかに宣言しました。

 資本家に追従するムンジェイン弾劾
 キムミョンファン委員長は大会あいさつで、資本家に追従して最低賃金を引き下げ、制度改悪を強行したムンジェイン政権を弾劾。「子会社と無期契約職雇用、賃金差別型成果給制度の導入など、でたらめな非正規職政策では、労働尊重政府と呼ばれる資格はない」と喝破しました。
 また、弾圧によって委員長を獄に奪われている建設産業連盟建設労組の委員長代行は、「建設現場では超短時間契約、間接雇用、非正規職、特殊雇用の労働者たちが資本の搾取に苦しんでいる。にもかかわらず政府は『慣例』という言葉で建設産業の積弊に目をつぶっており、これを清算しようとしたチャンオッキ委員長は獄中だ。労働者として認められていない特殊雇用労働者は激しい闘争を行っている」と怒りを爆発させました。
 公共運輸労組教育公務職本部長は、「教育機関の期間制非正規職労働者の正規職転換はわずか2%にとどまっている。それどころか、転換協議の過程で解雇通知を受け取る労働者が続出している」と現場の実態を暴露しました。続く発言では、「ムンジェイン政権は非正規職の正規職化という名目のもとで、最低賃金を基準にすべての労働者に等級をつけている。この職務級制度は現代の奴隷制・身分制だ」という怒りの弾劾もありました。
 職場をめぐる攻防は、日本とまったく同じです。民主労総は非正規職撤廃を最大の課題と位置づけて、闘いをいっそう強化しています。
 パククネと司法の裏取引が明るみに
 さらにこの5〜6月、前大法院長(最高裁長官に相当)のヤンスンテらが、パククネ政権と裏取引を行い、裁判で政権の意に沿う判決を出させていたことが明らかになりました。対象とされたのは、甲乙(カブル)オートテックの争議、サンヨン自動車整理解雇、全教組の法外労組維持、KTX(韓国高速鉄道)乗務員違法派遣問題、統合進歩党解散事件などの重大な案件です。
 特別調査団の調査結果によれば、「司法府が大統領と青瓦台の円滑な国政運営を裏付けるために協力」することを確認していたというのです。「司法ブラックリスト」の存在も暴かれました。これに対し、KTXの組合員たちが大法院に篭城(ろうじょう)し、再審を要求して闘うなど、真相究明―原状回復とヤンスンテの処罰などを訴える声は全社会に広がっています。
 南北会談―米朝会談を経ても去ることのない戦争の危機と、変わることのない職場の現実を前に、韓国の労働者たちは「朝鮮半島の南北分断打破、そして労働者が主人となる社会の実現は、労働者が闘ってかちとる以外にない」という確信をいっそう深めています。労働改悪にゼネストで立ち向かう民主労総と固く団結し、18年後半戦に打って出ましょう!
写真8万人の労働者が「最低賃金改悪廃棄」「非正規職完全撤廃」を叫んだ



   
 

韓国・民主労総がゼネスト 最低賃金制改悪に怒り ムン政権と激突、国会包囲

2018-06-01 06:29:22 | 世界の闘い


■韓国・民主労総がゼネスト 最低賃金制改悪に怒り ムン政権と激突、国会包囲
前進 速報版 2018年5月31日 12:14

 最低賃金法の改悪案が韓国国会の本会議に上程された5月28日、民主労総は最低賃金法改悪阻止を掲げて全国14カ所でゼネスト大会を開催しました。
 この日、金属労組を先頭に全国で組合員が2時間以上のゼネストに突入。現代車や韓国GM、起亜自動車などの主要自動車メーカー、さらに、現代重工業など、金属労組だけで約8万人が参加しました。ソウル・ヨイドの国会前には、5千人以上の労働者が駆けつけて闘いました。

 賃金額上がっても手取りは増えない

 ムンジェイン政権が国会で強行採決した最低賃金法の改悪案は、資本がこの間進めてきた「最低賃金無力化」攻撃を、法の名において追認するものです。
 法改悪の核心である最低賃金の「参入範囲拡大」とは、毎月1回以上支給される定期賞与金に加えて、食費、交通費、宿泊費など福利厚生費が一定の額以上であればそれらも基本給にプラスし、最低賃金に含めるということです。
 韓国の賃金体系は、基本給の割合を非常に低く抑え、各種手当や賞与の割合を高くする構造とされてきました。そこへこのような法改悪を強行し、基本給そのものをかさ増ししてごまかそうというのです。見せかけの「最低賃金」は上がっても、労働者の手取りは1ウォンも増えない――この最低賃金法改悪は、数字を好き勝手に操作することで、最低賃金という概念そのものを根幹から破壊する行為に他なりません。
 政府の「年俸2500万ウォン(約250万円)以下の労働者は算入範囲が拡大されず、被害がない」との主張にも根拠などありません。法が施行されれば、適用対象が際限なく拡大していくことは明らかです。
 そしてこれを合法化するために、「意見聴取」を行いさえすれば労働者の同意を得なくても資本が意のままに就業規則の不利益変更を行えるようにするというとんでもない内容まで盛り込まれました。

