スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

大山名人杯倉敷藤花戦&フェニックスへの安全度

2021-11-02 19:00:31 | 将棋
 昨日の第29期倉敷藤花戦三番勝負第一局。対戦成績は里見香奈倉敷藤花が24勝,加藤桃子女流三段が8勝。
 倉敷市の副市長による振駒で加藤三段の先手。里見倉敷藤花のごきげん中飛車で,①-Aに進みました。この将棋は最後のところで先手に見落としがあり,急に終りました。
                                        
 後手が金を打ち込んだ局面。ここは☗7八銀打とするのがベストで,先手が駒損になるものの,簡単に寄るというわけではないのでまだ一勝負が可能でした。
 実戦は☗6二歩と打って攻め合いにいきました。☖7七金☗同桂☖9五歩☗6一歩成と一直線の手順に。しかし☖9七角が厳しい一手で,先手玉は収拾がつかなくなりました。
                                        
 先手はこの手を見落としていたようです。後手は攻め駒が多いわけではないので油断があったのかもしれません。
 里見倉敷藤花が先勝。第二局は20日に指される予定です。

 まず,サクラナイツが捨てなかった4筒について考察します。
 この4筒は,フェニックスに対しては安全,つまりフェニックスに対して失点する可能性は低い牌といえます。なぜなら,パイレーツが7索を捨てて,フェニックスがそれをチーしたときに簡単にいいましたが,4を捨てているプレイヤーに対して1と7は安全度が高くなります。これは逆もまた真であって,あるプレイヤーが1と7の両方を捨てているなら,4の安全度は高くなります。しかるにフェニックスは1筒と7筒の両方を捨てています。したがって,4筒で失点する可能性が,低下します。
 さらにフェニックスは,2筒も捨てています。もしも2と3と5という組み合わせで持っているなら,1と4の両方のチーに対応できるように,5を捨てる方が合理的です。同様に,2と4と4という組み合わせで持っている場合は,3のチーと4のポンの両方に対応できるように,そのまま持ち続ける方が合理的です。したがって,フェニックスの手の中に,2筒と3筒がセットで含まれている可能性や,4筒が2枚含まれているという可能性もかなり低いことになります。なおかつこの時点では,サクラナイツの手の中に全部で4枚ある4筒のうちの2枚があります。すなわちこのときに4筒を捨てることによってサクラナイツがフェニックスに対して失点する可能性は,0とは断定できませんが,限りなく低いということは,内川にも理解できたと考えなければなりません。
 遡って,フェニックスが7索をチーした後にサクラナイツが4筒ではなく7筒の方を捨てたときも,4筒が2枚あることを除いた情報は判明していました。なのでそのときにサクラナイツが7筒の方を捨てた理由のひとつとして,7筒で失点する可能性が0であるということをあげたのですが,実際はその時点でも4筒で失点する可能性も限りなく低かったので,もうひとつの理由としてあげた,大量得点を目指すという意図の方が高かったといえます。とはいえ,7筒で失点する可能性は0で,4筒で失点する可能性は0とは断定できませんから,7筒の安全性が理由になったということも,誤っているというわけではないと思います。

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