スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

宝塚記念&自然法

2024-06-23 19:11:25 | 中央競馬
 第65回宝塚記念
 好発はベラジオオペラで一旦は先頭に。しかし外からカラテが上がってくると控え,発馬後の正面のうちにカラテが先頭に。さらに外からルージュエヴァイユも上がってきて,1コーナーから2コーナーに掛けてカラテの前に出て,ここからはルージュエヴァイユの逃げに。こちらも外を進出してきたプラダリアが2番手となり,カラテ,ベラジオオペラの順に。2馬身差でヒートオンビートとディープボンド。1馬身半差でシュトルーヴェとジャスティンパレスとソールオリエンス。ローシャムパークを挟んでヤマニンサンバとドウデュースとブローザホーンが最後尾を併走。3コーナーでは先頭から最後尾までが7馬身くらいに凝縮するレースになりました。最初の1000mは61秒0の超スローペース。
 3コーナーからルージュエヴァイユから離れた外をプラダリア,向正面で掛かり気味に上昇していったローシャムパーク,外に出したベラジオオペラの3頭が併走。直線の入口ではルージュエヴァイユとプラダリアとベラジオオペラの3頭の雁行になり,ローシャムパークは4番手に。その外からブローザホーン。前の3頭の競り合いからはベラジオオペラが抜けて一旦先頭。大外からブローザホーンがそれを差して優勝。ベラジオオペラとブラダリアの競り合いの外から伸びたソールオリエンスが2馬身差で2着。一旦先頭のベラジオオペラがクビ差の3着でプラダリアがクビ差で4着。
 優勝したブローザホーンは日経新春杯以来の勝利で大レース初制覇。未勝利を勝つのに苦労した馬なのですが,1勝してからはきわめて安定した成績を残していて,日経新春杯を勝った後も阪神大賞典が3着,天皇賞(春)が2着と,大レースにも手が届きそうなところまで来ていました。どちらかといえば距離が長いところで活躍してきた馬ですから,各馬が外を回るような馬場状態になったことはプラスに作用したでしょう。ただ,スローペースで上りが早い競馬を突き抜けていますので,むしろこのくらいの距離の方が適性が高かったという可能性もありそうです。父はエピファネイア。母の父はデュランダル。6代母がパテントリークリアの4代母にあたる同一牝系。
 騎乗した菅原明良騎手はデビューから5年3ヶ月で大レース初勝利。管理している吉岡辰弥調教師は開業から4年3ヶ月で大レース初制覇。

 先走って僕のこれまでの考察に合わせて探求しましたが,國分はこのことについても詳しく説明しています。それもみていきます。
                                        
 スピノザはホッブズThomas Hobbesと自身の違いを,自然権jus naturaeに対する考え方として説明しています。この説明から分かるように,自然権という概念notioをホッブズも有していました。というか,自然権を権利の概念として最初に発見したのはホッブズであったといっていいでしょう。それをホッブズは端的に,どんなことでも行う自由libertasと規定しています。つまり現実的に存在するある人間が自然権を行使するというのは,その人間に自然Naturaが与えた力potentiaをその人間の思うがままに発揮する権利のことです。よってこの権利は社会societasの法lex制度の枠内に収まるものではありません。むしろそれを超過するでしょう。このためにホッブズは,法という概念と権利という概念を分けて考えなければならないと主張したのです。
 前もっていっておいたように,スピノザはこのホッブズの規定についてはそのまま引き継いでいるといって差し支えありません。差異が出てくるのはその先です。
 ホッブズは自然権が何らの規制も受けずに発揮される状態のことを自然状態status naturalisといいます。このような状態が人類の歴史の中で実際に存在したとは僕は考えませんし,ホッブズがそれをどう考えていたかも分かりませんが,とりあえず理念型としてそのような状態を拵えて,それを自然状態と規定したとここではいっておきます。ホッブズにとっての自然状態は,戦争状態と同じことを意味します。いわゆる万人の万人に対する闘争状態のことです。しかしこの状態は大きな矛盾を抱えています。というのも,第三部定理六のようなコナトゥスconatusをホッブズが現実的に存在する人間に対して認めるかどうかはともかく,現実的に存在する人間は自身の身の上の安全を第一に考えなければならないのに,自然状態はそれと大きく矛盾する状態,要するにだれもが自身を危険に晒している状態であるからです。このことから,現実的に存在する人間は,自身の安全のためにむしろ自然権を放棄しなければならないという考え方が出てくることになります。それをホッブズは自然権に対して自然法lex naturalisというのです。

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