 労働者自身の手で現実くつがえす時
 そもそも2018年度の最低賃金大幅上昇(2017年度6470ウォン→18年度7530ウォン)は、パククネ前大統領を打倒した「ろうそく革命」を通じて労働者が実力で闘いとったものです。非正規職の青年労働者を先頭とした労働者たちは「最低賃金1万ウォン」をスローガンに、労働者の生存権の保障を求めて闘いぬきました。
 しかし与党である共に民主党は、適用からたった5カ月でこの成果を奪い取ったのです。しかもあろうことか、「最低賃金で働く労働者を保護するため」などと言いなし、労働者民衆が解体を求めてきた自由韓国党(パククネ与党のセヌリ党が前身)と合意してこの改悪を推進しました。
 ゼネスト大会で民主労総のキムミョンファン委員長は「パククネ政権にもできなかったことを、積弊清算をうたうムンジェイン政権が行っている。財閥と資本の利益を優先してきた積弊勢力と変わらない」「ムンジェイン大統領は私たちの怒りに応えろ」と弾劾しました。集まった組合員たちが怒りに燃えて国会へと進撃すると警察権力は車両を並べて阻止線を張り、激突となりました。
 ムンジェインは「南北融和」「統一」ムードの醸成により支持率を上げる一方で、労働者の生活を破壊する法改悪に手を染めたのです。労働積弊清算こそが最大の焦点であり、民主労総ハンサンギュン前委員長が出獄に際して述べたように「労働尊重の世の中は労働者の団結した力で実現しなければ蜃気楼(しんきろう)にすぎない」ことが示されました。
 民主労総は、6・30「最低賃金1万ウォン、非正規職撤廃ゼネスト総力闘争宣言全国労働者大会」に向けて闘いを組織しています。韓国の仲間とともに、「働き方改革」法案粉砕へ!
写真〕〈5月28日、国会前に駆けつけ抗議した民主労総の組合員たち
    〈環境労働委員会が改悪案を審議する中、国会前での決意大会を終えた労働者は警察の弾圧にも引かずに闘った(5月21日)


   
 

仏鉄道労働者がスト 3ヵ月の長期闘争に突入

2018-04-12 06:18:16 | 世界の闘い




■仏鉄道労働者がスト 3ヵ月の長期闘争に突入
前進 速報版 2018年4月 9日 12:18

 フランス全土でマクロン政権と国鉄労働者を先頭とする労働者階級が激突している。政権の鉄道改革計画に反対するCGT(労働総同盟)、Unsa(自由労組)、SUD(連帯労組)、CFDT(仏民主労組総同盟)の各鉄道部門(鉄道4労組)が4月3日から6月28日まで5日につき2日ストライキを行う方針のもと、長期決戦に突入したのだ。
公共部門労働者と学生も連帯し
 第1日の4月3日と翌日の2日間、TGV(都市間高速列車)は8本に1本、TER(地域圏急行輸送)は5本に1本が運行したのみ。国鉄労働者たたきにもかかわらず、乗客からはスト支援のカンパが集まっている。次の2日間ストは4月10〜11日である。

 これに先立って3月22日、国鉄労働者など公共部門労働者への12万人解雇計画に抗議する統一行動がパリをはじめ全国で闘われ、50万人が参加した。同日、SUD―Rail(鉄道)は無期限ストを宣言、単独でストを決行した。TGVは5本に2本、TRANSILIEN(パリ近郊交通)は2本に1本、TERは3本に1本が運休した。RER(パリ周辺の郊外列車)は30〜40%の運行となった。
 国鉄労働者と公務員、教育労働者、医療労働者が共同の隊列を組んで全国50カ所でデモを行った。2月以来、企業寄りの大学改革に反対してパリをはじめ全国数都市で大学を占拠して闘ってきた学生たちも「鉄道労働者とともに闘おう!」と合流した。さらに2月以来、賃上げを要求して闘っているエール・フランス労組も3月22日、管制塔労働者、地上勤務労働者がスト、30%の便が運航を中止した。
 4月3日には清掃(ごみ収集)、電力、ガス労働者がストで連帯し、エール・フランス労組が第4波ストに突入。大学生が高校生と共に引き続き決起した。
民営化・労組破壊攻撃に徹底抗戦
 2月26日に発表された国鉄改革計画は、フランス国鉄を現在の鉄道公社から株式会社に転換し、「資本の自由な競争」の場に変えるために、その障害となる国鉄労働者の既得権を新規採用者から廃止するという攻撃である。しかもそれを国会の審議・議決によらず、政府の政令で強行するとした。
 これに対して鉄道4労組は3月15日、「公共事業としての鉄道業務の解体と労働者の権利の破壊であり、国鉄労働者への宣戦布告である」と共同声明を発し、長期闘争を開始した。
 フランス国鉄の民営化は、1995年に労働者の闘いで粉砕されて以来実現できずにきたが、マクロン政権は、貨物部門の赤字の巨額化を理由に公共企業体の株式会社化・分社化、ローカル線の切り捨てなどをてこに、雇用・賃金・労働条件・退職・年金・解雇・団結権などすべての領域で鉄道労働者の既得権を奪い、労働運動を破壊する攻撃に踏み込んできた。「国鉄職員としての特別の身分・資格」を新規採用者を手始めに奪うことが要だ。
 マクロンは、EU(欧州連合)が「第4次鉄道計画」でフランス国鉄の国際的自由競争への門戸開放を2019年から実施することを義務付けていることに基づいて攻撃に出てきた。
 フランス国鉄は、1938年の人民戦線の敗北と同時に6大交通会社の統合によって成立した。第2次世界大戦下、ナチス・ドイツのフランス占領に対し、国鉄労働者は「鉄路の闘い」と呼ばれるレジスタンスを闘い、800人の労働者が処刑された。戦後革命期にはスターリン主義・フランス共産党の制動に抗してゼネストの先頭に立った。
 新自由主義の国鉄民営化攻撃と闘ってきた英独の鉄道労働者など欧州の労働運動は、今回のフランス国鉄決戦を「1984年のサッチャーと炭鉱労組との決戦のフランス版だ」として注目し、連帯を開始している。全世界で国鉄決戦が新たに開始されたのだ。
写真〕上:ストに決起した国鉄労働者と公務員労働者の統一デモ(4月3日 パリ)
    下:職場集会を開くパリの国鉄労働者(4月3日)



