裁判員裁判制度導入で先週末初めての判決が言い渡された。求刑の8掛け相場が崩れたことは市民感覚が反映された結果だろう。今回の審理では極力生の写真を証拠提出せず、CGが多用されたようだが、それでも不可欠な司法解剖の写真を見ざるを得ない。モニターから目を逸らす裁判員もいたようだ。当然だ。そこにあるのは、言語に絶する非日常。この本でとりあげる、北九州で7人を監禁殺害した事件は、凄惨な殺害方法、そして猟奇的な遺体の処理など、いくらCGを取り入れたにしても、一般市民が耐えられる範囲を明らかに超えている。導入されたばかりの制度、まだまだ問題がある。