古き良きアメリカ映画の時代があったとしたらそれはいつなのか? 相当昔の話? 西部劇でバンバン撃ちまくっていた頃なのかな。それから遅れる事しばし、1973年制作”スケアクロウ”をBSで鑑賞。始まりのシーンは印象的でとても良かった。バッグミュージックも流れているんだかいなんだか分からない程度。風の動きと男ふたりだけで見せていたような凄さがあった。40数年も前のものなのですね。確かに時代背景は古い。主演のひとり、アル・パチーノさんも物凄く若い。しわがないし(当たり前か)可愛い顔。年老いて凄味のある顔しか知らなかったので新鮮。相棒のジーン・ハックマンさんは名前こそ聞いてはいたがちゃんと観たのは初めて。当時はまだ40代だと思われるが人生に疲れた感が全身に表れていて素晴らしい演技。明るい未来を予想できない空気感で映画は終わるが後味は悪くない。不思議な映画だ。
大リーグマリナーズで活躍中のイチロー選手が安打で新記録を達成。日米通算での記録なのでアメリカでは対して話題にはならなかったらしい。それでも日本人選手がここまで活躍しているのは喜ばしい事。努力の人、イチロー選手ならではの偉業だ。凄いなーと心の中で感心はしたが、テレビニュースで彼の談話を聞いてこれまたイチローらしい、と少し気持ちが冷めた。この人は若い頃からどーしてこのような言い回ししか出来ないのだろう。わざと嫌われようとしているのか? と思える程、厭味な印象を受ける。素直じゃない。インタビュアー泣かせと言うのが若い時分の定番だったし聞かれた事にまともに答えない姿勢が嫌らしかった。時間が経ち彼も随分大人になったな、と感じられてはいたのに、今日は興奮していたのか昔の嫌な部分が目立った。こちらの捉え方が間違っているのかも知れないが、なーんか興ざめ。
面白かった。映画化もされるそうだが、やっぱりねと思う。”悪人”同様、きっとヒット作になるだろう。殺人事件(凶器がナイフの)が絡んでいて血を見るのが苦手なので、映画は観ない。観たい気は充分にあるが、ちょっと難しいかな。キャストも渡辺謙さんは適役。この人の良さが分からないけど、この役は他に浮かばない。ウジウジした優柔不断な父。それを演じるにはピッタリ。その娘役がたぶん宮﨑あおいさん。幸薄で知能にも難あり。この役を彼女が? と思うが出来はどうか。この役をこの人が、と思ったのは他には妻夫木聡さん。ゲイで女性には興味がなく、そっち一筋。愛した男が行方不明になった時にはなりふり構わず探し回る。これは彼じゃなくてもーと思えた。殺人事件の加害者が誰なのか。その謎を解く内容だが、3人の身元が曖昧な男たちが登場する。謎めいた役柄が似合う、松山ケンイチさん、綾野剛さん、森山未來さん。この人たちが演じるなら、と映画には大いに魅かれる。原作者の吉田さんは元々映画通なのか。原作本として実に上手い。思い描かなかったラストだったし。最後に事件を起こす男子高校生も案外重要な役どころだけど、これは誰が演じているのだろう。血が怖い、と言いながらもこの映画を観たい気持ちは強い。