しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

日本沈没

2006年07月17日 03時20分25秒 | 作品名(な行)
第54回「ヒーローは1人や2人ではない。」

言いたい事が多すぎて何から話せばいいのか困っています。わざわざ日曜日の夜に出かけて行って観た映画だったのに、なんだか心の隅に沸き起こるモヤモヤを処理できずに、このブログを書いています。今夜は「日本沈没」を観てきました。

もう何度も言ってますが、「パニック映画」大好きな私としては、日本のSF作家の第一人者である小松左京の原作の映画となれば、観ない訳にはいかないでしょう。なので、映画化が決まった時から楽しみにしていたのです。
あくまで個人的な意見なのですが、パニック映画には「個」は必要ないと思っているのです。つまり誰か1人にスポットを当てて、その人の周りの出来事だけを追いかけると、それはパニック映画ではないと思うのです。パニック映画での出来事はその物語に登場する全ての人間に降りかかります。だから1人にスポットを当てると、起こっている出来事は大きいのに、ストーリーがものすごく小さい視点から描かれることになり、こじんまりした印象を受けることになるのです。この作品はまさにそんな感じの作品になっていました。

主人公である小野寺俊夫と阿部玲子の周りで起こる出来事のみが中心になり過ぎて、お話がものすごく小さな出来事のような感じがしてしまいました。もちろん、主人公なのだからストーリーの中心になるのは当たり前なのですが、だったらもっと小野寺の心の動きを、きちんと描いて欲しかったですね。あれでは小野寺が決断に至る理由みたいなものがまったく見えないまま、最期を迎えてしまったような気がするのです。簡単に選べる決断ではないのだから、余計に決断する為の出来事が描かれている必要があるのでは?

未曾有の大惨事の中なのに、小野寺がコロコロと色んなところに現れては、会話をしていくのは、「大混乱なはずなのに、どうしてこんなに簡単に移動できるんだろう?」と考えてしまいました。ストーリーを進める為にあまりにご都合主義な展開が多過ぎたような気がします。

津田寛治、木村多江、大倉孝二など、素敵な俳優さんが出ていたのに、扱いがあまりにも小さいのはとても残念でした。正直、津田さんと木村さんにはパンフレットを見るまで出演していることすら、気がつきませんでした。彼らにもっとスポットを当てれば、もっと深みのある作品になったと思います。

やはり、パニック映画とは解決した人間だけがヒーローになるのではなく、それに遭遇した人たち全てに対する賛辞でなければと思います。点数は★★☆☆☆です。

日本が沈没していく様子を描いたVFXは見事でした。それを観られただけでも良かったのかも。この作品、やはり2時間では無理があったのでは?

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草ナギ剛,柴咲コウ,豊川悦司,大地真央,及川光博
ジェネオン エンタテインメント


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コメント (1)
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