晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『愛する時と死する時』 85点

2011-02-21 13:22:31 | 外国映画 1946~59

愛する時と死する時

1958年/アメリカ

D・サークが息子に捧げたメロドラマの傑作

プロフィール画像

shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆85点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆90点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆85点

「西部戦線異状なし」のエリッヒ・マリア・レマルクの原作を、巨匠ダグラス・サークがロシア戦線へ出兵した亡き独り息子へ捧げたラブ・ストーリー。
ドイツ軍がロシア戦線で敗退し始めた第2次世界大戦末期。若き兵士エルンストが2年振り3週間の休暇で知った故郷は、想像を超えた悲惨な情景だった。実家は焼け両親は行方不明で尋ね歩くうち医師の娘エリザベスと出逢う。
製作はD・サークがアメリカへ亡命中の’58で台詞は全て英語だが、ロケは当時の西ドイツ・ベルリン。原作者のレマルクが全般をサポートしただけあって、悲惨な戦争で人々がどのような想いで過ごしたがしっかりと描かれていて、単なる甘いラブ・ストーリーではない。自身も教え子であった牛乳屋の息子でナチ親衛隊幹部に監視を受ける教授役として出演もしている。
上司の命令なら民間人を殺すことを拒めない悩みを抱えながら、ヒトを愛することを知った若き兵士・エルンスト。反戦を訴えた父親を失い愛する人を得ながら再び戦場へ送りだす若い妻・エリザベス。とても過酷な環境で得た幸せは何事にも代えられない。エルンストを演じたジョン・ギャビンとエリザベスを演じたリゼロッテ・パルヴァー。主演の2人はあまり名前を聞かないが、この作品にぴったりでもっと評価が高くても良い。公開時アメリカでは評価が低かったらしいが、立派な反戦映画でもあり、ゴダールが絶賛しただけあって、究極の人間ドラマでもある。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