スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

あすか賞&表象の連結

2008-11-28 18:58:50 | 競輪
 東日本では12月には記念競輪が組まれていませんので,今年のラストということになる花月園記念。今日は2日目優秀(動画)のあすか賞でした。
 前受けは成田選手。3番手に海老根選手,5番手に吉田選手,8番手から井上選手という周回。
 残り2周のホームから上昇した井上選手がバックで成田選手を叩くと,このラインを追走してきた吉田選手が打鐘でさらに叩きました。成田選手はインを上昇し,3番手を室井選手から奪い,海老根選手は外からかましていきました。このかましに吉田選手が合わせて,残り半周くらいまですさまじい先行争いとなりましたが,制したのは吉田選手。番手から出た山口選手が1着。吉田選手は2着に残り,成田選手が3着となりました。
 山口選手の勝因は吉田選手が先行争いを制したことにつきますので,今日はあれだけ争って2着に残った吉田選手の強さが印象に残りました。

 実は第二部定理一八というのは,前回のテーマの補足として取り上げた真偽の観点に,表象の連結ということで大いに関係しています。僕たちがある観念からある観念へと移行していくこと,僕たちがよく使うことばでいえば,僕たちがある表象像からほかの表象像を連想するということは,その多くの場合が,この第二部定理一八の想起によって説明することができるのです。
 この定理一八の後の備考においてスピノザは,人間の表象の連結を具体的にあげています。それが,砂の中に残された馬の足跡の表象像から,軍人は騎士の表象像から戦争の表象像へと移行するのに対し,農夫は同じ馬の足跡の表象像から鋤や畑の表象像へと移行していくであろうということです。また僕は,前回の補足において,排尿に性的な志向を有するような人間の排尿の表象像からの移行,また排尿を我慢する力が低いゆえに病気と規定されるような人間の排尿という表象像から続く連結,そしてどちらでもないような人間の排尿という表象像から別の表象像への移行というのは,それぞれ異なるであろうけれども,どのように人間の精神の中で表象像が移行していくとしても,真偽という価値観からは何らの相違もないということを示しましたが,そもそもなぜ各人によってこのように異なった仕方で表象像というものが移行していくのかということ,つまりなぜ各人は同じ対象の表象像から異なった連想をするのかということが,単に経験的な論点からでなく,論理的な観点からもこの第二部定理一八を利用して説明することができるのです。これはスピノザ表象に関する考え方の中でも重要な点ですから,もう少し詳しく考えていくことにします。

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