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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

叡王戦&選別

2025-03-21 11:41:23 | 将棋
 18日に指された第10期叡王戦挑戦者決定戦。対戦成績は糸谷哲郎八段が7勝,斎藤慎太郎八段が7勝。
 振駒で斎藤八段が先手となり,糸谷八段の雁木。後手が居玉のまま5筋から仕掛けるという意欲的な作戦。その後にまた駒組に戻りました。
                         
 この将棋はここで☖3三桂と跳ねたために先手の1筋からの攻めが決まり,あとは一方的な展開なりました。ここ手はさすがにミスだったといえるでしょう。
 後手はここで☖2四歩と突く手も考えたけれど厳しそうだと判断して断念したとあります。ただ感想戦で示されている手順からみると,実戦の展開よりはよかったのではないかと思えます。全体的にいえば後手はずっと受けに回るのではなく,どこかで端から反撃していかなければいけなかったのではないでしょうか。
 斎藤八段が勝って挑戦者に。叡王戦五番勝負には初出場。第一局は来月3日に指される予定です。

 人間が人間以外のものも愛するとしたら,人間はその愛amorのゆえに愛するもののことを正当以上に評価するということが生じ得るといわなければなりません。しかし人間がそのような感情affectusを有したときには,第三部諸感情の定義二一によれば買いかぶりexistimatioとはいわれず,愛する対象objectumが人間である場合だけ買いかぶりといわれることになっています。しかし僕にはこの選別はまるで意味が分かりません。なのでかつてこの感情について説明したときにもいったように,僕は愛するものに対して愛のゆえに正当以上に評価するならば,その対象が人間であるか否かに関わらず,その感情を買いかぶりといいます。つまり僕はスピノザの定義Definitioには従わないのです。
 親が我が子に対する愛のゆえに子どものことを正当以上に評価するということはあるでしょうし,これは現にあると僕は思います。この感情は自分の子どもに対するものですから,スピノザの定義でも買いかぶりといわれます。同様に,ある人間が飼っている犬に対する愛のゆえに,その犬のことを正当以上に評価するということもあり得るでしょうし,これも現にあると僕は思います。このような感情のことをスピノザは買いかぶりとはいわないのですが,僕は買いかぶりというのです。親が子どもに対する愛のゆえに子どものことを過大に評価することと,飼い主が愛のゆえにペットのことを過大に評価することの間に,感情としての差異をつけることの意味が僕には分かりません。むしろこの説明からして,多くの方が僕の見解opinioの方に同意してくれるのではないかと思っています。
 第三部諸感情の定義のうち,この買いかぶりの周辺で定義されている感情は,その多くが人間に対する感情に限定されて規定されています。第三部諸感情の定義一九の好意favor,第三部諸感情の定義二〇憤慨indignatio,第三部諸感情の定義二二のみくびりdespectus,第三部諸感情の定義二三のねたみinvidia,第三部諸感情の定義二四の同情misericordiaはいずれもそうです。定義の中身を別にすれば,僕たちは人間以外のものにも好意を抱くし,憤慨もするでしょう。また人間以外のものをねたむこともあるでしょうし人間以外のものに同情することもあるといえるのではないでしょうか。

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