奇遇だったのは筆者の佐藤氏が諜報活動を行っていたまさにその時期に小生もロシアを訪れていた事でした。91年8月、ゴルバチョフが監禁幽閉され、ロシアホワイトハウスが軍によって包囲された政情不安なときにモスクワ、そして黒海周辺を社業により出張していました。モスクワで宿泊したホテルはホワイトハウス、クレムリンを見渡せるホテルウクライナでしたし、日本大使館にも何度も顔を出しました、したがって彼とのニアミスもあったのでしょう。さて内容ですが、一外交官がここまで他国の政治中枢に入り込んで情報を得ていたとことに驚かされます。海外で独自の諜報網を持たない日本では大使館の専門官がこの任にあたっているとは聞いていましたが、最前線で働く外交官がいったい何をしているのか、またソ連邦が崩壊していく中で、日本の外交官が果たした役割を克明に記した第一級の史料といっても過言ではありません。是非読んでいただきたい一冊です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/0c/59c2d2ea6be4a6c1da9afed950daa7a1.jpg)
(写真はゴルバチョフが監禁されていた別荘・小生が撮影)