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できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

おかげさまで「おとなのための社会科教室」第2回を無事に終了しました。

2025-04-27 20:52:17 | 受験・学校

おかげさまで本日、無事に西宮での「おとなのための社会科教室」第2回を終了しました。画像はそのときのものです。この場をお借りして、ご参加いただいたみなさん、会場手配等準備の段階からお手伝いをいただいた小西さんに、あらためまして感謝いたします。

さて、今後の予定ですが。まずは夏休み頃に、中学校社会科の歴史的分野をメインにして「戦争」をテーマにした話を。その次のテーマは地理的分野を交えて「農業」か、それとも参院選でなにかと論争になりそうな「税金」か。そして年明け1月頃、阪神淡路の震災の日の頃に公民・地理・歴史の3分野をつないで「防災」と。3か月に1回ペースでこの「おとなのための社会科教室」ができればいいかな、と思っています。

ただ…。このように次々に学習会をするとなると、こちらも忙しい中での準備になりますので、他の仕事のあいまに「できるだけ短時間で手際よく準備を」ということを考えないといけません。となると、フルコースの料理ではなくて「家庭料理」を、それも「家の冷蔵庫にある食材でささっとつくる料理」のような感覚で、今後の学習会の準備をしないといけません。

そんなわけで、今日は「直近2日間(金曜・土曜)でできる範囲の準備」に徹しました。

たとえば今年度から東京書籍の社会科教科書は「新編」がでているのですが、やっと土曜日に入手できたので、金曜日に資料コピーをした前のバージョンの教科書を使うとか。教科書の内容解説は、このかたちですすめる。

あるいは、今回はいわゆるポストイット(付せん)の大判をつかって「KJ法」みたいなこともやってみました。「私の教科書の内容解説を聞いてみんなで考えてみたいこと」を自由に出し合って、その日の討論のテーマを整理する。そのポストイットを整理するときに、ひとりひとりの方がどんな思いでこのテーマを提案したのかを、ひとことふたことだけでもお聞きする。そんな場面もつくりました。

そのうえで、ポストイットをKJ法的に整理しますと…。今日は「人権についての学び方・教え方」と「さまざまな人権課題」にわりと参加者(10人)の興味関心が集まっていましたので、この2つのテーマで話し合いをしていただきました。

実は5月の連休明け(12日)に、国際文化学部の1年生対象の必修科目(人文学原論)で、「フィールドワークや話し合いの成果をどうやってまとめるか?」というテーマで、「KJ法」の話をしてほしいと。なぜか学部の執行部から私に依頼がありました。そのときにパワポを使って「こんな風にするんだよ~」という説明をするのですが、「なんか、実際にやってる場面の画像がほしいな~」と思ったので…。今日の「おとなのための社会科教室」のなかにKJ法的なことを入れてみた次第です。

要するに「おとなのための社会科教室」を活用して、自分の大学の授業準備もやっちゃった…ということですね、はい(でもまあ、それでいうなら…。この教室の運営自体が、教職科目の「社会科地歴科教育法」「社会科公民科教育法」を担当している私にとっては、市民講座のかたちをとった授業準備みたいなものなんですけど…)。

でも、参加者のみなさんのお話、おもしろいですねえ。たとえば「さまざまな人権課題」では「選択的夫婦別姓」の話で盛り上がってました。あるいは小学校教員のいるグループでは「人権に関する学習の小中接続」の課題や「小学校6年生の社会科教科書の構成」の課題、「学校での子どもの自治的な活動と憲法や子どもの権利条約の学習の関係」などについて話し合いが行われてました。他にも「子どもの頃に学校で確かに基本的人権の尊重や国民主権、平和主義などの日本国憲法の基本原理などを学んで、ことばだけ覚えていたけど、それが歴史的な流れのなかでどう位置づくかとか、現実の社会のなかでどういう風に活かすべきかなどについては、おとなになってやっとわかった」という意見もありました。

このような次第で…。敗戦後にできた「社会科」の基本的な枠組みとか、社会科教育のこれまでのあゆみなど、あらためて学校現場の教職員や地方議員、市民のみなさんと、しっかりと学びなおすことって大事やな~って、今日はあらためて思いました。

そうそう。阪神間のある小学校の教員の方が、たまたま学校で今、子どもたちと憲法の話をする機会があって…。「権力者をコントロールするための憲法」という話をするために、「檻の中のライオン」という本を授業で読んだのだとか。そうしたら「兵庫県の知事って、檻を壊すライオンみたいや」という声が子どもたちから出たそうです。なかなか、大事な声ですねえ。子どもたちのほうが、素直に「立憲主義」を理解して、「あの知事はおかしい」と言えるのに…。なにやってるんですかねえ、おとなたち?

ということで、今日の「おとなのための社会科教室」第2回の報告でした。あらためまして、ご参加いただいたみなさん・運営のお手伝いをしていただいた小西さんに、深く感謝いたします。

またやるで~。次は夏休みやで~。

(ただ、ホンネをいうと、この教室をおとなたちが自分たちの職場で、地域で、家庭でできるようになってほしいんですけど…)

(画像は今日の参加者の方からご提供いただきました。ありがとうございました!)

 

 


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