   

韓国 労働者大会に2万人 「労働の春を開こう」叫ぶ

2018-04-05 17:46:00 | 世界の闘い

■韓国 労働者大会に2万人 「労働の春を開こう」叫ぶ
前進 速報版 2018年4月 5日 12:34

 3月24日、ソウルの光化門広場で開催された民主労総の「最低賃金1万ウォン!非正規職撤廃!構造調整阻止!財閥改革!全国労働者大会」に2万人あまりが結集し、「労働積弊完全清算」「ろうそく革命に続いて職場革命を」と高らかに叫んだ。
 ステージに大きく掲げられたスローガンは「労働の春を開こう」だ。ムンジェイン政権の「労働尊重社会」の掛け声とは裏腹に、労働者の生活はほとんど変わらず、非正規職として働く公共部門の労働者の正規職転換も、ゼロに近い数字にとどまっている。むしろ、大恐慌の影響を受け、韓国GMや造船所などの製造業を中心とした大量解雇攻撃も広がっている。

 最低賃金労働者を代表して発言したサービス連盟の委員長は「国会では、最低賃金の算入範囲を拡大して食事代や交通費、賞与金などすべての手当を含めようとしている。ムンジェイン大統領の公約どおりに3年以内に最低賃金1万ウォンになっても、われわれの月給はそのままだ」と弾劾。金属労組の委員長は、韓国GMでの構造調整=大量解雇問題について「不実経営と政府の誤った政策で起こった問題の責任を、労働者にのみ押し付けている。GMは群山(クンサン)工場の閉鎖を撤回し、総雇用を保障しろ」と突きつけた。
 大会あいさつに立ったキムミョンファン民主労総委員長は、パククネに続いてイミョンバクも監獄にたたき込まれ、南北会談の開催が発表されたことにふれて「これは、極寒の冬にこの光化門広場でろうそくを手に声を上げた労働者がいて可能になった」と述べ、資本と権力の厚い壁を打ち崩して新しい世界へのドアをつくろうと呼びかけた。
 この場には、高高度迎撃ミサイルシステム・サード(THAAD)の配備が強行されたソンジュ(星州)からも代表が参加し、「ソソンリからサードを摘み取って平和を植えよう」と力強くアピールした。
 また、大会の冒頭には、解雇撤回、非正規職撤廃を絶対非和解で闘いぬいている現場を代表して、四つの闘争報告が行われた。
 集会後は、大統領府に向かってデモも行われた。
 「労働積弊完全清算」のスローガンが示すように、パククネ政権の打倒を出発点とする韓国での闘いは、これまでの社会の根底的な変革を求めるものだ。団結した労働者の力で戦争を阻止し、労働者が主人の社会を実現するまでやむことのない闘いが、職場から音を立てて始まっている。ろうそく革命を継続・発展させて闘う民主労総と団結し、改憲と朝鮮侵略戦争を狙う安倍政権に今こそとどめをさそう!



   

韓国 大量解雇阻止へ決意大会

2018-02-08 22:22:08 | 世界の闘い


■韓国 大量解雇阻止へ決意大会
前進 速報版 2018年2月 8日 19:08

1月30日、雪が舞う極寒の中、学校非正規職労働者の正規職転換と大量解雇問題の解決を求めて大統領府前で野宿籠城闘争中の教育公務職本部の労働者を先頭に、公共運輸労組が決意大会を開催した。
 ムンジェイン政権は昨年7月に公共部門の非正規職労働者を正規職に転換すると発表したが、これを避けるため正規職転換の対象から除外したり、一方的な「事業終了」決定で大量解雇したりする攻撃が横行している。日本における「18年問題」と同じ構図だ。民主労総の仲間と連帯し、労働法制改悪を阻止しよう!



   

イラン全土に拡大した抗議デモ 労働者が歴史的反乱開始

2018-01-16 19:10:29 | 世界の闘い

■イラン全土に拡大した抗議デモ 労働者が歴史的反乱開始

前進 速報版 2018年1月15日 12:16
貧困層からデモ拡大

 昨年12月28日、北東部のイラン第2の都市マシュハドの貧困地帯で、インフレや高失業率(12%。若年層は20%を超える)、補助金の削減、政府の腐敗に抗議するデモが開始された。
 抗議デモは瞬く間にイラン全土に拡大し、大規模化した。多数の都市で国の出先機関、警察署、銀行などが労働者人民によって襲撃された。その規模は2009年の大統領選挙の際に起きたアフマディネジャド大統領弾劾のデモ以来最大規模となった。
 しかも経済的要求だけでなく、政府によるシリア、イラクなどへの介入戦争政策、宗教指導層や経済エリート層の汚職・腐敗、労働者人民への矛盾のしわ寄せに対して、激しい怒りをぶつけた。デモ参加者は当初貧困層が多かったが、次第に政府の強引な新自由主義政策と労働運動弾圧、労働組合弾圧に怒った労働者や学生が多数参加するようになった。多くの女性もデモに参加した。

