マルドゥック・スクランブル 沖方 丁(著)2009年9月発行
去年からずっと著者の『天地明察』を読みたかったのですが、
図書館では、村上春樹の『1Q84』と同じくらいの人気の500人待ち、、、。
諦めて「買って読もうかなぁ」と本屋さんをうろついていた秋の終り頃に
この本をみかけ、図書館で検索してみたら、
こちらは順番待ちも少なくすぐに借りられそうだったので、読んでみました。
『天地明察』とは全くジャンルがことなるSF小説で驚き!
この小説を元に漫画や映画も製作されていたんですねぇ、知りませんでした。
元々は、2003年に文庫の全三巻で出版されていたものを、
今回、大幅改訂し一冊にまとめられたものなので、
638頁と分厚く重たい本でした。
が、とても面白くて重さは気にせずサクサク読み進みました。
一瞬『歌うクジラ』なども思い出したのですが、
こちらも地球の近未来の世界を描いています。
最近、SF小説を読んでいると『いづれ、ほんとにこんな社会になるんだろうな~』
と漠然とですが想像することが多くなりました。
良いか悪いか、は別として現在の社会から未来を予想できる気がします。
特に、今の格差や貧困や争いの世の中を突き詰めてイメージしていけば、
こうなってしまうんだろうな、、、と想像するのは当然でしょう。
この小説には、主人公「バロット」や彼女を助ける「ドクター」や
彼女と一体化し共に闘う「ウフコック」等が異色の才能を発揮するし、
カジノの素晴しくカッコイイ女性ディーラー「ベル・ウィング」や
男性ディーラー「アシュレイ」の人間性が、救いとなっている。
小説として細かいことを言えば難もあるが、カジノシーンは圧巻だし
(カジノやゲームには無知でも楽しめた)、SFとしての装置も興味深く、
また、人間として考えさせられることも多く全体として面白かった。
因みに“マルドック”は“天国への階段”の意で、マルドック・シティが
小説の舞台となっている。
辛い過去をもち、車の中に閉じこめられたまま焼かれるという悲惨な状況で、
死んだほうがいい。
死にたくない。
生き残る・・・
そう呟いた少女娼婦「ルーン・バロット」の喪失と再生の力強い物語。
わがまま母
去年からずっと著者の『天地明察』を読みたかったのですが、
図書館では、村上春樹の『1Q84』と同じくらいの人気の500人待ち、、、。
諦めて「買って読もうかなぁ」と本屋さんをうろついていた秋の終り頃に
この本をみかけ、図書館で検索してみたら、
こちらは順番待ちも少なくすぐに借りられそうだったので、読んでみました。
『天地明察』とは全くジャンルがことなるSF小説で驚き!
この小説を元に漫画や映画も製作されていたんですねぇ、知りませんでした。
元々は、2003年に文庫の全三巻で出版されていたものを、
今回、大幅改訂し一冊にまとめられたものなので、
638頁と分厚く重たい本でした。
が、とても面白くて重さは気にせずサクサク読み進みました。
一瞬『歌うクジラ』なども思い出したのですが、
こちらも地球の近未来の世界を描いています。
最近、SF小説を読んでいると『いづれ、ほんとにこんな社会になるんだろうな~』
と漠然とですが想像することが多くなりました。
良いか悪いか、は別として現在の社会から未来を予想できる気がします。
特に、今の格差や貧困や争いの世の中を突き詰めてイメージしていけば、
こうなってしまうんだろうな、、、と想像するのは当然でしょう。
この小説には、主人公「バロット」や彼女を助ける「ドクター」や
彼女と一体化し共に闘う「ウフコック」等が異色の才能を発揮するし、
カジノの素晴しくカッコイイ女性ディーラー「ベル・ウィング」や
男性ディーラー「アシュレイ」の人間性が、救いとなっている。
小説として細かいことを言えば難もあるが、カジノシーンは圧巻だし
(カジノやゲームには無知でも楽しめた)、SFとしての装置も興味深く、
また、人間として考えさせられることも多く全体として面白かった。
因みに“マルドック”は“天国への階段”の意で、マルドック・シティが
小説の舞台となっている。
辛い過去をもち、車の中に閉じこめられたまま焼かれるという悲惨な状況で、
死んだほうがいい。
死にたくない。
生き残る・・・
そう呟いた少女娼婦「ルーン・バロット」の喪失と再生の力強い物語。
わがまま母