氷山の南 池澤夏樹(著)2012年3月発行
北海道で育ちアイヌの血を継いでいる青年が主人公で、
南極に近い氷の世界を舞台に繰り広げられる冒険物語。
話は、オーストラリアの干ばつ対策、水資源として
大きな氷山を利用しようという計画があり、その為の調査、
実行する船に、オーストラリアの港から、
青年「ジン」が密航するところから始まる。
氷山をそのままの形で、オーストラリアまで運んで来るという
途方もないような事業を実験というより、実現可能にすべく、
多くの科学者、地質学者、船の専門家、パイロット、などと、
出資するアラビア協会の理事など、個性的なメンバーが揃う
船の中の生活と、「ジン」が密航するに到るまで経験や迷い、
そして密航後の「ジン」の成長、、、
読み応えがあり、とても面白い小説でした。
地球のこと、南極の歴史と現状、人種問題、利権問題、
ジンと同じ先住民としてのアボリジニとの交流、、、
厭きる暇なく物語が展開し、勉強にもなり考えさせられる
事も多く、日本の若者に読んで欲しいな、と思いました。
わがまま母