1979年イラン革命以後蓄積されてきたイランの労働者人民の怒りは、現体制そのものに対する怒りへと発展し、ついには最高指導者ハメネイの辞任を求める前代未聞の事態にまで発展した。
 これに対してイラン政府は、激しい危機感をもって弾圧を開始。今年1月10日までに治安部隊によって22人が殺され、600人以上が逮捕された。SNSやインターネットなども遮断され、治安部隊による大規模な事後弾圧も開始されている。
 1月13日現在、反政府デモはいったん鎮静化しているが、労働者人民の怒りは激しく、開始された歴史的反乱は質的量的に巨大な規模になろうとしている。
米帝の反革命的介入
 シリアやイラクに政治的軍事的に介入して影響力を拡大してきた米帝は、ロシアやトルコなどと並んで米帝の中東政策の障害となってきたイラン政府の転覆を狙って、密かに活動を展開してきた。今回、イランの労働者人民の歴史的反乱の開始に直面した米帝は、イスラエルやサウジアラビアと共同して反政府運動への反革命的介入を強化している。
 米帝はイラン政府を崩壊させ、シリアに対して行ったような侵略戦争を仕掛けようとしているのだ。トランプもデモ参加者を支持するツイートを繰り返し、「アメリカは適切な時期に大きな支援をするだろう」とコメントして大規模介入をほのめかしている。
 反動的政権を打倒する歴史的反乱を開始したイランの労働者人民と連帯しよう。イランへの反革命的介入政策のエスカレーションによって中東に新たな戦火を放つことを狙う、米帝トランプ政権の中東侵略戦争を国際連帯の力で打ち砕こう。





韓国でも労働法改悪阻止 民主労総 ムン政権との激突に突入

2017-12-06 16:19:59 | 世界の闘い


■韓国でも労働法改悪阻止 民主労総 ムン政権との激突に突入
前進 速報版 2017年12月 4日 12:33

長時間労働を合法化する攻撃に怒り
20171204a-1.jpg 11月28日、韓国・民主労総が労働法制改悪阻止の緊急行動に立った。
 この日午後、勤労基準法の改悪阻止と労組活動をする権利の立法化などを掲げ、ソウルの国会前で緊急決意大会が開催された。続いて同じ会場で、この日全面ストライキに突入して上京した建設労組が、建設勤労者法の改正などを求めて2万人の決意大会を行った。
 焦点となっているのは、国会環境労働委員会の法案審査小委員会が提出した、労働時間の延長や休日・時間外労働手当の削減などからなる勤労基準法(日本の労働基準法に当たる)の改悪案だ。そこではさらに、同法59条の、現在労働時間制限の対象外となっている「特例業種」についての規定はそのまま維持するとされている。ムンジェイン政権のもとで与野党が一体となってかけてきた大攻撃に対し、全社会に怒りが渦巻いている。
 許しがたいのは、パククネ政権のもとで政府が法を勝手に解釈して週68時間までの労働を認めたことに対し、これを違法としてその廃棄を公約していたムンジェインが、今やその約束をほごにして、逆にこの長時間労働を合法化する暴挙に出てきたことだ。民主労総が掲げる「労働積弊清算」に真っ向から敵対する攻撃だ。
 さらに、「特例業種」規定のために、毎月平均3・6人もの労働者が過労で命を奪われている。無制限の労働を強制するこの制度を存続させることは、労働者に対して、この先も資本に命を差し出し続けろということだ。
〝2千万労働者の生存守る〟と訴え
 28日の集会で民主労総のチェジョンジン委員長代行は、「これは法の改正ではなく改悪だ。労働時間の短縮ではなく延長だ。とくに中小零細・未組織の職場で働く労働者をより低賃金での長時間労働に暴力的に追いやるものだ」と弾劾し、「勤労基準法を守ることは組織された労働者だけでなく、この地の2千万労働者の生存を守る闘いだ。必ず阻止しよう」と訴えた。
 さらに公共運輸労組のパクテチョル副委員長は「勤労基準法59条の特例規定のせいでバスの運転手や集配労働者、放送労働者が次々過労死している」「59条が廃止されない限り、労働を尊重する社会ではない」と強く訴えた。
 この闘いは、民主労総と韓国労総の共闘として発展し、28日の朝には両者が共同で糾弾記者会見を開いた。23日に続いて28日の小委員会での改悪もはね返したが、改悪強行を狙う政府・資本との闘いはこれからが正念場だ。
建設労組2万人が生きさせろとスト
 28日にゼネストで決起した建設労組は、建設労働者の劣悪な労働の現実を変えるために、賃金未払い防止制度などを導入する建設労働者法改正案の国会通過を強く要求した。
 建設現場は現在、「毎日2人が死んでいく戦場だ」とさえ言われている。そこで働く労働者のほとんどは個人請負の特殊雇用労働者だ。自分の所有する建設機械を現場に持ち込んで運転し、事故が起きても何の保障もなく、その実態は日雇い労働と変わらない。毎日骨身を削って働いても日々の生活を支えられる賃金など得られず、老後の保障もない。
 だが国会は勤労基準法改悪を狙う一方、建設労働者法の改正にはまったく動こうとしない。建設労組のチャンオッキ委員長は、全国から集まった2万人の組合員を前に、「私たちはすでに10年間、国会と政府にだまされてきた」と怒りをたたきつけ、「もう彼らを信じず、私たちの人生は私たちの手で変え、私たちの力で法も変えよう」と訴えた。
 韓国の仲間たちが直面しているのは、日本のわれわれとまったく同じ攻撃だ。労働者からとことん搾取し、社会を崩壊させる以外に延命できない資本主義を今こそ終わらせよう。切迫する朝鮮戦争・核戦争を阻止する力もその中にある。巨万の労働者の怒りを束ね、総力闘争に立ち上がっている民主労総に学び、連帯して闘おう。
写真11月28日、民主労総大会に続く建設労組のゼネスト大会で「もうだまされない」と政府・資本との全面対決を宣言する2万人の労働者(ソウル)



   

