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「誰が為に鐘が鳴る」(43・米) 60点

2016-03-13 18:20:49 | 外国映画 1945以前 
 ・ スペイン内戦を背景にしたメロドラマは、第二次大戦中に製作された。

                    

 アメリカの文豪アーネスト・ヘミングウェイの長編小説を、「打撃王」(42)のサム・ウッド監督、「駅馬車」(39)のダドリー・ニコルズが脚色した、スペイン内戦を背景とした戦争ドラマ。

 ’30年代後半、米国の教授ロバート・ジョーダン(ゲイリー・クーパー)は、スペイン人民戦線派を応援する国際義勇軍に参加していた。

 フランコ軍補給路である北部峡谷に架かる橋の爆破命令を受け、同志でジプシーのアンセルモを連れて山間に向かう。そこに潜むゲリラの元闘士・パブロに協力を仰ぐが、そのゲリラたちの食事世話係にマリア(イングリッド・バーグマン)がいた。

 一瞬でローバートとマリアは恋に落ちる。

 鉄橋爆破の期限は3日後未明という緊迫感の中でゲリラたちの内部分裂の様子が描かれているが、本作最大の見所はロバートとマリアのラブ・ロマンスの行方。

 「キスのとき鼻が邪魔?」という有名なシークエンスも、スター2人によるアップ多用が為せる業。

 国際義勇軍に参加した経験をもとに40年に出版した原作者のヘミングウェイは、政治的描写が殆ど描かれずヒタスラ2人のラブストーリーに焦点が当たった映画化に不満があったようだ。

 I・バーグマンは気合充分の熱演だったが、筆者には本人の意向とは裏腹に、「カサブランカ」(42)のほうが数段美しく出来も好ましく映った。
 
 著名な原作を優れたスタッフ・有名なスター俳優を起用したカラー作品は、オスカー9部門にノミネートされた。
 
 しかし受賞したのはゲリラの妻ピラー役のカティナ・パクシノウの助演女優賞だけだったのが本作を象徴している。

 だが、第二次大戦中にこのような映画を製作したハリウッドの底力を感じさせる作品であった。
 


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