■失業者向け融資が急増 保証人いらず低利、焦げ付く恐れ
朝日新聞 2010年1月31日0時6分
失業者に生活費を連帯保証人なしでも貸し出す、厚生労働省の「総合支援資金」の利用者が急増中だ。昨年10月の受け付け開始から3カ月間で、7324人、総額62億円に上る。連帯保証人が必要だった旧制度の2008年度実績(年間)に比べて、人数は4.5倍。同省は「今後も増える」と予想するが、利用者は借りてから遅くとも1年半後には返済を始めなければならない。生活再建を見込んだ制度設計だけに、雇用環境が足踏み状態では貸付金が焦げ付く恐れがある。
総合支援資金は麻生政権が09年春、失業者対策と近づく衆院選をにらんで、補正予算に計上。政権交代後も鳩山政権が引き継いで、10月から受け付けを開始した。
都道府県の社会福祉協議会が事業主体、市区町村社協が窓口業務を担当し、(1)最長12カ月の生活支援費(単身月額15万円以内、2人以上20万円以内)(2)敷金・礼金などの住宅入居費(40万円以内)(3)滞納した公共料金の支払いなどの一時生活再建費(60万円以内)――を貸し付ける。連帯保証人がいなくても年利1.5%で借りられ、いる場合は無利子になる。償還期間は最長20年以内となっている。
厚労省によると、全国の貸し付け状況は、昨年10月が883人(7億9889万円)、11月が2469人(21億1225万円)、12月が3972人(33億974万円)と右肩上がりだ。
都道府県別では、最多が大阪府の1284人。以下、兵庫県905人▽東京都741人▽愛知県460人▽千葉県320人▽福岡県315人――で、大都市部が目立つ。大阪府の場合、連帯保証人が必要だった旧制度「離職者支援資金」の2年分が、ここ3カ月間に申請された計算だ
急増の理由は、無職で収入がなくても連帯保証人なしで生活資金を借りられる手軽さだ。東京都、大阪府、兵庫県では、95%以上が保証人なしという。旧制度の年利3%、最長7年に比べて、低金利と償還期間が長いのも借り手にとっては魅力になっている。
しかし、「給付」ではないので、利用者は最後に借りた日から6カ月以内、借りた時からみると、遅くとも1年半後には返済を始めなくてはならない。この間に就職先を見つけるなどして生活を再建しないと返済はできない。
厚労省によると、旧制度は連帯保証人がいるのに、07年度の償還率は全国平均で34.6%だった。同省地域福祉課は「貸し出し後も各地の相談員がかかわって自立を支援していくことが大切だ」というものの、現場の生活再建支援や債権回収の態勢などは不十分なのが実情だ。
失業対策といいながら麻生政権が選挙のためにバラマキを行い、そのまま鳩山内閣が引き継いだものです。
資本家に首を切られ借金を負わされた労働者に、給付ではなく貸し付けるのは、サブプライムローンと同じこと。労働者ではなく資本家を救済するものでしかありません。労働者は「救済」なんか望んでいない。動労千葉と国鉄1047名の闘いを軸に全国で解雇撤回闘争を爆発させましょう。2・13代々木公園の全国労働者集会に集まりましょう。
★当面する闘争方針