万国の労働者、団結せよ! 韓国民主労総 現場の怒り集め前夜祭

2017-11-16 22:07:10 | 世界の闘い



■万国の労働者、団結せよ! 韓国民主労総 現場の怒り集め前夜祭
前進 速報版 2017年11月16日 12:28

 11月12日にソウルで開催された韓国・民主労総の全国労働者大会に先立ち、11日にソウル市内で、民主労総の闘争事業場決意大会と1987年の労働者大闘争30年を記念する前夜祭「文化ハンマダン」が開催された。また、この日の午後には全国から公務員労組の組合員たちがソウルに結集し、「公務員総決起大会」もかちとられた。動労千葉訪韓団はこれらの行動に参加し、ともに闘った。
 11日の午後6時からはヨイド公園で、民主労総に加盟してさまざまな現場で闘う組合員が結集し、闘争事業場決意大会が行われた。ステージの脇に掲げられたスローガンは「万国の労働者、団結せよ!」だ。

 大会あいさつに立った民主労総のチョンヘギョン副委員長は、ハンサンギュン委員長の釈放を要求し資本と権力を弾劾。チョンテイル烈士の決起から47年を迎えた今、労組活動をする権利、人間らしく生きる権利をかちとること、そして日本軍軍隊慰安婦問題での「日韓合意」やソンジュへのサード(高高度迎撃ミサイルシステム)配備などの撤回を実現することこそが、われわれが継承すべき烈士精神だと力強く述べた。
 さらに、代理運転労組やアルバイト労組など、労働者保護規定の枠外におかれている「特殊雇用労働者」(いわゆる個人事業主)、整理解雇に反対して籠城(ろうじょう)闘争を闘ったことに対する巨額の損害賠償仮差し押さえ攻撃と闘うサンヨン自動車労組の委員長、発電労組委員長の発言が続いた。
 午後7時からは、労働者大闘争30周年の文化ハンマダンが始まった。30年間の韓国労働者階級の闘いを振り返る映像を背景に、力強い労働歌で会場がひとつになった。
 圧巻は、太鼓隊と横断幕を吊り下げたパワーショベルの入場だ。横断幕のスローガンは「御用労組をたたき出して民主労組をかちとろう」「労働者も人間だ 人間らしく扱え」など、87年当時の労働者たちが掲げて立ち上がったものだ。
 パフォーマンスのクライマックスでは「労働者に国境はない」「資本主義を超えて労働解放を」の訴えが響き渡り、会場は大きな拍手に包まれた。
公務員労組が総決起大会
 11日の午後、ソウル駅前は「政府は公務員労組を認めろ!」「解雇者を原職に戻せ!」の叫び声で埋め尽くされた。ムンジェイン政権の発足から半年、今も労組の設立が認められず「法外労組」とされている公務員労働者が、闘いの先頭に立って労働者が主人の社会を実現しようという決意に満ちた集会となった。
 大会は、昨年来の闘いを振り返る映像で幕を開けた。光化門広場を埋めるキャンドルの波が映し出され「われわれは1700万ろうそくの先頭に立った」とテロップが流れると、組合員は万雷の拍手で応えた。  大会あいさつに立ったキムジュオプ公務員労組委員長とチェジョンジン民主労総委員長代行はそれぞれ、「ろうそく政府」を自認するムンジェインが約束をほごにし、公務員労組を依然として「不法」な存在としていることを弾劾。とりわけチェジョンジン委員長代行は「チョンテイル烈士の焼身から47年がたった今も労働三権は保障されていない」と強調し、公務員のみならずすべての労働者の労組活動をする権利をかちとろうと結んだ。
 闘争決議文では、いまだに成果給制が公務員に対して強制されていることなどを弾劾し、「大統領が約束した解雇者原職復帰、設立申告履行、政治基本権保障、成果給制廃止を先送りしたり拒否したりした場合、強力な対政府闘争に突入する」と宣言。市内中心部へのデモに打って出た。
 デモの先頭には労組のシンボルである赤い傘をさした部隊が立ち、大きな注目を集めながら大統領府へと進んだ。
写真〕①特殊雇用労働者たちがパワーショベルで入場(11月11日 ソウル・ヨイド公園)
     ②「労組設立申告を履行しろ!」と公務員労組が都心デモ(11日 ソウル)



   
 

米スポーツ選手が国歌演奏に不起立 警官による黒人虐殺に抗議

2017-10-07 17:10:29 | 世界の闘い


■米スポーツ選手が国歌演奏に不起立 警官による黒人虐殺に抗議
前進 速報版 2017年10月 7日 12:44

 今アメリカでは、アスリートの反乱が巨大な闘いになっている。1年前、アメリカンフットボールの一人の選手から始まった国歌演奏時の不起立は、この9月から爆発的に拡大している。黒人を虐殺した警官が投獄どころか、逮捕・起訴さえされない現状への抗議だ。
 それに対してトランプは、「国旗・国歌を侮辱するやつは、今すぐグランドからたたき出せ。首だ」と口汚くののしった。それへの怒りが一挙に拡大し、不起立者への連帯が次々と表明されるようになった。
 オバマ政権時から始まったこの闘いは、一人から徐々に人数を増やしてきたが、現在ではコーチも含めて、また人種・出身の差を超えてチーム丸ごと団結して闘っている。写真にあるように、起立を拒否できない選手も、不起立している仲間の肩に手を置き、連帯している。起立しているが、仲間全員が腕を組んで、連帯を示している所もある。

