スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

平安賞&不十分な解答

2020-09-06 19:15:49 | 競輪
 向日町記念の決勝。並びは鈴木‐竹内の東日本,取鳥‐高原の中四国,山田に近藤で畑段は単騎。
 近藤がスタートを取って山田の前受け。3番手に取鳥,5番手に畑段,7番手に鈴木で周回。残り2周のホームの入口手前から鈴木が上昇。ホームで一気に山田を叩き,スローペースに落としました。外から取鳥が上昇。鈴木はバックでインを開けたのでそこを叩かれた山田も上昇。外の取鳥が前に出ました。このラインに続いていた畑段はインに潜り,打鐘から高原と番手戦。この後ろに山田で6番手に鈴木という隊列に。ホームから取鳥が本格的に発進。番手は畑段が奪いましたが,競り合いが激しく,取鳥との差が開いてしまいました。バックから山田が発進。近藤を連れて捲り切ると,このふたりで直線勝負。粘り切った山田が優勝。マークの近藤が1車輪差で2着。捲り追い込みになった鈴木マークの竹内が直線の入口で鈴木の内を突いて1車身半差で3着。
 優勝した佐賀の山田英明選手は前々回出走の武雄のFⅠを完全優勝して以来の優勝。2018年4月の武雄記念以来の記念競輪2勝目でGⅢ3勝目。この開催は有力選手が準決勝で軒並み敗退してしまい,記念競輪の決勝としてはやや小粒なメンバーに。その中で脚力上位は山田で,3回前のFⅠも完全優勝していたように好調。なのでメンバー構成上は順当な優勝といえるでしょう。前受けがよかったかどうかは分かりませんが,打鐘前のバックで動き,鈴木より前に位置できたことが最大の勝因でしょう。

 書簡六十三は,シュラーGeorg Hermann Schullerを介してチルンハウスEhrenfried Walther von Tschirnhausから送られましたので,これに対する返信となる書簡六十四も,シュラーに送付されました。そして直接無限様態および間接無限様態の部分に関するスピノザの解答は,次のようになっています。
                                        
 まず,思惟の属性Cogitationis attributumの直接無限様態は,無限知性intellectus infinitusです。ここでは絶対に無限な知性という記述になっていますが,これはおそらく属性が無限に多くあることが意図されています。つまり,ここでいわれている無限知性は,延長の属性Extensionis attributumを対象ideatumとした無限知性であるわけでなく,人間にとって未知である無限に多くのinfinita属性の各々まで対象として含めた無限知性という意味に解するのが妥当であると僕は考えます。
 次に,延長の属性Extensionis attributumの直接無限様態として,スピノザは運動motusと静止quiesをあげています。これはこれで重要です。というのは,これは以前に考察したことですが,僕たちは普通はある物体corpusがあって,その物体が運動なり静止なりをすると判断するであろうからです。ですが,延長の属性の直接無限様態が運動と静止であって,物体については第二部定義一にあるように,延長の属性の有限様態すなわち個物res singularisとスピノザはいっているのですから,この一般的なイメージがスピノザの哲学では成立しません。むしろ前もって,というのは本性naturaの上で先立って,運動と静止があるのであり,この運動と静止によって諸々の物体が説明されなければならないからです。ですがこのことは現在の考察とは無関係なので,今はこれ以上の探求を繰り返すことはしません。
 最後に,間接無限様態について,無限の仕方で変化しながらも常に同一に止まる全宇宙の姿facies totius Universiであるとスピノザはいっています。これは質問に対して不十分な解答といっていいでしょう。というのも,質問は延長の属性と思惟の属性を分けて尋ねているのに,解答はひとつしか与えられていないからです。よってまず,この解答が意味するところを考えていきましょう。
 考えるといっても,答えはみっつのうちのどれかです。ひとつは,これがふたつの属性に対する答えであるという場合です。あとのふたつは,思惟の属性か延長の属性のどちらかについてだけ答えたという場合です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 動機&妥当な推測 | トップ | 叡王戦&宇宙と自然 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

競輪」カテゴリの最新記事