遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

これでよろしくて?

2010年09月15日 11時18分36秒 | 読書
              これでよろしくて?     川上弘美(著)2009年9月発行

   『そうそう』『あるある』『そうかもね~』『へ~、そうなんだぁ』・・・
   声にはださないまでも、思わず頷いたり、クスリと笑ったり、一緒に悩んだり、
   考えたりしていしまう、チョッと年を重ねた女同士のガールズトーク!?
   
   『これでよろしくて?』は、女性数人で好きなように語り合う同好会の名称。
  
   主人公の上原菜月(うえはらなつき)は、38歳の主婦。
   夫との結婚生活は7年目で子供はいない。
   ある日、買い物途中で、結婚前に付き合っていた男「土井」の母に声をかけられ、
   気まずいながらも一緒にお茶を飲むことに。
   そこで、菜月は土井母に『これでよろしくて?同好会』と書かれた一枚のカードを
   手渡され「この会に参加してみない?」と誘われる。
   こうして、土井母との出会い、同好会入会をきっかけに、
   ごく平凡な主婦だった菜月の日常生活は少しづつ変化し始める。
   同好会の活動は、都合のつくメンバーが洋食屋に集まり、テーマを決めて
   自由に語り合う、というだけのもの。
   毎回違うテーマが選ばれ、馬鹿馬鹿しいテーマから笑えるテーマ、チョッとだけ深刻
   なテーマを元に意見を述べ合ったり聞いたりするだけなのだが、
   これがなかななか面白く、それぞれの意見も興味深いものがある。
   例えば、
   「女の子声」の使用期限はいつか、財布はなぜ太ってしまうのか、
   「いざという時のカレー頼み」はどれくらいの頻度で許されるのか、など
   とても身近な悩みともいえないものから、
   「息子の部屋を訪れたら息子ではなく彼の友人がいて、見知らぬ女の子と寝ていた
   場合どうすればいいのか」などという問題を、
   20代から60代までの女性数人が大真面目に語り合うのだから面白くないはずがない。
   真剣ながらもユーモラスでもあり、徐々に菜月の考え方にも変化が現れる。

   夫婦、嫁姑、兄弟、親子など、私達誰でもが抱える小さいながらも微妙な問題、
   日々、暮しのなかの闘い方を取り上げていて、その細やかな表現や指摘になるほど、
   と感心する。
   暮しのなかの闘い方は、人それぞれ、どうすればよいのか、何が勝利なのか、
   それはみんな一人ひとり違うわけで、でも、その中で、自分の立ち位置、
   考えを知るには、こうやって話し合うことが大切なのかもしれないなぁ。
   よく食べ、よく喋り、よく聴く、そんな女同士『これでよろしくて?同好会』に
   参加してみたくなった。
 
   人間関係の厄介さ、人生の複雑さ、にうんざりしたり途方に暮れるとき、
   こんな会で、色んな話を聞き、語り合うことによって、考え方に幅ができて、
   決断したり生きる意欲が湧いてきたりしそうです。
   
   少し前までは、井戸端会議や茶の間で近所の人や友人とのお茶飲みなど
   普通に毎日の生活にあったことだけれど、今はそういう機会がないからねぇ。
 
   ツイッターやメールにはない生の会話や心の触れ合いが必要なんだと思います。
   『これでよろしくて?同好会』ほんとにあったらいいのに・・・。


    わがまま母
   
  









コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スクール 火曜版 | トップ | 寝酒 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書」カテゴリの最新記事