自由民主党総裁の席に座る破顔した石ちゃん。後ろの棚には米マリンからプレゼントされたチタン合金でできたオスプレイの模型、コレクションの中で最もお気に入りの品。それもそのはず100機限定で製作されたものでシリアルは2/100と刻まれている。もちろん1/100はホワイトハウスのオバマのもとに。棚にはその他に 国防軍の戦闘機やイージス艦の模型が並ぶ。その中に空母に見えなくもない艦船も映し出される。だが、ピントが微妙にずれ判断することができない。しかし、すぐさま中国側は「明らかに空母で、日本が空母を持つ願望を表したもの。つまり覇権国家を目指そうとしている」と過敏に反応する。餌に食いついた石ちゃんは、感情が抜かれた顔で「空母を保有することは、日本国憲法の専守防衛と戦力の不保持の原則に背くとした政府見解は、あくまでも他国への航空兵力の展開が前提の場合のみに限られている。しかし、広域な日本の領土を防衛するために、空母を保持することは、これは政府見解、あるいは憲法にも全く抵触しない。現状を見れば、日本への領海侵犯は頻繁に行われている。国家の主権をかけこれを阻止しなければならないが、海上保安庁と海上自衛隊の現有艦船だけで領海を守りきることは、事実上不可能になっている。また隣国は先日空母を就役させ、この海域のパワーバランスは著しく崩れてしまった。仮に、仮にではあるが我が国が空母を保持したとしても、これは専守防衛のための戦力であり、どの国家からも干渉を受ける類のものではない。選択肢として存在することは否定はしない」――こんな夢想があった。
石ちゃんは地方票の過半数を獲得したが、決選投票では安倍ちゃんに議員票が大きく流れ、眼前にあった総裁の座ははかなく消えた。そうかあの時蒔いた再チャレンジの種、自分のためだったとは―と臍をかむ石ちゃんだった。
石ちゃんは地方票の過半数を獲得したが、決選投票では安倍ちゃんに議員票が大きく流れ、眼前にあった総裁の座ははかなく消えた。そうかあの時蒔いた再チャレンジの種、自分のためだったとは―と臍をかむ石ちゃんだった。