晴れ、ときどき映画三昧

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「家族ゲーム」(83・日) 60点

2016-03-11 17:06:21 | 日本映画 1980~99(昭和55~平成11) 
 ・ 80年代、家族の在り方を問題提起したブラック・ユーモア。

                   

 本間洋平の原作を森田芳光が監督・脚本化した話題作。バックに音楽を一切使わず、SEだけで臨場感を出したり、家族の食卓はいつも<最後の晩餐>のような横一列など、ユニークな表現法で度肝を抜いた。

 ウォーター・フロントの高層マンションといっても、何となくアパートのような建屋に住むサラリーマン一家。

 父親(伊丹十三)はいつも仕事にカマケテ、子供たちのことは妻に任せっきり。母親(由紀さおり)は専業主婦で家を離れることなく、息子2人の心配ばかり。

 兄(辻田順一)は名門高校に合格したが、やりたいことがあり学校も休みがち。弟は中学3年生で成績は下から9番目のいじめられっ子。

 そんな弟・茂之(宮川一朗太)に家庭教師・吉本(松田優作)がついた。

 ドラマは茂之と吉本の可笑しな絡みを中心に、当時中流家庭といわれる普通の家族が如何に表層的で自分のこと以外興味関心を持っていないかを、コミカルに誇張して描いている。

 森田監督は若手のホープとして注目を浴びていた。本作で邦画界を牽引する監督として期待されたが、惜しくも11年61歳で亡くなりこれが代表作となった。

 筆者にとって、三谷幸喜と並んで肌が合わない人で、才能は認めるが劇場で観たいとは思わない監督なので、どうしても粗探しになるため長文は控えたい。

 巷間高評価の食卓シーンも単なる悪ふざけにしか見えなかったし、名ラストシーンも技巧的に走り過ぎた気がした。

 この年を代表する邦画の名作をこれ以上けなすのは控えよう。故・森田監督、松田優作、伊丹十三に合掌!

 


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