スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

竜王戦&内川の希望

2021-11-01 19:07:16 | 将棋
 一昨日と昨日,いわき市で指された第34期竜王戦七番勝負第三局。
 藤井聡太三冠の先手で角換り相早繰り銀。先手の攻めの銀と後手の守りの銀が交換になった直後に先手がその銀を打ち,先手の腰掛銀のような戦型に。今度は後手が銀を打ってその銀が交換になるという,みたことのない展開になりました。
                                        
 後手が5四に銀を打ち,先手の飛車が4五から逃げた局面。ここで☖3四金と指すべきだったというのが局後の結論になりました。
 実戦は☖3七歩成☗同桂☖同角成と進めたのですが,☗3一銀☖3二飛☗2二角というのがよい攻め筋だったようです。
                                        
 AbemaのAIは,ここで☖2四桂と打ったために著しく差が開いたと指摘していました。示していたのは☖2四歩でこれは☗同飛で☗2三飛成を目指すのか,☗8五飛で☗8一飛成を目指すのかを決めてもらい,それに応じて指し手を選択するという手。ただここで☖2四桂と打ったということは,☗2三飛成とされては厳しいと認識していたということでしょうから,これを逃したのは致し方ないと思います。
 藤井三冠が3連勝。第四局は12日と13日に指される予定です。

 パイレーツは,アベマズに対して失点してしまうリスクを負うことになっても,自チームの順位の上昇というメリットの方を目指すために,4索を捨てたのです。すでに説明したように,このことは論理的に説明することができる事柄ですから,近藤が第三種の認識cognitio tertii generisで認識したのと同じ事柄を,内川も,少なくとも第二種の認識cognitio secundi generisでは認識するcognoscereことができたと考えなければなりません。しかし麻雀ですから,パイレーツがいくらメリットを目指したとしても,リスクの方が現実化してしまうこともあります。そしてそれは,サクラナイツにとって悪い結果ではありません。これもまたすでに説明しておいたように,アベマズに対して失点することによって南4局1本場に突入することは,パイレーツにとってはかなり悪い部類の結果でした。それは,たとえその失点によっては3位のままであったとしても,1本場で順位を上げる可能性はその失点の分だけ低くなり,順位を落とす可能性がやはりその失点の分だけ増大するからです。
 このことから分かるように,パイレーツにとって悪い部類の結果というのは,サクラナイツにとってはよい部類の結果なのです。なぜならそれ自体で明らかなように,パイレーツが順位を落とす可能性が増大するということと,サクラナイツが順位を上昇させる可能性が増大するということは,同じことを意味するからです。ですから,内川は,アベマズがテンパイするなり得点を獲得するなりして1本場に移行することを希望していたと僕はいいましたが,内川が最も強く希望していたのは,パイレーツがアベマズに対して失点することによって,1本場に移行するということだったということになります。そして,ここが重要なところですが,パイレーツがアベマズに対して失点するリスクを負っているということは,内川にも確かなこととして認識することができたのですから,実際にそのようになるという可能性はある程度あるのです。よって内川は,その希望spesが実現することに全力を尽くすという打ち方をすることが,この場面ではそれなりに合理性のある選択であったということになります。
 これらのことを前提に,内川の選択を探ります。

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