スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

不沈艦&証明の前提

2012-09-01 18:38:41 | NOAH
 超獣のベストパートナーはだれであったかと問われれば,多くのプロレスファンは不沈艦と呼ばれたスタン・ハンセンの名前を上げるのではないかと思いますし,僕もそうであったと思っています。ブロディはエゴイズムの塊のようなレスラーであり,そのためにパートナーに求めるものも大きかったのではないかと思いますが,ハンセンとブロディのチームはかなりスムーズに機能していました。おそらくブロディの中にも,ハンセンに関しては認める部分が少なくなかったからではないかと思います。
 僕のプロレスキャリアがスタートする本当に最初の頃,田園コロシアムでのハンセンとアンドレ・ザ・ジャイアントとのシングルマッチをテレビで見ました。当時の新日本プロレスは年末はMSGタッグリーグというシリーズを開催するのが恒例となっていて,この年の暮にはハンセンはディック・マードックとのコンビでこのシリーズに出場。しかしその直後に黒い呪術師の引き抜きへの報復の第二弾として,全日本プロレスがハンセンと契約。翌年からハンセンは全日本のマットを主戦場とするようになり,以後,スポット参戦を除けば日本では全日本プロレスだけで戦い抜いて引退しました。したがって,僕が知っているハンセンは,そのすべてが全日本で戦っていたハンセンであるといって過言ではありません。
 馬場はハンセンに関しては,ブロディよりはセオリーに従う部分があったといっているわけですが,それでも自分とは明らかに異なったタイプのプロレスをするレスラーであると考えていたのは間違いないでしょう。ただ,レスラーとして評価していなかったのかといえば絶対にそんなことはなく,むしろかなり高く評価していたように思われます。というのは,同じように引き抜いたインドの狂虎とは,なかなかシングルで対戦しようとはしませんでしたが,ハンセンとは,全日本初登場となったシリーズの最終戦で,早くもシングルで対戦しているからです。これは少なくとも,馬場がシンよりはハンセンの方が,自分のライバルに相応しい選手であると考えていたことの証明だと思います。
 また馬場は,全日本プロレスへの貢献という面では,ブロディよりハンセンの方が上だったといっています。こちらはプロモーターとしてもハンセンのことを高く評価していたという証明だといえるでしょう。

 まず考察の手始めとして,第二部定理一二を証明しておきたいのですが,このこと自体のうちにすでに考察の対象となる問題が含まれています。ですので先にその点を明示しておくということにします。
 すでに説明したように,第二部定理一二というのは,第二部定理九系から直接的に帰結しなければならないというのが僕の考え方です。第二部定理九系で一般的にいわれていることが,第二部定理一二においては具体的に示されているということの意味はそういうことだからです。ところが,第二部定理一二がそのような仕方で証明されなければならないということのうちに,少なくとも今回の考察の対象としなければならない問題の一部が,すでに含まれてしまっているのです。これは要するに,第二部定理九系というのがある何らかの問題を抱えているがゆえに,その系Corollariumから直接的に帰結しなければならない第二部定理一二にも,同じような問題が波及してしまっているということです。ただし,この波及の仕方というのを説明するためには,第二部定理一二というのがいかなる仕方で証明されるのかということを説明しなければならず,結局のところこれは解決不能なトートロジーに陥ってしまいます。
 そこで,ここではまず,第二部定理一二の証明Demonstratioの前提として,第二部定理九系にある限定determinatioを与えておくことにします。すなわちそれは,第二部定理九系の証明に関係するような限定です。いい換えれば,僕の考え方からして,第二部定理九系というのが正しいということを前提としなければ,第二部定理一二というのはそれが正しいということを証明のしようがありませんので,第二部定理九系というのが,いかなる意味において正しいといい得るのかということについて,暫定的に決定しておくということです。
 これはすでに前回の考察の中で指摘したことですが,僕は第二部定理九系というのは,第二部定理七を援用するような平行論的証明によって証明が可能であると考えています。一方,スピノザ自身はその訴訟過程の最後の部分で,このことにも言及してはいますが,因果論的迂回を経た後にそうしています。そしてその迂回の理由は,おそらくスピノザは,むしろこの系は,個物res singularisの観念ideaの原因と結果の無限連鎖を示した第二部定理九から直接的に帰結すると考えていたからでしょう。このこと自体はまた後に考え直しますが,とりあえずここでは,この系が平行論的証明のみによって証明されるものと暫定的に考えておくことにします。
コメント
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