晴れ、ときどき映画三昧

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「世界の果ての通学路」(12・仏)70点

2015-08-04 10:04:08 |  (欧州・アジア他) 2010~15

 ・ 子供たちには、素直に感じてもらいたい映画。

                   

  「マサイ」(03)で部族の伝説を映画化したフランス・ドキュメンタリー監督、パスカル・プリッソンが、4か国・4人の子供たちを主人公に通学する姿を追ったドキュメンタリー。

 ケニアのジャクソン(11歳)は、6歳の妹サロメを連れて象やキリンなど野生動物がいるサバンナ片道15キロを2時間かけて通学する。

 アルゼンチンのカルロス(11歳)はアンデス山脈のペタゴニアの山々や草原を馬で駆け抜ける。5歳下の妹ミカイラも一緒で片道18キロを2時間半の道のりだ。

 モロッコのザヒラ(12歳)はアトラス山脈の辺境の村で育ったベルベル人。毎週月曜の朝友達2人と合流し片道22キロを4時間かけ、全寮制の学校へ向かう。


 インドのサミュエル(13歳)は南部ベンガル湾の漁村に未熟児で生まれ足に障害を持ち、オンボロの自家製車椅子を弟2人に押してもらい4キロを通学している。

 4人にはそれぞれパイロット、獣医、医師になるという将来の夢があって、決して恵まれた環境ではない家庭事情を乗り越え、学校へ行くことをとても前向きに取り組んでいる。

 少し出来過ぎで、何か演出過多では?と疑うのは筆者も含めての大人たち。映画化にあたって監督は、教育関連問題に取り組む国際組織<エッド・エ・アクション>に委託、60件ほどの情報を入手。

 中から、夢をかなえるために頑張っている子供たちを主題に4件を選定、10日間一緒に暮らしてロケハンしている。 本番ではスタッフを最小限に抑え、移動カメラを多用してひとり12日間で撮り終えたという。

 辺境の地ならではの貧困・女子の教育認識の低さ・身体障害車への置き去りなどハンデを乗り越えるモチベーションの高さを画面から感じる。

 それが映画として成立するかどうかの編集的な事情の範囲は許容して、ヤラセではないことを信じたい。

 <学校へ行って勉強することは、夢をかなえるためには素晴らしいことだ>という子供たちに、明るい未来を託す家族の想い同様、願ってやまない。


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