角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

「ついで」と「本命」。

2008年09月02日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ22cm土踏まず付き〔4000円〕
縦縞のいろはプリントをベースに、合わせは緑の縞柄です。可愛い草履の中にあって、ときにこうしたシブい配色も必要です。やはり中高年のおばさま向きでしょうか。

朝一番にお越しは、徳島県板野郡からお越しのご夫婦。四国からマイカー旅行中で、今朝フェリーで秋田入りだそうです。北海道に別荘をお持ちというご夫婦、奥様が『これから4、5日かけて北海道入りしようと思って。そのついでに角館も寄ったとこなのよぉ』。ご主人と相談のうえ、お孫さんへのお土産に草履をオーダーくださいました。
“ついで”の角館で草履と出逢う、まさに「縁」じゃないですかね。

夕方近くになって、田町武家屋敷ホテルのスタッフさんから電話があり、『宿泊のお客様がそちらに伺いたいとおっしゃっているんですが…』。午後6時までいることをお伝えすると、間もなくご夫婦がお越しになりました。
仙台からお越しというご夫婦に『この草履を知ってお出ででしたか?』とお訊ねすると、奥様が『はいっ、あたしもオーダーして送ってもらいましたぁ』。
聞いてみると2、3年ほど前の桜シーズン、西宮家ではじめてお逢いしたそうです。

『角館はたびたび来てるんですか?』とお訊ねすると、ご主人が『いや、あれ以来ですよぉ。今回も草履を買うためだけに来たんですからっ』。ななな、なんとっ!草履を買うためだけに角館ですかっ!?
詳しく伺うと、奥様のご友人がご結婚されるとのことで、そのお祝いに奥様が私の草履を主張してくださったんですね。

ご主人へ『通販もしているのに、わざわざ来てくれて…』とお礼を言うと、『んっ、通販もしてるの?そんなことは聞いてないゾっ』。その言葉を聞いた奥様は、天井を眺めながら知らんぷり。
つまり通販もしていることをご主人に教えると、わざわざ角館まで行こうとは言ってくれないと踏んだんですね。これは奥様の作戦勝ちというワケでした。

それにしても、角館訪問の“本命”が私の草履と言われれば、それは天にも昇るような気分ですよ。間もなくのお祭りをご紹介しましたが、さすがに今年は無理とのこと。ぜひ来年は、本命が角館草履とお祭りでありますようにっ!

コメント (2)
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