リンリン・ダイアリー

ブースカがお話します。

2016年8月2日 映画・夏の庭The Friends

2016-08-02 14:34:35 | Weblog

 20数年前の映画ではあるけど、新鮮な内容。演技派の三國連太郎さんが主演していたせいか、こどもたちも多く出演しているわりに全体的に締まった感じがした。役者ひとりの力でここまでいい作品になるのか、と妙に感心。この頃感じる事が多い、良い役者の典型。亡くなって数年が経つが惜しい人がいなくなったと改めて感じた。作品の内容は死に興味を持ち始めた小学生と、一人暮らしの老人のひと夏のかかわりを描いている。ぶっきらぼうだった孤独な老人が、こどもたちと少しずつ心を通わせていく場面は興味深かった。今時はあんな風に冒険する小学生はいないかも。スマホの画面上での冒険とは格段の違いのある面白さだと思うが、その感覚は古いのだろうな。こどもと老人がいい関係になり今後はどうなるのか? と思った頃に永遠の別れが来る。別れ方はあっけなく死とはそういうものだ、と教えてくれる。自然淘汰を学ぶのに相応しい映画。戦争を挟んで長い事音信不通だった夫(既に故人)と認知症の妻が火葬場で再会するシーン。ここも名女優の淡島千景さんが本当の夫婦のような振る舞いで場を落ち着かせてくれた。出番は少ないが彼女の演技もお見事。その後、小学生たちがどんな成長を遂げたのかを知りたくなる様な素敵な作品。相米慎二監督って早逝してしまったけど凄い監督だったな。


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