本の紹介

「早く被告を社会に出して、私の手の届くところにおいて欲しい。私がこの手で殺します」。記者会見で一審判決の不当性を鬼気迫る表情で訴える本村洋さんの姿に眉をしかめた視聴者も多かったはずだ。しかし尋常ならざる犯行の詳細が報道されはじめると被害者家族以上に国民の間に憎悪が渦巻いていった。その感情が増幅しついには硬直化、官僚化した司法も動かす結果になった。司法が独占する刑罰権は、被害者の応報、処罰感情も考慮し下されるものであるばかりか、犯罪の抑止力そして社会正義構築の根幹でなければならない。しかし犯罪の態様はわれわれの予測をはるかに超える速度で変化している。この事態に司法は明らかに遅れをとっている。頻発する無差別を対象にした殺傷事件は背景に被害者に対する怨恨などない。反社会的行為として確信的行われている。これを無責任な判例偏重主義で片付けることは犯罪を増長を生む結果にしかならない。厳罰化や極刑が抑止力にはならないという主張もある。だが被害者が加害者になる最悪の機会は抑止できる。

祝500

約3年今日でちょうど500本目。当初は稽古中心にした構成だったがさすがにそれだけでは手詰まり、本、そして日常を題材に加えたがよくも適当に書いてきたものだ。そして駄文に付き合っていただいて感謝しています。これからも嘘をつき続けます。よろしく！！

サザン

カラオケは歌わない。そもそもカラオケのある店に到達できない。居酒屋のはしごでしかも大通り以北で完結するからだ。とはいえ付き合いでそのような店で歌わなくてはならない状況もある。音程を外さず歌える曲は戦前(湾岸戦争)前のものに限られる。先日の送別会で若ぶりルーキーズの主題歌「キセキ」を歌ったがたぶん酔客の失笑を買ったのだろう。サザンは少ないレパートリーの中で唯一まともに歌えると思っている。
　78年「勝手にシンドバッド」でデビューしたサザンオールスターズは当初色物をして扱われた。しかしファーストアルバム「熱い胸騒ぎ」を聴いた瞬間、ポップス史を変える存在になると確信した。「あなた悲しや天ぷら屋、だけども素肌負けないでBABY」(今宵あなたに）「小粋な言葉はいらないけれど、夢から覚めずにいたいだけ、お熱いのがすき」(恋はお熱く）「女はチョイトいやなんて言わねえさ」（女呼んでブギ）。歌詞よりもリズムを重視しながら、時に軽妙なフレーズをちりばめる。その才能は当時数々のCMを手がけ飛ぶ鳥を落とす勢いだった糸井重里氏に「桑田がコピーライターになったらわれわれは廃業だ」と言わしめさせたほどだ。札幌での初コンサートは道新ホールで行われたが完成度はかなり高いと感じた。それもそのはず、アマ当時から桑田圭祐の名はかなり有名だったようだ。79年「いとしのエリー」は72万枚を売り上げるヒットになり、ミュージシャンとしての地位を確固たるものにした。00年にリリースされた「TSUNAMI」は300万枚に迫る空前のセールスを記録した。デビューから30年目を迎えた5月、突然無期限活動停止の発表。ファンにも大きな衝撃を与えたばかりか、所属する事務所の株も急落、一バンドの動向が株価全体に影響を及ぼした結果になった。ストーンズやベンチャーズが小銭を稼ぎに来日公演姿はあまり見たくはないが、活動していなくとも名前があるだけで安心できる存在もある。「そんな気持ちがちょっとだけ、街を今夜も通りゆく…別れ話は最後に」（別れ話は最後に）にはして欲しくない。

