スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

花月園記念&感情の模倣

2007-11-27 19:02:03 | 競輪
 25日に決勝が争われた花月園記念。北日本が別ラインのレースとなり,小細工なしの力と力の対決になりました。
 山田選手がSを取って村上選手の前受け。3番手に佐藤選手,6番手に山崎選手で周回。
 残り2周のホームで山崎選手が上昇。このとき番手は小野選手でしたが,小橋選手が外から追い上げ。この追い上げに佐藤選手が乗るような形となり,そのまま一気に山崎選手を叩きました。村上選手も仕掛けていく構えを見せましたが,佐藤選手は譲らず打鐘から先行。村上選手が4番手に入り,山崎選手は6番手。中団の村上選手がバックから捲っていきましたが,有坂選手のブロックもあり,2番手で併走するような形。この隊列が短くなったところを後方から山崎選手が一気に発進し,直線も山おろしをかけるような形で抜け出して優勝。逃げた佐藤選手が2着に粘り,このライン3番手から有坂選手を差した中村選手が3着に入りました。
 優勝した福島の山崎芳仁選手は8月のいわき平記念以来の記念競輪制覇。展開のあやで後方からの捲りになりましたがやはり強いです。後ろからになっても小野選手も小橋選手も切り替えなかったのは,追込み選手としての両者の意地という面もあるのでしょうが,やはり山崎選手が強いということの証明ではないでしょうか。
 しかし打鐘から先行して2着に粘った佐藤選手もさすが。しばらくはこのふたりには逆らえそうもありません。

 明日は大井でハイセイコー記念。ここはニックバニヤン◎,コラボスフィーダ○,ヴァイタルシーズ▲の3頭が有力でしょうか。ほかではジェイドファスト△とパワフルダンディー△。

 明日から竜王戦七番勝負第五局が始まります。せっかくの七番勝負なのですからここはなにがなんでも佐藤二冠に勝ってほしいところです。

 憐憫commiseratioの定義Definitioというのは第三部諸感情の定義一八の通りです。ところで,この憐憫という感情affectusは,スピノザの感情論というのを論理的に示すための特徴のひとつといえる,感情の模倣affectum imitatioという考え方と大きく関係しています。実際にスピノザ自身が,第三部定理二七の備考Scholiumにおいて,感情の模倣ということが悲しみtristitiaに関係して人間のうちに生じるのであれば,それが憐憫という感情であるという意味のことをいっています。
 感情の模倣というのは,文字通りに,他者の感情を模倣することです。もちろん模倣といっても,意図的に真似るというわけではありません。ここでは人間の感情について考えることが目的ですので人間にのみ関連して説明しますが,僕たちが僕たち自身以外のだれかを表象し,さらにその表象したその人がある感情を抱いていると表象するimaginari場合に,まさにそうした表象imaginatioのゆえに自分自身もそれと同じ感情を抱くようになるとき,それは感情の模倣といわれます。
 僕たちがある人間を愛している場合,こうした感情の模倣というのは頻繁に生じます。また愛amorという感情についてはそれを抱いていない場合でも,憎しみodiumという感情を抱いていないのであればやはり生じることがあります。これは僕たち自身が経験的によく知っていることではないかと思います。本来は,こうした感情の模倣というのがいかにして生じるかも説明するべきかもしれませんが,ここでは経験的に明らかであるとだけしておきます。愛する対象の場合には第三部定理二一で詳しく説明されていますので,興味があれば『エチカ』をお読みになってください。
 
コメント
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