角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

実演の目的。

2008年09月25日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ23cm土踏まず付き〔4000円〕
黒と白のマス目プリントをベースに、合わせはエンジです。洋風な感じが他の配色の中で目立ちましたね。米蔵スタッフにも褒められたこちらの草履は、秋田市からお越しくださった女性グループのおひとりがお持ち帰りです。

いやぁ、寒いです。「涼しい」を十分通り越して「寒い」です。今日の最高気温は18℃、明日は17℃で明後日は16℃の予報が出ています。28日は100キロチャレンジマラソンの日、私が心配するようなものじゃないとは思いながら、遠く県外から参加するランナーさんたちはこの気温を知っているんでしょうかねぇ。
27日夕刻に行われる「前夜祭」には、娘たちが所属する角館高校おやま囃子同好会もご披露するようです。楽しく盛り上げて、歓迎の心を十分発揮して欲しいものですね。

昨晩のテレビで、日本人の常識問題を取り上げる番組をやってました。「常識」と言いながらかなり難しい問題が多く、一般正解率が10%以下になると私もほとんど分りませんでした。
決勝問題になると一般正解率5%なんて言うのもあって、こうなると不正解の人のほうがよほど常識的と思えますね。

そんな問題の中に、『日本のデパートで初めて実演販売をしたのは洋菓子ですが、なぜ実演という手段を選んだのでしょう?』というのがありました。この問題を聞いてすぐ、頭に思い浮かんだ私なりの答えがあったんです。それは「自信を持って手の内をすべて見せるため」。

本当の答えは、ケーキがまだ一般に食べられていないその時代、「体に害のある材料は使っていないことを証明するため」でした。私が思い浮かんだ答えと、まず大筋近いと思います。

私が公開実演をはじめた理由も、やはりそんなところにありました。「どんな材料」で「どんなふうに」編む草履なのか、これらをペーパーかなんかで理解してもらうのはとても無理と思ったんですね。であれば「実演」、当然と言えば当然の成り行きでした。
ただし、「自信を持って」の部分はずーっとあとのこと、はじめの頃は実に不安だったものです。

秋田市で草履作りに励んでいるお母さんが、このたびもご主人を連れ立ってお越しでした。足がお悪いご主人はいつもステッキを愛用していて、たびたびお越しいただくことを少々恐縮に思っていたんです。お母さんが実演ベンチで見学されている間、ご主人は近くのベンチに腰を下ろし、いつもうたた寝をしています。

小一時間ほど勉強されてお帰りの際、ご主人が『あなたはいっつも楽しそうに仕事してるんシなっ!』。うたた寝をしていながら、ちゃんと私たちの会話は聞いていたようです。
「手の内をすべて見せる」が実演の目的なんですが、そこには「楽しく」と「歓迎」が追加されて目的達成なのかも知れませんね。

コメント
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