昨日は、程よい熱さ加減の身体で(胃痛は治らず)
ベッドに横たわりながら、ウルウルした眼で
本を読んでいました。
私にとっては、ある意味「幸せな時間と空間」です。
狼たちの月 フリオ・リャマサーレス(著)
この本は、作者の初めての長編小説(1985年)
(日本での発行は昨年12月)
ピカソのゲルニカに描かれたようなことが、
バスクや他の地方でもあったのです。
時代は1937年の内乱後のこと。
スペインのアストウリアス地方での人民戦線派への
すさまじい弾圧のなか、険しい山岳地帯に
逃げ込まざるを得ず、生き延びる為だけに生きた
名もない人達とそれを支えた家族の約9年間を、
年代順に、4部に分けて描かれた
まるで静かに記憶をたどるような小説。
スペイン内戦、フランコ軍による執拗な追求、弾圧、
欧州各国の利害による不干渉または軍事援助など、
一市民にとってはどうしようもない絶望的な状況。
山の洞窟に隠れ、昼は息を潜め、夜に活動し、
まるで害獣のように逃げ回る極限の男達。
読み進めると陰鬱になるかな~?と思いつつ読んだが、
心配は全く杞憂に終わった。
不思議と、清冽な文章で、清々しささへ残る。
上質な小説です。
これは、きっと、翻訳も素晴しいのだと思う。
「ほら、月が出ているだろう。
あれは死者たちの太陽なんだよ」
と、主人公のアンヘルの父が語るシーンがあるが、
なんて悲しいんだろう・・・。
「月」を見て感じる言葉として、私なんかの理解を
超えている。
最後の解説で、訳者の木村栄一氏がスペイン滞在中に
書店関係の、知人の集まりでの会話を書いているのだが、
これがまた、料理でいうなら欧州の珍味満載!
ヨーロッパの歴史の抱える闇の深さを知ることが
出来る貴重な会話なんです。
これだけでも読む価値あり。
わがまま母
ベッドに横たわりながら、ウルウルした眼で
本を読んでいました。
私にとっては、ある意味「幸せな時間と空間」です。
狼たちの月 フリオ・リャマサーレス(著)
この本は、作者の初めての長編小説(1985年)
(日本での発行は昨年12月)
ピカソのゲルニカに描かれたようなことが、
バスクや他の地方でもあったのです。
時代は1937年の内乱後のこと。
スペインのアストウリアス地方での人民戦線派への
すさまじい弾圧のなか、険しい山岳地帯に
逃げ込まざるを得ず、生き延びる為だけに生きた
名もない人達とそれを支えた家族の約9年間を、
年代順に、4部に分けて描かれた
まるで静かに記憶をたどるような小説。
スペイン内戦、フランコ軍による執拗な追求、弾圧、
欧州各国の利害による不干渉または軍事援助など、
一市民にとってはどうしようもない絶望的な状況。
山の洞窟に隠れ、昼は息を潜め、夜に活動し、
まるで害獣のように逃げ回る極限の男達。
読み進めると陰鬱になるかな~?と思いつつ読んだが、
心配は全く杞憂に終わった。
不思議と、清冽な文章で、清々しささへ残る。
上質な小説です。
これは、きっと、翻訳も素晴しいのだと思う。
「ほら、月が出ているだろう。
あれは死者たちの太陽なんだよ」
と、主人公のアンヘルの父が語るシーンがあるが、
なんて悲しいんだろう・・・。
「月」を見て感じる言葉として、私なんかの理解を
超えている。
最後の解説で、訳者の木村栄一氏がスペイン滞在中に
書店関係の、知人の集まりでの会話を書いているのだが、
これがまた、料理でいうなら欧州の珍味満載!
ヨーロッパの歴史の抱える闇の深さを知ることが
出来る貴重な会話なんです。
これだけでも読む価値あり。
わがまま母