 昨年8月、ナショナル・フットボール・リーグ〔NFL〕からの追放も覚悟した最初の不起立者コリン・キャパニック選手は、2014年8月の黒人青年の虐殺以来全米に拡大した地域の闘いへの連帯を次のように語っている。
 「黒人、有色人を抑圧する国の旗に起立して敬意を示すことはできません。この問題よりフットボールのほうが重要だという利己主義者にはなりたくありません。殺人をやめさせるために、多くの人が有給休暇をとって街頭に出ているのです」
「労働組合の街」で団結が拡大し
 特に、彼が属するサンフランシスコ・フォーティーナイナーズ(49ers)の地元では、ILWUローカル10(国際港湾倉庫労働組合第10支部)が、警察による暴行・虐殺に抗議して、港湾を閉鎖した。この人種・出身の違いを超えて全組合員が団結したILWUの隊列を中心にして、地域ぐるみのデモを何度も行っている。これが、49ersファンも含めた地域全体の団結を強固にしてきたのだ。
 アメリカ最大のプロスポーツ、アメリカンフットボールの有力選手の反乱は、影響が大きい。極右勢力は激しく反応し、「殺すぞ」という脅迫がキャパニック選手に送られた。だが、チームメートは、白人選手を含めて彼への連帯を次々に表明し、49ers経営者側もキャパニックの「不起立の自由」を擁護せざるをえなくなった。
 「労働組合の街」サンフランシスコの地域ぐるみの支援は選手たちを勇気づけたのだ。
 次にこの闘いが広がったチームはシーホークスだ。その本拠地シアトルも、ILWUの中でも強い団結力で名高いローカル19、ローカル52の拠点だ。また、全米で最初に最低賃金の15㌦への大幅引き上げを市議会で決定した所だ。
安全を無視するNFLとの闘い
 アメリカンフットボールでは、全力疾走でぶつかる衝撃で脳震とうが頻繁に起こる。2015年では、1試合当たり0・43回だ。脳の損傷の後遺症で、うつ病、認知症、性格の変貌(へんぼう)、歩行障害などが起きる。
 だが経営側は長い間、深刻な健康被害を認めず、選手が要求する脳震とう対策も、後遺症の補償も拒否してきた。それどころか、倒れてもすぐに試合に出させてまた視聴率を稼ぐ。巨大広告会社はNFLにさらに圧力をかける。資本は「倒れてもまた立ち上がる感動」なるものを金にして、選手を使い捨てにするのだ。
 そして高校・大学の部活もプロになる「夢」を掲げ、安全無視のプロのあり方を基準にして長時間練習や過酷な試合を強いる。資本が支配するプロスポーツが社会全体に与える影響は重大だ。
 しかし、内部からの安全闘争がプロスポーツ界を根底から揺るがしている。これが、NFLPA(NFL選手労働組合)の変革・強化の闘いが行われ、そこでつくられた職場の団結が、極右テロをのりこえた不起立闘争の基盤になっている。
写真〕試合前の国歌演奏で片膝を立てて座り、黒人虐殺に抗議するサンフランシスコ・フォーティナイナーズの選手。後ろに立つ選手も抗議する選手の肩に手を置き、連帯の意思を示している(10月1日)




〝ファシストを止めよう〟 米ILWUが港湾封鎖を決議 極右集会を中止に追い込む

2017-09-21 22:19:40 | 世界の闘い


■〝ファシストを止めよう〟 米ILWUが港湾封鎖を決議 極右集会を中止に追い込む
前進 速報版 2017年9月21日 13:33

 「人種差別主義の殺人の再現を許すな。港湾封鎖とデモでファシストを止めよう。全労組の結集を! いま闘わずいつ闘う? ここで闘わずどこで闘う? われわれは力がある。力を使おう!」
 アメリカ・サンフランシスコのILWUローカル10(国際港湾倉庫労働組合第10支部)は8月17日の組合員大会でジャック・ヘイマンさんらが起草した決議案を満場一致で採択した。

労働組合の街守れ
 「愛国の祈り」というファシスト集団が、8月26日にサンフランシスコ市で集会を開くと宣言した。27日には、近くのバークレー市に結集するという。サンフランシスコ一帯は、1934年のゼネスト以来、闘いによってつくられてきた「労働組合の街」だ。労働者の団結と誇りがすみずみにまで行き渡っている全米的な労組拠点だ。トランプ政権の登場で図に乗ったファシストが、ここに侵入しようというのだ。
 同じ米西海岸のILWUの拠点であるポートランドでは、今年5月に2人の男性がファシストに殺された。同市の14の労組は6月4日、「愛国の祈り」と対決する行動に組合員を大動員した。
 8月12日に起きたバージニア州シャーロッツビルでの白人至上主義者による車突入テロ・殺害について、トランプは南軍像撤去に反対した側(車で突入した側)にも「すばらしい人がいた」と、露骨に擁護した。まさに「いま闘わずいつ闘う」ということだ。
 決議を上げたローカル10は、「愛国の祈り」が集会を予告した26日当日に、ローカル10会館からデモに出発した。
教職員組合も合流
 この過程で、ローカル10には教職員組合をはじめ他の労組も合流した。これを見て「愛国の祈り」は集会中止を発表した。激突を前にして震え上がったのだ。
 ファシストの生命線は「白人労働者の生活を守る」といううその扇動とテロだ。実際に労働者の権利を守っているILWUが人種や出身地の違いを超えて団結し、実力で反撃した時、ファシストは打ち砕かれたのだ。
 この闘いを主導したヘイマンさんは、04年の11月労働者集会に参加して以来、動労千葉と討論を重ねてきた。日韓米労働者の団結で朝鮮侵略戦争を止める闘いの同志だ。今年もILWU組合員が11・5集会に参加する。ともに闘おう。



   

サード追加配備に実力闘争 韓国・ソンジュ 500人が徹夜の攻防

2017-09-13 06:26:25 | 世界の闘い

■サード追加配備に実力闘争 韓国・ソンジュ 500人が徹夜の攻防
前進 速報版 2017年9月11日 11:49

 韓国・ムンジェイン(文在寅)政権は7日、慶尚北道・ソンジュ(星州)への在韓米軍のサード(THAAD、高高度迎撃ミサイルシステム)発射台4基の追加配備を強行した。今年4月に強行配備された2基とあわせて「1個砲台」を完成させ、近く本格運用を始めることを狙っている。絶対に許すことはできない。
 国防部はこれを「北朝鮮の核・ミサイルの脅威から国民の生命と安全を保護するための措置の一環」だと説明した。これまで「国民の同意なきサード配備は強行しない」と語ってきたムンジェインは結局、「国家安保」を掲げて労働者民衆を裏切ったのだ。