本の紹介

昨日の夕刊に旧橋本派政治団体、平成研究会の一億円政治資金規正法違反で元官房長官村岡兼造氏に禁固10ヶ月執行猶予3年の二審判決が確定したと記事が載った。氏もまた事件を検察が作り上げたものだと無罪を主張していた。ここ数年、検察、裁判所に対する疑惑と失望感は膨らむ一方だ。鹿児島県志布志市の公選法容疑で長期間拘留された市議と有権者に対する警察の陵虐、加担した検察、保釈請求を許可しなかった裁判所の無能ぶりは記憶に新しいところだ。また上記村岡氏の裁判にしても証人の証言は疑わしいとして一審では無罪を勝ち取っていながら、二審では十分な審議を行わないまま逆転有罪判決を受けた。行政機関のひとつである検察に変化を求めることは不可能に近い。またそれを追認する司法には絶望するしかない。しかし記者クラブ制度に依存し、警察、検察の情報を精査しないばかりか、むしろ拡大し既成事実化するマスコミにも責任の一端があることは確か。これらの病巣を司法制度改革でも完全に摘出することは困難。

未病

縄文期の平均寿命は20歳ほどだったと言われる。15歳との研究報告もある。江戸期に入っても大きな変化は見られない。2007年厚労省の白書ではで日本人の平均寿命は80歳を超えている。飛躍的に伸びた原因は乳幼児の死亡率の減少と栄養状態が改善されたためといわれる。
　一方でたかが数千年の間に当時の100世代分の進化が停滞したことになる。これでは肉体がついていけるわけがない。アルツハイマー型認知症の原因であるβアミロイドも江戸期ではそう問題にはならなかったのだろう。同輩の多くも持病の一つや二つを持っている。かく言う小生も薬を手放せない。
　だるい、調子が悪いなど本人にしか分からず、数値で表すことができない症状を西洋医学では異常視しないが、東洋医学では「未病」というそうだ。日本未病システム学会ではこれを発病の前段と定義し、この段階での治療が必要と主張する。だるさが何日も続けば、あるいは酷い肩凝りに悩まされるようであれば「未病」なのかもしれない。それよりまだましだが、ちょっとやばいかな？というのは「微妙」と呼ぶのか。

皮膚科

数年前から皮膚乾燥で通院している。同年代の男性担当医からは「体を強く洗ってはだめ。顔はTゾーンだけを洗う。リンスを多めに使い頭皮にも潤いを与える」。とアドバイスを受けた。そもそも体はゴシゴシ赤くなるまで洗わないと気が済まなかったし、リンスどころか風呂上りにドライヤーもかけたことがないガテン系で粗野な性格のため、まどろっこしい作業はついついさぼりがちになる。医師曰く、「皮膚は内部組織、内臓から外を隔てるためにある。細菌やウイルスあるいは紫外線などの生物にとって有害な物の侵入を阻止する役目。その皮膚が正常な状態を保てないと内部に悪影響を与える」。なるほど。さらに「長時間の屋外作業をするときはUVカットを怠らないこと」。はいはい。作業ではないが、週に一度5時間ほどは嬉々として炎天下に居続けるため、その際には気をつけます。もうひとつ忠告があった「過度のアルコール摂取も乾燥を招く」。「適量を頂戴しています」と答えた。

本の紹介

「環境に適応できなければ子孫を残さない…（ことが）自然淘汰の原理。でも現代社会では…遺伝子を次世代に引き継ぐ機会が与えられなかった人でも子孫を残すことができる」現在の医療を否定している訳ではない。また狭隘なヒューマニズムの迷路に誘い込んでいることもない。著者はこの現象を自分たちのしていることを十分に認識しなければならないとした上で「(これは）自然淘汰の原理に反している。…この意味で人間はすでに進化を止めたと言っていい」と語る。進化のスケールから見ると、人間が環境をある程度コントロールできるようになった100年は比較に値できないわずかな時間ではあるが、確かにこのまま続いていけば進化の原理から取り残されていくことは間違いないだろう。

