スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

サッポロビール盃マリーンカップ&飛躍の論証

2019-04-18 19:12:26 | 地方競馬
 昨晩の第23回マリーンカップ。7頭がゲートに入ったところでチークスが暴れたため発走のやり直し。チークスは無事でしたが,前扉を開けて飛び出してしまったオウケンビリーヴが左の後ろ脚に外傷を負い,競走除外となって7頭。
 ナムラアヴィはタイミングが合わずに5馬身の不利。チークスが逃げられるかどうかに注目していましたが,逃げることはできず,アイアンテーラーがハナへ。リエノテソーロ,ラーゴブルー,チークス,ベニアカリ,エミノマユアクの順で1周目の正面を通過し前6頭は一団。向正面に入ると内からラーゴブルーが外のリエノテソーロに並び掛け,2番手は2頭。4番手のチークスと5番手以降の差が開いていきました。前半の800mは50秒6のスローペース。
 3コーナーを回るとチークスも脱落し前3頭の争い。コーナーで外を回ったリエノテソーロが直線の入口では単独の2番手でしたが,そこまでで一杯。内を回ったラーゴブルーは直線ではアイアンテーラーとリエノテソーロの間に。こちらはフィニッシュまで脚を使って粘るアイアンテーラーを差し切って優勝。アイアンテーラーが1馬身半差で2着。リエノテソーロは2馬身半差で3着。
 優勝したラーゴブルーはここが東京シンデレラマイル以来の実戦。3連勝で重賞初制覇。時計面での裏付けはなく,戦ってきたメンバーも強力とはいえなかったので,ここでも通用すると断定はできませんでしたが,昨年の夏に重賞を使ったときより強くなっているのは間違いないと思えましたので,通用しておかしくはないというレベルには達していました。巧みな騎乗で,斤量も1キロだけ有利であったとはいえ,重賞の勝ち馬2頭にはっきりとした差をつけて勝ちましたので,そういうレベルに達していたという見方をしていいでしょう。このようなレースができるのであれば,距離の延長にも対応できるのではないかと思います。父はハーツクライ。母の父はキングカメハメハ。4つ上の半姉に2013年にフローラステークスとローズステークスを勝ったデニムアンドルビー。Lago Bluはイタリア語で青い湖。
 騎乗した大井の御神本訓史騎手は2008年の東京盃以来の重賞3勝目。マリーンカップは初勝利。管理している川崎の内田勝義調教師は開業から31年10ヶ月で重賞初勝利。

 このような論理的飛躍が含まれているということは,『エチカ』そのものを援用して論証することができると僕は考えています。ただしこのためには,ある物体corpusがほかの物体と協同して組織する個体は,もとの物体よりも複雑な個体ではあるけれどもやはり物体である,つまり延長の属性Extensionis attributumの個物res singularisであるということは前提としておいてください。
                                   
 第四部公理は,どんな個物にもそれを破壊し得るほかの個物が必ず存在するという意味のことをいっています。物体は延長の属性の個物ですからこの公理Axiomaが妥当しなければなりません。したがってある物体が存在するなら,その物体を破壊し得るほかの物体が必ず存在することになります。
 ここからふたつの方法で同じことを結論することができます。ひとつは,ある物体が存在するなら,必ずそれとは別の物体も存在するということです。つまりどんなに複雑に組織されていようと,それが物体である限りはそれとは別個の物体もまた存在するのです。この公理ではその別個の物体は,最初の物体を破壊し得るものとして規定されていますが,別に存在する以上は,最初の物体と別個の物体は協同することによって各々より複雑な個体を組織し得る筈です。そしてこの関係は無限に進むでしょう。つまり,物体が存在するならそれとは別の物体もまた必ず存在するという関係は無限に進むのであり,よって物体がそれとは別の物体と協同してより複雑な物体を構成するという関係も無限に進むのです。よってこの公理から,物体の複合の無限連鎖が結論され,延長の属性の間接無限様態は出現することがありません。公理は物体に限らずすべての個物に当て嵌まるので,この結論もまた延長の属性だけではなく,すべての属性に当て嵌まります。
 もうひとつは,そもそもこの公理は,個物が可滅的であるということを意味しているということです。物体は個物なのですべての物体は可滅的です。いい換えればそれは無限infinitumではありませんし永遠aeterunusでもありません。ところが第一部定理二二により間接無限様態は永遠でありかつ無限でもあります。よってそれがどれほど複雑に組織されていようと,物体であるなら間接無限様態ではないのです。

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