昨年7月の一方的な配備決定から1年以上も闘いぬいてきた現地の住民や宗教者たちは、追加配備決定の報を受けてただちに駆けつけた。500人もの人びとが結集して路上に車でバリケードを築き、スクラムを組んでお互いの体をロープでつなぎ、18時間にわたって闘いぬいた。警察は許しがたいことに8千人もの部隊で襲いかかり、現場が戦場と化す中で数十人が負傷し、2人が連行された。
 住民たちはこれに対して、「国民の念願として誕生したムンジェイン政権が国民を裏切った」「今ソンジュは、ムンジェイン政権への未練を捨てた。ムンジェインに投票した人びとは今、指を切り落としてしまいたい心境だ」と激しい怒りをたたきつけた。また、「サード発射台の追加搬入は阻止できなかったが、18時間にわたってここを守り気勢を上げて闘ったことはわれわれの明確な勝利だ」と胸を張って確認し、「サードは戦争のための兵器だ。平和のために5年でも10年でも闘う覚悟だ」と決意を述べた。
 ソンジュ現地で闘ってきた労働組合のナショナルセンター・民主労総(全国民主労働組合総連盟)も、声明で「サード配備強行によって不安定な朝鮮半島情勢はさらに悪化する」「民主労総はソンジュの住民と朝鮮半島の平和を望むすべての市民とともに、不法なサード配備の無効化および撤去のために引き続き闘っていく」と宣言した。
 また公共運輸労組のイムウォルサンさんは、米メディア「デモクラシー・ナウ」のインタビューで「危機を激化させたのは、北朝鮮の体制転換のために核兵器・非核兵器を使用すると脅してきた米国の北朝鮮敵視政策だ」と弾劾した。
 サード配備の狙いは、北朝鮮の核やミサイルへの恐怖をあおることで、パククネ前大統領を打倒した昨年来の「キャンドル革命」を引き継ぎ社会の全面的な変革に向けて進む韓国労働者民衆の闘いを圧殺することにある。しかし、現地ソンジュの住民は「朝鮮半島のどこにもサードはいらない」を掲げてこの攻撃に立ちはだかり、民主労総も「核兵器も軍事境界線もない朝鮮半島を」「すべての軍事的行為と制裁措置を中止しろ」と訴えてともに闘っている。この闘いこそ、今日まで朝鮮侵略戦争を阻止している最大の力だ。
 韓国労働者民衆と固く団結し、安倍打倒―米日韓軍事同盟粉砕へ闘おう!
写真〕発射台を搬入する米軍車両を阻止しようと住民たちは固くスクラムを組み、警察の暴力に一歩も引かず18時間にわたり闘った(9月7日 ソンジュ)


韓国・民主労総が声明 核対決は人類的な大災厄 軍事的行為すべて中止を

2017-09-07 17:42:05 | 世界の闘い
■韓国・民主労総が声明 核対決は人類的な大災厄 軍事的行為すべて中止を
前進 速報版 2017年9月 7日 13:11

 朝鮮半島情勢は、韓米の乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン訓練開始と、これに続く3日の北朝鮮の6回目の核実験によって、再び激浪に覆われている。北朝鮮の核実験に対する憂慮はあるが、過去6回にわたる核実験を振り返ってみると、朝鮮半島における核問題の根源は、米国による核攻撃の威嚇を含めた敵対的な対北朝鮮政策である。
 このことは「北朝鮮の核開発は、米国の対北朝鮮軍事行動への恐怖のため」だとした2007年の米国の大西洋委員会報告でも明らかになっている。米国は朝鮮戦争以来今まで、北朝鮮への核攻撃の威嚇をやめていない。最近では、戦略爆撃機B1BとF35Bステルス爆撃機の実戦的爆撃訓練などで対北朝鮮攻撃の威嚇を強めてきた。このような米国の北朝鮮に対する威嚇と圧迫は北朝鮮のより強力な反発を呼び、危機の悪循環がさらに深刻化している。

 ムンジェイン政権は、「対北朝鮮制裁一辺倒だったイミョンバク―パククネ政権のもとで北朝鮮の核・ミサイル能力はむしろ強化された」という米ジョンズ・ホプキンス大学韓米研究所の報告書に留意しなければならない。
 韓米当局は、これ以上遅らせることなく、北朝鮮と米国の関係、そして南北関係改善のための対話と交渉にのりださなければならない。また、北朝鮮の6回目の核実験に対して、けっしてサード(THAAD=高高度迎撃ミサイルシステム)配備を強行すべきではない。サードの韓国配備は、韓国が日米のミサイル防衛体制に含まれていることにより、東北アジアの軍事的緊張の対決を構造化し、朝鮮半島における平和問題の解決をいっそう困難にするだけだからだ。
 われわれは戦争ではなく平和を望む。われわれは平和のために、すべての核に反対する。米国が対北朝鮮の敵対政策を放棄してこそ、朝鮮半島非核化の議論と実現も成し遂げられる。平和協定の締結によって、朝鮮半島に垂れ込める戦争の暗雲と分断のくびきをすっかり取り払わなければならない。朝鮮半島に、敵対的な対決も、核兵器も、軍事境界線もない強固な平和体制を築き、統一された朝鮮半島を樹立するために、すべての関連当事国が積極的に協力することを、もう一度強く求める。
 北朝鮮と米国間での対決と戦争の危機が高まり、そして東北アジアの平和を根本から揺るがすことになるサード配備の強行があらわになる中で、朝鮮半島情勢をさらに激化させるすべての軍事的行為と制裁措置を中断しなければならない。いかなる理由があろうと、朝鮮半島での核対決は、南北(朝鮮)のすべての民衆にとっての災厄であるばかりでなく、世界中のあらゆる国に広がりうる人類的な大災厄であり、絶対に許すことはできない。今は核をめぐる軍事的対決ではなく、平和協定締結のための全面的な対話にのりだすときだ。



