スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

報知盃東京記念&第二部定理一一別の証明

2012-09-19 20:42:41 | 地方競馬
 ピサノエミレーツとロイヤルマコトクン,6枠の2頭が共に出走取消となった第49回東京記念
 発走後の直線が短く内枠有利。タイガーストーンが先手を奪い2番手はマズルブラスト。不良馬場ということもあり最初の1000mが63秒3と,この距離にしてはハイペースといっていいくらいになりましたが,ラップが上がったというわけではなく,7番手となったスターシップまではほぼ一団。その後ろにやや離れて2頭が併走。残りの3頭が大きく離れてばらばらの追走となりました。
 タイガーストーンの逃げは2周目3コーナーまで。ここで一旦はマズルブラストが先頭に立つも,スマートインパルスとカキツバタロイヤルが並ぶように追い上げ,さらにスターシップとトーセンルーチェ。大外に回ったのがカキツバタロイヤルでその内にスターシップ。さらに内からスマートインパルスという並びで叩き合いとなり,一旦は控えてまた内から伸びたというレースになったスマートインパルスが優勝。スターシップが2着でカキツバタロイヤルが3着。最内を突いたものの伸びきれなかった4着のトーセンルーチェまで,力量上位と考えていた馬での決着となりました。
 優勝したスマートインパルスは昨年の勝島王冠以来の勝利で南関東重賞2勝目。この距離は初めてでしたが,2000mはこなしていますので,あまり問題はなかったようです。というよりもむしろ適性があるのかもしれません。重賞では苦しいかと思いますが,南関東重賞では今後も活躍するのではないでしょうか。母の父はタマモクロス
 騎乗したのは勝島王冠の日は負傷で乗り替わることになった御神本訓史[みかもとのりふみ]騎手で6月の優駿スプリント以来の南関東重賞制覇で東京記念は初勝利。管理しているのは大井の三坂盛雄調教師でこちらも東京記念は初勝利。

 僕の理解するところでは,そもそも第二部定理一一というのは,ある人間の精神が現実的に存在するということを前提しています。このことはおそらくそれ自体で明らかであるといっていいと思います。ところで,思惟の様態のうち第一のものは,第二部公理三によって観念なのですから,こうした場合の人間の精神の現実的有をまず構成するものが観念であるということは疑い得ません。この部分はスピノザによる第二部定理一一証明と同一です。
 ところで,第一部定理一五により,すべてのものはあるとすれば神のうちにあるのですから,人間の精神もそれが現実的にあるなら神のうちにあります。そしてもしもある人間の精神が神のうちにあるといわれるのであれば,その精神と同一個体であるようなものが形相的にも実在する,あるいはこの場合には現実的に存在するということが第二部定理七系から帰結します。そしてその同一個体であるような形相的有というのは,第二部定理七により,その客観的有であるとここで仮定されているある人間の精神と,原因と結果の連結と秩序が同一でなければならないということになります。
 人間の精神というのが個物でなければならないということ,いい換えれば神の思惟の属性の様態的変状でなければならないということは,第二部定理一〇系から明らかです。するとそれと同一個体であるような形相的有も,神のある属性の様態的変状でなければなりません。いい換えれば,ある人間の精神が現実的に存在するという場合には,その精神の現実的有を構成する観念の対象ideatumというものが,神のある属性の様態的変状,すなわち個物であるということになります。つまりある人間の精神の現実的有を構成する観念の対象は,現実的に存在する個物なのです。よって人間の精神を構成する最初のものは,現実的に存在する個物の観念であるということになるでしょう。
 いってみればこの証明は,第二部定理一一に関する平行論的証明であるといえるでしょう。ここではそれを追求はしませんが,スピノザがこの定理の論証においてこうした方法を採用しなかったことにも,あるいは何らかの理由があったのかもしれません。
コメント
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