2236冊目はこの本。
西村徹『東井義雄の言葉』(致知出版社、2015年)
兵庫県但馬地方で長年小学校教師・校長を務めた故・東井義雄の言葉を集めた本。
東井義雄の言葉そのものにはハッとさせられるものがあるんだが、そのひとつひとつの言葉が東井の著作のどこに出ているのか、出典を明記してほしかった。
2236冊目はこの本。
西村徹『東井義雄の言葉』(致知出版社、2015年)
兵庫県但馬地方で長年小学校教師・校長を務めた故・東井義雄の言葉を集めた本。
東井義雄の言葉そのものにはハッとさせられるものがあるんだが、そのひとつひとつの言葉が東井の著作のどこに出ているのか、出典を明記してほしかった。
2235冊目はこの本。
片田珠美『自分のついた嘘を真実だと思い込む人』(朝日新書、2015年)
ひとまず、読みました、ということで。
この人、精神科医なんだけど、次々に本を出していますね。
それも割と似たような「~のような人」みたいなタイトルの新書本が多いかと。
これだけ本が量産できるウラには、何があるのだろう? 本の内容よりも、そちらの方が気になりました。
2234冊目はこの本。
鍋田恭孝『子どものまま中年化する若者たち』(幻冬舎新書、2015年)
子どものまま中年化する若者たち 根拠なき万能感とあきらめの心理 (幻冬舎新書)
児童・青年期の精神医学の立場から、最近の子どもや若者に見られるさまざまな特徴を論じた本。
基本的にご自分の精神科医としての臨床経験と、他の文献等で語られていることとをつないで論じているものなので、「なるほど、こういう見方もできますね」ということは多々あるのだけど、「はたしてそれが今の子どもや若者全般にどこまで見られる傾向なのか?」という点では、おそらく社会調査みたいなものをやって検証する必要があると思った。
ただそれでも、たとえば同じように学校に通いづらい「不登校」の子どもでも、20年前と今とでは悩み方の質が違うという指摘(最近のほうが悩みが深まらない傾向。その分、学校へ通えという規範は弱まっているというのが著者の理解)など、「なるほど」と思われる部分があるのは事実。なかなか面白い本だと思った。
今度は組立体操(通称・組体操)の危険な技の規制を求めてきた側にも、議論の揺れが見られることの紹介です。
ある方がツイッターでリツイートしておられる内容を見て、この2年近く、危険な組立体操(通称・組体操)の技を指摘し、その規制の必要性を訴えてきた人の主張が最近、以下のとおり揺らいできていることがわかりました。
@a_la_clef 2月24日
【緊急提言】組体操は,やめたほうがよい。子どものためにも,そして先生のためにも。▽組体操リスク(1)(内田良) - Y!ニュース
https://twitter.com/a_la_clef/status/702476310367473664
※このヤフーニュースの記事自体は、2014年5月のものです。
@RyoUchida_RIRIS 2月22日
「全廃という極端な方針、『ピラミッド5段、タワー3段』等の安全には程遠い方針、現場任せの方針… いずれも、具体的な危険性の検討を欠いている」
https://twitter.com/RyoUchida_RIRIS/status/701902547389296640
@RyoUchida_RIRIS 2月23日
今朝投稿した記事です。組体操を「全廃」にすると何もできなくなる,という内容です。
▼組体操の「全廃」から教育委員会の対応を問う 「二人三脚」も組体操に含まれる?(内田良) - Y!ニュース
https://twitter.com/RyoUchida_RIRIS/status/701988722300944384
このような形で、規制を求めてきた側の議論が揺らいでくるということは、とても大事なこと、いいことではないのかな、と私は思っています。
また、その議論の揺らぎのなかで、だんだん、規制を求めてきた側の見解も、当初から私が言ってきたことに近づいてきていることも感じます。
やはり以前から私が指摘してきたように、危険な技があるからといって、すべての組立体操(通称・組体操)を危険視するのはおかしいです。
また、先ほど体育学の専門家の立場からのコメント(フジテレビ系のニュース動画)も紹介しましたが、ある程度の危険を伴う技を学ぶなかで、子どもが安全な身のこなし方について考えていくということも大事なことかと思います。
しかし、この間の規制を求める側の議論は、こうした組立体操(通称・組体操)の技や、その学び方の多様性を一切捨象する形で、ただ特に危険度の高い技を前面に出して、「とにかく危険性を訴える」ということに終始してきたのではないかと思います。
そのことの行過ぎ、弊害が今、この問題に関する議論に浮上してきているのではないかと思います。
ちなみに、下記の点については、「一度、ご自身の発信したメッセージが、マスメディアやSNSを通じてどのように社会的な反響を呼び、どのようにある問題を構築していったのか。まさに<社会問題の構築>という観点から、教育社会学的に自己反省的に考察されることが適切ではないか?」とコメントしておきます。
@RyoUchida_RIRIS 組体操,2分の1成人式,柔道,部活動…
問題を指摘すると,すぐに「全否定レッテル」が作動する。
「全部やめるべき」と主張せずとも,全否定・全廃論者として扱われる。
こうして,具体的問題から目が逸れていく。
https://twitter.com/RyoUchida_RIRIS/status/703169999913889793 (19:49 - 2016年2月26日)
FNN「ふかぼり」組み体操は危険なのか? 独自に検証 (02/25 18:34)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00317294.html
これはフジテレビ系列のニュース番組で、日本体育大学の研究者と体操部の学生たちとが出てきて、「組体操」問題について実演も含めてコメントしている動画です。
ちなみにこの動画の最後で、体育学の研究者が「組体操」と「組立体操」がちがうという話をしていて、今、問題になっているのは「組立体操だ」という指摘をしています。ただ、実際には今の日本社会では2つの言葉は混同して使われています。
そこで私のブログでは今後、なるべく「組立体操(通称・組体操)」と書くことにします。ただ、毎日のブログの表題は統一したほうがいいので、「一連の組体操をめぐる議論に思うこと」で統一します。
本題にもどってなのですが、この動画でも体育学の研究者が、さすがに十段ピラミッドなどの危険な技は日体大の体操部の学生でもしない・させないけれども、たとえば二人組で片方をもう片方が持ち上げて肩の上に載せる技だとか、「この程度のことであれば、きちんと練習を積めば小中学生でもできる」ことがあって、「全部禁止するのはおかしい」と指摘しています。
また、「安全教育」の観点から見ても、この動画のなかで体育学の研究者が、危険度がある技を練習するなかでお互いに声をかけあったり注意しあったりすることを、組立体操(通称・組体操)を教材として使うことの意義として語っています。
私としても、このような見解はきわめて妥当なものですし、また、実はこのような体育学研究者の見解に沿って組立体操(通称・組体操)を行うのであれば、小中学校学習指導要領における体育(保健体育)の「体つくり運動」などの趣旨にもある程度沿うような取り組みになるのではないか、と思われます。
だとするならば、「マスメディアや政界を巻き込んでの、この間の大騒ぎはいったい、なんなのか?」ということですね。
やはり「モラル・パニック現象としての組立体操(通称・組体操)問題」という視点から、もう少し時期を見て、この間の大騒ぎを一度、調査・検証する必要があると思われます。