   
 

ソウルで徴用工像除幕式 〝強制連行の歴史忘れるな〟 民主労総など労働組合が主導

2017-08-21 21:13:01 | 世界の闘い




■ソウルで徴用工像除幕式 〝強制連行の歴史忘れるな〟 民主労総など労働組合が主導
前進 速報版 2017年8月21日 12:28

■徴用工100万人の苦難と闘い
 8月12日、韓国・ソウルのヨンサン(竜山)駅前広場で、民主労総と韓国労総を中心とした「強制徴用労働者像建立推進委員会」が建立した「徴用工像」(写真下)の除幕式が行われた。この像は、やせて肋骨の浮き出た労働者が、つるはしを手にした姿をかたどったものだ。
 日帝は、朝鮮を植民地支配下においていた1939年から45年にかけて、朝鮮の労働者を日本やサハリン、南洋諸島などに強制的に連行し、鉱山や農場、軍需工場、土木工事現場での奴隷労働を強制した。今回像が建立されたヨンサンは、当時多くの朝鮮人労働者が集められ、各地に送られた場所だ。日本国内では、北海道や九州の炭鉱、ダム建設・鉄道敷設現場などで多くの労働者が虐殺された。しかしその中でも多くの朝鮮人労働者が団結して立ち上がり、日帝と一体の資本に対してストライキで闘った。

 そうした「徴用工」は100万人を超えるとも言われ、これとは別に、軍人や軍属、日本軍軍隊慰安婦とされた人も無数にいる。
 民主労総は韓国労働運動の重要課題としてこの問題に取り組み、韓国労総との共同事業として像の建立を進めてきた。制作には、軍隊慰安婦問題を記憶するために日本大使館前に建てられた「少女像」の作者である彫刻家の夫妻があたった。今回のソウルと仁川(インチョン)に加え、今後、慶尚南道やチェジュド(済州島)にも徴用工像を建立する予定だ。
■戦争犯罪の抹消狙う日帝許すな
 この像にこめられているのは、労働者の力で新たな戦争を絶対に阻止するという強い決意だ。
 2015年末に日本軍軍隊慰安婦問題をめぐる「日韓合意」が強行されたことに対し、軍隊慰安婦や徴用工の存在があらためて大きな焦点となった。再びの朝鮮戦争を狙う日帝が、過去の戦争犯罪を抹消することなど絶対に許さない! これは、日韓労働者民衆の共通の怒りと決意だ。
 こうした中で爆発したパククネ打倒の闘いは、「積弊清算」というスローガンが示すとおり、これまでの社会の根底的変革を求める闘いとなり、今も継続している。日帝の植民地支配と戦争を経て現在まで続く「1%」による支配構造を打ち砕くことが、労働者民衆全体のテーマとなったのだ。民主労総のチェジョンジン委員長代行は8・15労働者大会でも「強制徴用労働者像はただの象徴ではない。親日を清算し、ゆがめられた歴史をわれわれ労働者こそが打ち立てるという宣言だ」と訴えた。
 日帝はこの闘いに震え上がり、敵意をむき出しにしている。この間、桜井よしこを筆頭とした極右は一斉に「問題は65年の日韓条約で解決済み」「国民徴用令に基づき合法的に行われた勤労動員」とわめいている。内閣官房長官・菅は、8月14日の「世界慰安婦の日」にあわせてソウル市内を走る路線バスに「少女像」が設置されたことに対し、「北朝鮮問題を抱え、日米韓で連携して対応しなければいけないときに、こうしたことはきわめて残念」と述べた。
 昨年8月、京都の丹波マンガン記念館に徴用工像が建立された際には、除幕式に出席しようと来日した民主労総のチェジョンジン委員長代行が入国を拒否されるという事態も起こった。
 歴史を直視することもできない支配階級に未来などない。実際に、労働者をモノのように使い捨て、殺していく現実は21世紀の現在に至るまでまったく変わっていない。自らの延命のための戦争で労働者を殺し合わせる帝国主義を打倒し、労働者の手で新たな社会を建設すること――これが、戦時下で立ち上がった労働者たちからわれわれに託された課題だ。
■韓国民衆に応え戦争を止めよう
 日本の敗戦=植民地支配からの解放72周年となる8月15日の「光復節」には、ソウル市庁広場で8・15全国労働者大会が開催された。強い雨をついて組合員7千人が集まり、サード配備が強行されたソンジュ(星州)とキムチョン(金泉)からも住民たちが駆けつけた。21日から米韓合同軍事演習「ウルチフリーダムガーディアン」が開始されるのを前に、参加した労働者たちは米韓合同軍事演習中断やサード配備撤回、日帝による強制動員の歴史の謝罪と賠償を求めて声を上げた。続いて開かれた汎(はん)国民平和行動には1万人が結集し、米大使館へのデモも行われた。
 韓国の仲間の思いに応え、われわれ日本の労働者こそが先頭に立って戦争絶対反対の闘いのうねりをつくりだそう!
写真上ソンジュとキムチョンの住民も上京し「サード配備決死反対」を掲げて平和行動の先頭に立った(8月15日 ソウル)