審判講習会

日曜日に行われた審判講習会、全道から約50名もの指導員や責任者が受講した。今回はAEDの使用方法の講義などあり、濃い内容になった。午後からは実地講習と交流大会。思わず声が出てしまうような見事な連続技を繰り出す小学校低学年や、腰がのり切れのある蹴りを決める選手など見られ、興奮半分、ジャッジ半分。10月恵庭で行われる大会にはぜひ参加を。

after summit

驚かされたのはウインザーホテル周辺で発生した電波の混乱。携帯電話が突然つながらなくなったり、業務用無線の混信が起こった。臨時設営された防空用のレーダーがその原因ではないかといわれたが定かではない。テロの情報がペンタゴンに入るとGPSが機能しなくなることがある。意図的に偽情報が発信されるためだ。今回もその類なのだろう。立ち入り禁止区域の山中には屈強な米特殊部隊が期間中配備され侵入者を葬り去ると冗談も聞かれたが、自衛隊を潜伏させていたことは確か。もうひとつ、不測の事態に備えて大統領専用車両をどうやらホテルに待機させていたようなのだ。BC兵器やRPG-7にも対応できるといわれる車だ。搬送手段は明らかではないが、厳密に言うと運行には申請が必要。千歳からホテルへ米軍ヘリで移動した際にも民間航空機のダイヤが乱れた。自衛隊ヘリならまだ理解できる。はたして主権国家とは…と考えさせられてしまう。とにかく終わった。支社からの応援組も帰路につき、今は一抹の寂しさを感じる。「もう帰ろうもう帰ってしまおう、寝静まった街を抜けて」（祭りのあと・吉田拓郎）ってところか。

サミット⑤

各国政府関係者、報道関係者に配られたサミットの記念腕時計（エコドライブ）。そのかず数千個とも。シチズンは環境対策先進企業だとの印象を各国に十分与えることができたようだ。しびれる仕事も今日で終了。小生のセクションだけでも一日の交通費（タクシー代が）１００万を超えた。前取材も含めると一千万近い金額になる。地元に与えた経済効果も計り知れない。残念だったのは天気。首脳の背景にもう少し鮮やかな洞爺が映れば観光地として世界にアピールできたのだが。

サミット④

アウトリーチ国の首脳の多くが今日札幌入りするため幹線道路、市内中心部は大渋滞。高速道の上も超低空飛行のヘリで監視態勢を敷いている。高速道を跨ぐ橋梁もチェックの対象。厳戒態勢とはまさにこのこと。
　沖縄県警見つけたり。中心部にたくさんいました。(終了まで記事が薄くなります、ご容赦を）

サミット③

今日から大量投入されるサミット取材部隊の壮行会で痛飲。回った３軒はすべて居酒屋。見事なほどのオヤジ飲みでした。

サミット②

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　写真＝洞爺湖を望む

今日本で犯罪発生率が最も低いところは間違いなく留寿都村と洞爺湖町。多分住民以上の警察官が配備されているはず。各都府県警察からの応援車両で最も遠くから派遣されていたのは福岡県警。以前の国内開催地沖縄県警も来ていると思うのだがどうも見つからない。社内で誰が始めて見つけるか密かな、そしてくだらない賭けをしている。直前に迫り要人警護の車列を組む訓練はまさしく西部警察を見ているようだ。覆面車両もランクルやエクストレイルなど始めてみる車種もある。H&K MP5で完全武装したSATの隊員が乗り組んでいるに違いない。職務質問も厳しいようだ。小生は上品な顔立ちのせいかあまり不快な思いを受けたことがないが、大きな荷物を背負うカメラマンはバッグの底まで確認されているようだ。今日と明日は各国首脳車列リハーサルのため札幌市内、高速道路が断続的に通行止めになる。いよいよである。

本の紹介

ロッキード事件で最高裁はいたずらに判決を先延ばしし、結果被告人の田中元首相は死亡し裁判は終了、公訴棄却になった。これによって懲役4年の実刑判決、5億の追徴金を下した高裁の有罪判決も執行されることはなくなった。国策捜査ならぬ国策裁判そのものである。タレントの向井亜紀さんと総統との間で人工授精で生まれた子供を日本の裁判所は実子と認めていない。代理母出産だったためである。100％両親のDNAを受け継ぐこの子供の親はいったい誰になるのか。時代の変化に対応しきれない、また国の体制を維持するための裁判。司法制度改革によりわずかな変化はあるものの根本は変わりようがない。